Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

冥王星とカロン?

8月11日の夜に撮った冥王星カロンは写らなかったと書いたのですが…

そもそもアマチュアの機材でカロンを撮ることができるのか?と思って AstroBin で探してみたら Image of the day 2013/09/11 に選ばれた写真がありました。

12.7cm 屈折で撮ったものだそうです。冥王星カロンを分離はできていませんが、冥王星から突き出た出っ張りのような形でカロンの存在がわかります。

それなら18cmでも写るのでは?と思って、11日の写真を wavelet 処理してみました。

冥王星周辺 (2020/8/11 23:00) (wavelet)
冥王星周辺 (2020/8/11 23:00) (wavelet)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MC (Gain 285) / 露出 15秒 x 10/20コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14, RegiStax 6.1.0.8, Lightroom Classic CC で画像処理

冥王星を拡大してみると…

冥王星とカロン? (2020/8/11 23:00) (3倍に拡大)
冥王星カロン? (2020/8/11 23:00) (3倍に拡大)

冥王星が真円にならずに左斜め上に伸びたような形をしています。追尾エラー?と思わなくもないのですが、すぐ右隣の USNOA2 0600-41219351 は真円なのでそうではなさそうです。

Stellarium の表示を縮尺を合わせて重ねると、カロンの位置と星像の伸びる方向がほぼ一致しました。

Stellarium の星図を重ねたもの

ということで、カロンが写ってたかも?という状況なのですが…

撮影時の冥王星カロンとの離角を計算すると約 0.60 秒。*1 口径18cmの望遠鏡のドーズの限界は 0.64 秒なので二星を綺麗に分離して見ることはできないはずですが、長円状の星像としてなら写ってもおかしくありません。

現在カロンの軌道面は地球に対してほぼ垂直の向きになっているようで当分はいつ見ても冥王星から 0.6 秒くらいの離角で見えるようです。20cm 以上の望遠鏡をお持ちの方はぜひチャレンジしてみてください!

*1:http://www.bao.city.ibara.okayama.jp/stardb/sol/data/sol0115.html の公式に Stellarium で表示された冥王星カロン赤経赤緯を代入して計算しました。