Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

太陽 (2024/6/22)

6月22日の朝、前夜に土星の撮影で徹夜した勢いで太陽を撮影しました。

前日に宇宙天気ニュースで、太陽の西側に黒点が密集していて、撮るならこの日がラストチャンスと知っていたので、土星の撮影の後、鏡筒を FSQ-85EDP に載せ替えてスタンバイしていました。

夏至の翌日ということもあって太陽は東北東よりさらに北の位置から昇り、南向きベランダから見える位置までなかなか昇ってこなかったのですが、8時頃には撮れる位置に入ってきたので撮影を開始しました。

3つの黒点群は写野に収まりきらず、2回に分けて撮っていたのですが、今まで太陽面のモザイク合成はことごとく失敗してきたので*1 なんとか一度に3つ撮りたいと思って、途中からカメラを回転して横倒しの構図で撮影しました。

撮影と並行して画像処理をしていたのですが、最初の方で撮ったものは wavelet 処理してもディテールがブレたように流れる写りになってしまっていて、モザイク合成どころではありませんでした。途中からシーイングが好転したのか、後から撮った横倒し構図の分は綺麗に写っていたので、選択の余地なくそちらを採用…

【注意!】 太陽の観察・撮影には専用の機材が必要です。専用の機材があっても些細なミスや不注意が失明や火災などの重大な事故につながる危険性があります。未経験の方は専門家の指導の元で観察・撮影してください。

3716, 3713, 3712黒点群 (2024/6/22 08:18)
3716, 3713, 3712黒点群 (2024/6/22 08:18)
高橋 FSQ-85EDP (D85mm f450mm F5.3 屈折), 笠井FMC3枚玉2.5倍ショートバロー(合成F15.1), バーダープラネタリウム アストロソーラーフィルターフィルム, ZWO UV/IR Cut Filter / Vixen SX2 / ZWO ASI290MM (Gain 144), SharpCap 4.1.11817.0, 露出 1/2000s x 500/2000コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 4.0.11, RegiStax 6.1.0.8, Lightroom Classic で画像処理

写真は西が上、北が左の構図です。かなり大きめの黒点群が3つならんでいて、一つ一つの大きさは先日の3668黒点群ほどではありませんが、これだけ密集しているとなかなか壮観です。黒点番号は左から 3716, 3713, 3712 です。

一方、太陽の東側にも黒点群が4つ出てきていました。

3721, 3722, 3720, 3719黒点群 (2024/6/22 08:16)
3721, 3722, 3720, 3719黒点群 (2024/6/22 08:16)
撮影データは上に同じ。

左側の縁のところに見える楕円形の1個の黒点が3721黒点群、右側の縁のところに見える楕円形の黒点2個が3722黒点群、そのやや左斜め上の方に小さな黒点がそばかすみたいに散らばっているのが3720黒点群、その右斜め上に小さな黒点の集まりと丸い黒点1個が並んでいるのが3719黒点群です。

どれも比較的こじんまりとしていますが、これから大きくなっていく可能性もあります。期待しましょう。いや、太陽フレアの影響で困る人もいるでしょうからあまり期待しない方がいいですかね…

*1:ICE や Photomerge で処理してもまともにモザイクになったことがったことがありません。