前回のエントリから前後しますが、8月17日はベランダから M20 「三裂星雲」を撮りました。あまり露光を稼げませんでしたがそこそこ写りました。三裂星雲の後はついでにHαで M16 「わし星雲」を撮りましたが、こちらは途中から雲が出て3コマしか撮れず。
お盆休み中ですが天候が悪く、横浜は台風の直撃はなかったものの大雨続きでした。おかげでなかなか天体撮影の機会がなかったのですが、17日は久々の晴れ。しかも新月期、ということで FSQ-85EDP で何か撮れるものということで前からアップで撮ってみたかった三裂星雲を狙いました。
射手座の天体は既にシーズンを過ぎつつあり、宵の天文薄明が終わった頃には既に子午線を越えておりしかも比較的低空ということで、なるべく早くから撮りたかったのですが、久々の N.I.N.A で操作がわけわからず混乱するわ N.I.N.A がカメラの冷却途中で異常終了して冷却止まるわで大混乱。
後でよく見たらデスクトップPCの N.I.N.A が古かったんですね… 2021年に ASI294MM Pro 買った時に試した時のバージョンのままでした。ノートには新しいの入れてたので気付きませんでした。ていうか、デスクトップから N.I.N.A で撮るの今回が初めてでしたね…
結局撮影開始は21:00を過ぎたのですが、頑張って高度が20度切るくらいまで撮り続け、L/R/G/B 各8コマ確保。Hαも4コマ撮りました。
高度が低く光害の影響が強い中で撮ったので心配でしたが、三裂星雲の青とピンクの色がちゃんと出ました。散開星団 M21 とのツーショットの構図で撮ったのですが、M21 が地味でイマイチ?背景の天の川に赤っぽい星が多いので青っぽい星色の星団はそれなりに目立つのですが星の数も少ないし…
Hαの方はこうなりました。構図はカラー写真と揃えてあります。
Hα線は赤の波長の光なので、カラー写真では赤やピンク色に写っている星雲が写ります。三裂星雲の暗黒帯に引き裂かれたピンク色の星雲はよく写りますが、その上にある青い星雲はほとんど写っていません。そのかわり光害の影響をほとんど受けないのでたった16分の露光でも星雲の濃淡がよく写っています。
最初はLRGB合成の際にHαもブレンドしようと思ったのですが、PI の WBPP の結果ではセンサーの縦方向(上の写真だと90度回転しているので横方向)に線状の目立つノイズが出てしまっていたのと、カラーバランスに苦しみそうだったのでやめました。でももったいないので WBPP が calibrated に出力した画像を StarAlignment, ImageIntegration して仕上げたのが上の写真です。
この日狙っていたのは三裂星雲だけで後はノープランでしたが、消化不良気味だったのでおまけで M16 わし星雲を Hα で撮りました。
わし星雲全景は2021年にデジカメで撮っていますが、横浜の空だと淡い翼の部分の写りが悪くてイマイチでした。
今回はナローバンドなのでさすがによく写ります。ちゃんと鳥の形に見えます。頭があり、翼があり…
鳥の形と言えばいっかくじゅう座の「わし星雲」IC2177 (紛らわしいので最近は「かもめ星雲」と呼ばれることが多い)も、頭があって翼があって、という似たような形なのですが、何か理由があるのでしょうか?IC2177 は去年の正月に撮影しました。
比較のためにHαのみのモノクロ写真も載せます。写真の向きは M16 に合わせて頭が上向きになるよう90度回転してあります(北が左)。
こうして見ると「かもめ星雲」もなかなかいかつい感じですね。
今回はどの写真もあまり露出時間が稼げなくて若干消化不良気味ですが、撮り方忘れないように無理してでもたまには撮っておかないといけませんね。