Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

しし座の三つ子銀河 (2018/3/11)

3月に入ってから2回撮影しましたが、2回とも満足な結果が得られず落ち込んでいます…

3月11日は深夜までにしし座の三つ子銀河を、深夜からは M83 を撮る予定でした。19:30頃から準備を始めて20:30に極軸合わせを完了し、三つ子銀河が十分昇るのを待って21:22撮影開始。15分露出で12枚撮影します。

前回赤経赤緯」に設定していた SB10 の方向キーの設定ですが、これは「X-Y」に設定しました。また、撮影前に PHD2 のキャリブレーションをやり直しました。この時、結果が前回(ドリフトアライメントする前)と大きく異なるが大丈夫か?みたいな警告が出ましたが、やり直した結果を使うことにしました。そのへんが効いたのか、今回はガイドが好調。RMSエラーは赤経が0.8〜1.0秒、赤緯が0.7〜1.1秒。

この日は体調がすぐれず、待っている間に具合が悪くなって横になっていました。8枚目の撮影が終了する時間にセットしたタイマーに起こされて様子を見ると、PHD2 のガイドグラフが変です。

ガイド撮影中に赤道儀が停止

これは一体…!?ベランダに出てカメラのライブビューを見ると全然違う場所が写っています。最後に撮った8枚目の写真を見ると星がまっすぐ西へ流れていて、どうやら赤道儀の追尾が停止してしまったようです。SB10 の画面には「架台との通信が途絶えました.電源を入れなおして下さい」の表示が出ていました。

言われるままに電源を入れなおしたのですが、スコープモードに入るとまた同じ表示。

「架台との通信が途絶えました.電源を入れなおして下さい」

どういうことかと思ったのですが、よく見ると画面右上の電池残量表示が空になっています。SG-1000 の残量表示は赤。電池切れでした。

この電池、4時間しかもたない?前回の撮影では3時間半運転して残量表示はグリーンだったので余裕かと思っていたのですが… 前回の撮影後半日充電してから2週間放置している間に放電してしまったとか?でも鉛蓄電池の自己放電率は1ヶ月で1.5%とかだそうなので*1 そんなに減ってるとも思えません。充電が半日では足りてなかったのでしょうか。

とにかく電池切れではどうにもならないので残りの撮影は諦めました。ACアダプターで運転する手もあるのですが、コードが届きません。今度延長コードを買ってきますか… フラットとダークを撮って1:00に撤収完了しました。

電池切れの前に撮れた7枚をコンポジットしたのがこれです。

M65, M66, NGC3628 (2017/3/11 21:22)
M65, M66, NGC3628 (2017/3/11 21:22)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), LPS-D1 48mm / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 15分 x 7コマ 総露出時間 1時間45分 / DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.28, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1615mm 相当にトリミング

うーん… 去年スカイメモSで撮ったものと比べると、星像はさすがにシャープなのですが、肝心の銀河がパッとしないというか、なんかノイズまみれなんですが…

M66 を等倍で見るとこんな感じです。

M66 (2018/3/11 21:22)

なんか画用紙に色鉛筆で塗った絵みたいな描写になっています。いわゆる縮緬ノイズでしょうか?以前やっていた「なんちゃってディザリング」を今回はやってないのでそのせいかもしれません。

それにしても背景の(というか光害カブリの)ノイズが目立ちます。光害カットフィルターを使っていますが、それでも背景の輝度は70%あり、それを無理やりレベル補正で落とすと全体にノイズが浮いてくるのです。これをさらにレベル補正で消してしまうと NGC3628 の左右の淡い部分も消えてしまうので、妥協して残しています。

長時間露光だとこうなるのか、それともたまたま春霞が強くてカブリが強く出たのか、よくわかりませんが、せっかく高価な機材を投入して撮影に手間も時間もかけてこれでは… かなり凹みました…

電源の件といい前途多難です。