1月9日の夜に Micro-NIKKOR 55mm F2.8 で撮ったオリオン座とばら星雲周辺の写真がフラット撮影の失敗で十分な画像処理ができなかった件の続きです。
あの後フラットに何故格子状の模様が出てしまうのかを調査し、回避方法を見つけてフラットを撮り直して再処理しました。
バーナードループの淡い部分をかなり炙り出せるようになりました。ただ、左下隅の赤い部分は他の人の写真を見てもそれらしきものが見当たらないのでたぶん ABE の失敗だと思います。ABE を2度がけ3度がけすると周辺部の背景処理が怪しくなりがちなので…
クリスマスツリー星団の周りの赤い星雲がかなりはっきり見えるようになりました。星団の北西方向に広がる暗黒星雲の存在もわかります。四隅の赤いところはやっぱり怪しい気が…
そもそも撮り直したフラットは日中に撮影したのでピントは正確に無限遠を出せていませんし、パーツを一度バラしているのでリングのねじ込み具合とかで微妙に合ってないところもあるのかもしれません。
さて、前回のフラットの何が問題なのかですが、どうも iPad の液晶画面をそのまま光源にしたのがいけなかったようです。画面の上にコピー用紙を1枚敷いて撮影すると格子状の模様が消えました。
前回同様、iPad の画面の上にレンズを立てる形でフラットを撮影し、PixInsight の MLT で強調処理をして格子模様を確認します。MLT のパラメータは Starlet transform の Dyadic のレイヤー 8〜10 を使っています。
前回絞りとか間違えたかもと思ってちゃんと絞りが開放なのを確認して撮影しましたが、しっかり格子模様が再現しました。
格子模様が何に由来するのかわからなかったので、試しにカメラを光軸を軸に少し回転して撮影したところ、格子模様も回転しました。
ということは画面のピクセルの配列と何か関係がある?
iPad の画面表示の際のスキャンラインが見えている可能性を考えましたが、前回とはシャッタースピードが異なるのに格子模様のピッチは変わらないように見えますし、そもそも縞模様ならともかく格子模様になるのはわけがわかりません。
ということは、センサーのピクセル配列と液晶のピクセル配列の間で発生するモアレ的な現象なのでしょうか?でもこれだけピンぼけ状態でも?
あるいはセンサーもしくはフィルターから反射した光がさらに液晶画面で反射したものが干渉を起こして… みたいなことも考えましたが、こんな模様になるのかどうかさっぱりわかりません。
とにかく液晶表示をぼかし、かつ、反射光を拡散すればなんとかなるのでは?と思って液晶画面の上に紙を敷いてフラットを撮ると格子模様は消えました。
今まで RedCat 51 のフラットとかは同じように撮っていてこんな問題は出なかったのですが、焦点距離の短いカメラレンズだと顕在化するのかもしれません。とりあえずこれでカメラレンズでもまともなフラットが撮れそうです。でも液晶画面じゃなくて EL パネルとかでフラット光源作った方がいいのかなぁ…