Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

LRGB 合成で M31 を再処理

12月8日に撮った M31 のRGB画像と2年前に撮った M31 のL画像をLRGB合成して仕上げてみました。


あらためてイチから PixInsight で再処理です。あ、RGB の flat, dark, bias は前回処理した master を流用しました。light はイチからです。

処理は WBPP で L/RGB 一緒に、L のデータと RGB のデータはフォルダ分けして、Grouping Keyword を使ってフラットやダークが混ざらないようにして処理しました。このやり方は以前こちらに書きました。

Grouping Keyword に fist の FILTER を指定してもいけるかと思ったのですが、それだと master dark にフィルター情報が入ってないので dark が混ざってしまいました。やはりフォルダ名でグループ化するのが無難なようです。

また今回は2分露出のフレームだけを使ってHDR処理はやりませんでした。LRGB合成用の処理を PI でやるのは初めてなのであまり手順を複雑にしたくないのと、LとRGBと別々にHDR処理して大丈夫かよくわからなかったので。

結果はこちら。なかなかいい感じになったと思います。

M31 (L:2021/12/1 22:36, RGB:2023/12/8 23:47)
M31 (L:2021/12/1 22:36, RGB:2023/12/8 23:47)
[L]
William Optics RedCat 51 (D51mm f250mm F4.9 屈折) + ZWO L Filter 31mm / Kenko-Tokina スカイメモS, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 2.6.10 による自動ガイド / ZWO ASI294MM Pro (11 Megapixel, Gain 150, -10℃), SharpCap 4.0.8334.0, 露出 2分 x 16コマ
[RGB]
William Optics RedCat 51 (D51mm f250mm F4.9 屈折), IDAS LPS-D1 / Sky-Watcher Star Adventurer GTi, 30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 2.6.11 による自動ガイド / ZWO ASI294MC Pro (-10℃, Gain 150), N.I.N.A 2.3 HF2, 露出 2分 x 10コマ

総露出時間 L:32分 + RGB:20分 = 52分 / PixInsight 1.8.9-1, Photoshop 2024, Lightroom Classic で画像処理

光害地で西に傾く対象を撮ったので光害カブリの処理は苦労しましたが… ABE 2回がけでもダメだった分は Lightroom の最終仕上げで段階フィルターを使ったり、トーンカーブで低輝度領域のカーブを平たくしたりしてごまかしました。

前回のエントリで書いたカラーカメラで撮った画像を PCC で処理すると緑カブリが出る件は、丹羽さんの例の記事を参考にして1倍 drizzle で intagration したらスッキリ解消しました。


丹羽さんとPCC事故調査委員会の皆様に感謝です。

ところでRGB画像に drizzle をかけると1倍でも解像感がアップするのですが、Lightroom の色ノイズ軽減が効きにくくなるような…

今回はLRGB合成なので RGB の輝度ノイズ軽減を強めに使ったりしてなんとかなりましたが。ノイズリダクションも PI の何らかの process を使った方がいいんですかね?まあ、そんなにいやらしいノイズではないし(昔のカラーフィルムの粒状感に近い感じ)、等倍で見ないと分からない程度なのでそんなに気にしなくてもよいのかもしれません。