Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

映画『さかなのこ』に出てきた望遠鏡

すっかりご無沙汰しています。天候・月齢・体調が噛み合わず全然天体撮影ができてない日が続いています。その間に溜まっている画像処理でもすればいいのですが、昨年10月1日の木星の写真もまだ処理の途中。今年1月のZTF彗星も未処理のデータがある有様で…

さて、昨日前から気になっていた映画『さかなのこ』を配信で観ました。さかなクンの自伝を元にした映画で、とても素敵な映画でした。主演はのん(能年玲奈)さん。主人公のミー坊(実質さかなクン)役を見事に演じています。さかなクンご本人も近所の変質者変なおじさんとして出演しています。

映画では主人公の幼少時代と高校時代が描かれているのですが、モデルのさかなクンが70年代生まれということで、小道具類にその時代のものが使われています。70年生まれの僕から見てもリアルに懐かしい空気感が漂う映像です。

そんな中、高校時代のシーンで理科室に古風な望遠鏡が登場。

https://rna.sakura.ne.jp/share/sakana-no-ko-01.jpg

写っているだけで特にストーリーには関係しない小道具なのですが(ストーリー的には手前のカブトガニが大事なシーンです)、なかなか懐かしい感じの望遠鏡です。でもビクセンポラリスでもないしミザールのARでも後藤のマークXでもないし、即座には特定できませんでした。

赤緯の目盛環が下(カウンターウェイト側)にある、極軸ウォームが上(鏡筒側)にある、極軸体に貼ってあるプレート、等の特徴から画像検索で探してみると、どうやら高橋製作所の「TS式 I型反射赤道儀」のようです。タカハシの公式サイトによるとこの1972年発売。僕が天文ガイドを読み出した80年代初頭には既に旧式になっており、広告やカメラ店等で見る機会はなかったと思います。

劇中の高校時代は1992年*1 なので20年前の望遠鏡ということになりますが、学校の備品ならそのくらい古くてもおかしくないかな?僕も1988年頃に高校で五藤光学の屈折赤道儀(赤道儀マークX以前のモデルで、おそらく1970年前後に発売されたもの)を見たことがあるので。

おかしいと言えば鏡筒が逆向きになっているのですが… こういう置き方は一般的なんでしょうか?主鏡にホコリ落ちないようにとか?

*1:高校の廊下の壁に貼ってあった「ミー坊新聞」に「平成4年5月号」とあるので確定。ちなみにミー坊新聞には総長のバイクの型式が A-AF18 (ホンダ ディオ(1988年発売)​)と書いてありますが、サイドカウルの形状からすると A-AF27 (ホンダ スーパーディオ(1990年発売)​)のような?