Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

「かにパルサー」ってこれですか?

昨夜撮ったかに星雲(M1)の写真に中性子星「かにパルサー」は写ってるのか?という件ですが、どうやらギリギリ写っているようです。拡大写真に印を付けてみました。

かにパルサー (2019/10/5 01:47)
かにパルサー (2019/10/5 01:47)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), LPS-D1 48mm / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + ASI290MM + PHD2 による自動ガイド/ ASI290MC (ゲイン153) / 露出 2分 x 48コマ 総露出時間 1時間36分 / DeepSkyStacker 4.1.1, Photoshop CC, Lightroom CC で画像処理

中央の二重星みたいになってる星の小さい方の星がそれのようです。かにパルサーの位置は以下のサイトで確かめました。

そもそも中性子星って可視光で光ってるの?と思ったのですが、かにパルサーの場合、パルサーとして発生している電磁波*1 が電波だけでなく可視光の波長にも及んでいて、それが見えているそうです。

なので、可視光でも電波と同じように33ミリ秒周期で点滅しています。これは1968年にかにパルサーが発見されてすぐに観測されています。*2 点滅の様子の動画はこちらで見ることができます。

これはキットピーク国立天文台4メートルマイヨール望遠鏡で撮影されたものだそうです。1/30秒周期の点滅を撮るには16等星を1/60秒以下の露出で撮らないといけないのでアマチュアの機材では無理そうですね…

かにパルサーで動画と言えばこんなのもあります。ハッブル宇宙望遠鏡で撮ったかに星雲の写真にはかにパルサー付近を中心に広がる波紋のような模様が写っていますが、この模様が水面に広がる波紋のように動くのです。その動画が HubblsSite で見ることができます。

これは約1週間毎に撮った10枚の写真から作られたタイムラプスムービーですが、こんなにダイナミックに動くんですね… そして、どうやらアマチュア天文家でもこの波紋の変化が観測できるらしいのです。Dave Goodin さんが撮った動画がこちら。

2年かけて半年毎に撮影したものをタイムラプスムービーにしたそうです。確かにかにパルサーの位置から波が広がるような模様の変化が見られます。撮影機材等はわかりませんが、写り具合からすると30cmクラスの望遠鏡で撮ったもののように見えます。

この「かにウェーブ(?)」、8cm の解像度ではさすがに無理っぽいですが、20cm クラス以上なら写りそう?誰かチャレンジしてみませんか?うちは μ-180C をガイド撮影する機材が揃ってなくて当分無理そうです…

*1:磁場を持った天体が高速回転することによるもの。

*2:参照: Pulsar | cosmic object | Britannica.com