Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

月齢16.7 (2020/2/10)

久々に8cm屈折で月を撮りました。今年に入ってから体調や天候にめぐまれず天文活動ができなかったのですが、そろそろ再開ということで。

とは言っても大きな機材を設置するだけの気力がなくて、8cm屈折とスカイメモSという懐かしい組み合わせで撮りました。ただ、撮影方法と画像処理は今までやったことのないことをしてみました。

今回今までと違うのは、まずカメラが違います。今までの OLYMPUS OM-D E-M5 ではなく、OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II で撮りました。

このカメラには電子シャッターによる静音高速連写機能が付いています。今回はこの機能を使って連射した写真を惑星写真の画像処理のワークフローで処理しました。すなわち、

  • Lightroom Classic で RAW を TIFF に変換
  • TIFF を AutoStakkert!3 でスタック
  • AS!3 の出力(RGB画像)から L 画像を生成
  • L と RGB を別々に Registacx 6 で wavelet 処理
  • wavelet 処理した L と RGB を Photoshop CC でLRGB合成

というもの。後半は昨年やったセルフLRGB合成*1ですね。

結果はこうなりました。

月齢16.7 (2020/2/11 00:09)
月齢16.7 (2020/2/11 00:09)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), OLYMPUS EC-20 2x TELECONVERTER (合成F12) / Kenko-Tokina スカイメモS / OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II (ISO2000, RAW) 露出 1/1000s x 32/62コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop CC, Lightroom CC で画像処理

どうでしょう。ワンショットではなかなか出せないキレのいい仕上がりになったと思います。拡大すると結構ノイジーですが… もっとたくさん撮ってスタックしたらよかったかな。でも2000万画素のデジカメ画像だとたった32コマでもスタック処理に8分ぐらいかかります。手間も暇もディスク容量も余計にかかるのですが、この仕上がりならやる価値はあるかなぁ…

なお写真は天の北が上で、月の傾きは南中時の見たままの傾きになっています。いつもは月の北極を上にするのですが、カメラの傾きを月に合わせるのが面倒だったので…

画像回転で向きを変えようともしたのですが、今夜は月の傾きがかなり大きくて、回転すると端が切れてしまうので撮ったままの向きにしてしまいました。

こんなことやってないで μ-180C で月面モザイクの再チャレンジを、とも思うのですが、冬のシーイングでやるのももったいないので…

*1:僕が勝手に言ってる造語です。