Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

M27 亜鈴状星雲 (2019/8/2)

8月2日は久々の快晴。と言っても低空は霞んで富士山が全く見えなかったりで透明度はイマイチっぽいのですが、せっかくなので何か撮ろうということで、こぎつね座の惑星状星雲 M27 (亜鈴状星雲)を撮りました。

M27 は過去3回撮っているのですが、今回は前々からやってみようと思っていた CMOS カメラでの撮影にチャレンジ。CMOS カメラと言っても Deep Sky 用のカメラは持っていないので惑星用の ASI290MC での撮影です。そして今回はいつもの長時間露出ではなくて、1分露出で100フレーム撮影というのをやってみました。

SharpCap での撮影ですがライブスタックではなく、スタックは DeepSkyStacker でやりました。デベイヤーで悩みたくなくて撮影モードは RAW ではなく RGB24 にしたのですが、これ、よく考えたら 8bit/チャンネルですよね。失敗した… でもスタックしてみるとそれなりに仕上がりました。

M27 (2019/8/2 20:05)
M27 (2019/8/2 20:05)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), LPS-D1 48mm / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + ASI290MM + PHD2 による自動ガイド/ ASI290MC (ゲイン177) / 露出 1分 x 100コマ 総露出時間 1時間40分 / DeepSkyStacker 4.1.1, Photoshop CC, StarNet++ 1.1, Lightroom CC で画像処理

M27 は青と赤のコントラストが見どころなのですが、光害カットフィルターを使ったせいか、青みがいまいち出なかったのが残念。しかし、非改造のデジカメではなかなか出なかった赤い縁取りがくっきりと浮き出たのは収穫です。

M27 は高度が高く、南中時にはベランダの天井にぶつかるおそれがあったので、天文薄明が終わるのを待たずに撮影開始したのですが、時間がなくて極軸をあまり追い込まなかったせいか、ガイドが不安定でグラフはノコギリ状態。ゆっくり+5秒角ほど流れてガクッと-5秒角まで戻す、のくり返し。

DEC の Agr を30まで落として、Mx DEC を 1000ms に落として若干安定したかと思ったのですが、またノコギリ運動。そんな状態なので3〜4枚に1枚は「ガクッ」のところにぶつかってボツに。使える100枚を撮るために実際には140枚ほど撮りました。

画像処理は例によって StarNet++ を使って星雲と星を分離して処理しています。

ASI290MC、惑星状星雲には使えそうということで、次は M57 環状星雲あたりを、と思ったのですが、8cm F6 ではちょっと小さすぎるのと、ベランダからは撮れないので機材を外に持ち出す課題をクリアしないといけないのが… これは来年ですかねぇ。