Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

M78 (2018/1/11)

年明け早々満月だったこともあって今年はまだ DSO を撮影していなかったのですが、月の出もだいぶ遅くなってきたということで昨夜は久しぶりに DSO を撮影しました。ターゲットは M78 です。

20時前に帰宅して早速ベランダに望遠鏡を設置したのですが、例によってドリフト法でじっくり極軸合わせをしている間に雲が出てきました。GPV の予報では朝まで快晴だったのですが…

21時過ぎに雲が消えたかなと思って M78 を導入して撮影しようとしたらまた雲が湧いてきました。これはダメかもしれないと思いつつ雲が切れた21時半頃に撮影開始。3枚目の撮影中に雲が出て PHD2 がガイド星を見失ったりもしましたが、その後は雲は出てきませんでした。

風が少しあったせいかガイドは荒れ気味。揺れに敏感に反応して裏目に出るような挙動が見られたのでガイドパラメータの「積極性」を 85 から 75 に減らして対応しましたが、あまり良くはならなかったような… とはいえ赤経方向の RMS は±2秒以内に収まってなんとか許容範囲。

赤緯方向のズレの方は途中2回極軸を微修正して対応。10分ほどズレずにいて突然短い時間で2秒ほどズレてその後じわじわズレていくというパターン。これがなければもっと長時間露出できるのですが…

その後は大きなトラブルもなく24時過ぎに撮影終了。今回は16枚コンポジットするつもりで予備も含めて18枚撮りました。が、結局撮り始めのカットは3枚目以外も雲がまだ少し残っていたらしく背景が他よりかなり明るくなっていたのでボツにして残りの14枚でコンポジット。人工衛星が写り込んでるカットが1枚あったのでσクリッピングを使いました。

M78 (2018/1/11 22:07)
M78 (2018/1/11 22:07)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), 笠井 ED屈折用0.6xレデューサー (合成F3.6), LPS-D1 48mm / Kenko-Tokina スカイメモS, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 6分 x 14コマ 総露出時間 1時間24分 / DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1150mm 相当にトリミング

地味ですね… 中心部は青みがかっているはずなのですが、光害カットフィルターのせいか青みはほとんどわかりません。左上隅の赤みはバーナードループの端っこが写っているものです。

M78 は一昨年の末に3分露出で撮っていたのですが、今回は明るい中心部を横切る暗黒星雲の南に伸びていくところをちゃんと写したくて露出時間を伸ばしました。が… ほとんど変わりませんね…

さすがにノイズは減っているのですが、背景になる淡い星雲が光害に埋もれてなかなか炙り出せません。強調処理をキツ目にかけると少しは見えてくるのですが…

M78 (2018/1/11 22:07)

ここまでやるとザラザラになってしまってスマホの画面ですら辛い画質になってしまいます。

赤い星雲だと背景光に紛れにくいのですが、M78 の周りの淡い星雲は白色なので光害地では厳しい対象です。HIROPON さんの写真でもそこまでは写っていません。でも HIROPON さんの場合 M42 の写真では周辺の分子雲まで写しているくらいなので条件次第ではあるいは…?

そんなわけで新年初撮りはイマイチな結果に。なお、ウルトラマンの話はみなさんご存知だと思うので割愛します(笑)