Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

M15 (2017/8/24)

昨夜の東京(職場)は夕方から妙に空が晴れていて、これは久々に星が見れるかも?と思いつつも GPV の予報はずっと曇りなのであまり期待せず帰宅したのですが、どうも横浜も晴れているっぽい、ということで、21:30 頃からベランダに望遠鏡を設置。

いつものようにドリフト法で極軸を合わせていたのですが、ネットしながらだらだらとやってたし、高度調整に手間取ったこともあって1時間ぐらいかかりました。純正の微動雲台、高度調整はウォームギア式ですが、バックラッシュが大きくて調整しすぎて戻す時に微調整が難しいです。

今回のターゲットは、みずがめ座の球状星団 M2 と、同じくみずがめ座の惑星状星雲らせん星雲(NGC7293)だったのですが…

あいかわらず横浜は夜空が明るくて、はっきり見える星がアルタイルしかなくて、そこから M2 まで星を辿ろうとしたのですが、ちょっと無理でした。レデューサーなしの 480mm (フルサイズ換算 960mm)だと視野が狭くて途中でどこにいるのかわからなかくなってしまいます。横着せずにガイドスコープとファインダーを交換してファインダーを使えばよかったかも…

目を凝らすとペガサス座の鼻先にある2等星エニフが確認できたので、そのすぐ近くの球状星団 M15 を導入しました。そこから南に下れば M2 ですが、せっかくなので M15 を撮ることにしました。

今回は赤経方向の追尾精度の改善がテーマで、PHD2 のガイドアルゴリズムのパラメーターを変えてみました。アルゴリズムは「ヒステリシス」で、今まで設定はデフォルトのままでした。今回は「積極性」を上げてみよう、と思ったら「最小移動検知量」がなぜかデフォルトの 0.20 ではなく 0.38 になっていることが判明。こんなところいじった憶えはないのですが…

そういえばガイドグラフを見るとガイド星の動きに対して修正動作が出遅れる傾向があったな、と思って、こちらをデフォルトの 0.20 に戻すことにしました。「積極性」も 80 に設定して、試験運転では良さそうな雰囲気だったのですが、一度に二つのパラメーターを変えるとどちらの効果なのかわからなくなるので、本番では 70 のまま撮影しました。

撮影中ガイドカメラの映像に人工衛星が横切るのが映っていましたが、σクリッピングで消せばいいやと予定通り8枚撮影で終わろうと思ったところ、8枚目を撮り終わる前にフラット撮影のために用意した iPad を PC に挿したUSBケーブルのコネクタにぶつけてしまいました。

ガイドカメラの映像がピタッと止まりガイドグラフも停止。オートガイダーとの通信が途絶えてしまったようです。あわててUSBケーブルを挿し直し PHD2 を再起動。すぐにガイドが再開したのですが、10秒近くガイドが止まってしまいました。撮影後写真を確認すると問題の8枚目は見事にブレていたので追加で1枚撮影…

というわけでなんとか撮れたのがこちら。

M15 (2017/8/24 23:01)
M15 (2017/8/24 23:01)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折) / Kenko-Tokina スカイメモS, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 6分 x 8コマ 総露出時間 48分 / DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.18, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1920mm 相当にトリミング

なかなか球状星団らしく写っていると思うのですが、天文書の作例と比べると粒の小さな星の写りが悪いのか、いまいち密度が足りないような写りです。ちょっとピントが甘いからかな?それとも追尾精度の問題でしょうか。

ガイドパラメーターの変更はそこそこ効いている様子で、RMSエラーは1.5〜1.6秒ぐらいでした。今までは2秒弱だったので少しはマシに。でも等倍でよく見るとまだ星が楕円になっています。

https://rna.sakura.ne.jp/share/phd2-20170824-IMG_5011.JPG

ちなみに人工衛星はガイドカメラ映像で見たものの他にもいくつも近くを横切っていましたが、σクリッピングで綺麗に消えました。

M15 の後はレデューサーを付けてらせん星雲を狙ったのですが…

フォーマルハウトから星を辿ってらせん星雲があるはずの場所を試し撮りしたのですが何も写りません。Lightroom で色々いじってもそれらしき星雲は確認できず。そもそも高度が低いせいか薄雲が出ているのか透明度が悪く背景も明るくて星があまり写りません。ISO200の60秒露出で背景の濃度が25%ありました。

これでは長時間露出だと白飛びしてしまうので3分露出でとりあえず撮影開始。しかしガイドカメラの映像はザラザラのノイズにまみれているし、PHD2 は頻繁にガイド星を見失うしで、まともに撮れている気がしない状況。8枚撮り終わって外を見ると薄雲が一面にひろがっていました…

というわけでらせん星雲は失敗。また次の機会に狙ってみたいです。

失敗と言えば、ダークを撮る前になって気付いたのですが、また組み込みの伸縮フードを伸ばすのを忘れてました。なんで巻きつけフードを巻きつける時に気づかないかなー。あとでブログ読み返してこの手の失敗をリストアップしてチェック項目にまとめたいと思います…

天体写真を撮ること、天体撮影について語ること

僕みたいな一般人が貧弱な機材で天体写真を撮ることの意味ってなんだろう。綺麗な天体写真を見たいなら、そういう本はいくらでもあるし、NASA のサイトに行けば人類史上最高レベルの天体写真を無料で飽きるまで眺めていられる。

純粋に天体を見たい、知りたい、ということであれば、ハッブル宇宙望遠鏡のような最高の機材で撮った写真を見るのが一番だ。どうしても自分の眼で見たいのなら望遠鏡を所有して好きな時に眺めるというのも悪くはないが、写真を撮るとなるとどうだろう。

一部の天文現象を除けば、たいていの天体写真はいつどこで誰が撮っても基本的には同じ写真にしかならない。天体はいつでも誰にでも同じ姿しか見せないので、ベストな撮り方はだいたい決まっているし、あとは単線的なクォリティの差でしか差別化できない。

そしてクォリティの差は圧倒的に機材の差から生まれてくる。結局のところ、いかにハッブル宇宙望遠鏡レベルの写真に迫るものを撮ることができるか、という話になる。それならハッブルが撮った写真でいいのでは?

通常、一般人が撮った天体写真にはオンリー・ワンな要素は全くない。ハッブルが撮った写真にはない特別な何かなんて何一つない、ただの写りの悪い写真でしかない。そんなものをなぜ撮るのか?

影技術を身につけること自体が楽しいということはある。これだけの機材でどこまでの写真が撮れるか極めたい、という楽しみ方はあるだろう。しかし、大抵の人は撮れば撮るほどもっといい写真を撮りたいと思うようになり、より高価な機材に手を出すようになるのだから、そういった楽しみ自体はあまり本質的でないように思える。

それではなぜ?オンリー・ワンな要素はないと言ったが、しかし、自分が撮った写真は自分にとってだけは特別だ。僕自身、自分で撮った天体写真をたびたび見返しては何とも言えない気分に浸ることがよくある。そんな時の気分にはハッブルの写真を眺めるのとは違う何かが確かにある。

それは旅行で撮った写真を見返して旅先での思い出に浸るのに似ているように思う。旅先の思い出と言っても色々あるが、苦労してその場所に辿りつけた、その場所の空気に触れた、という感慨のようなものの記憶のことだ。

と言っても、僕はほとんど旅行をしない人なので、思い出のそういうところを振り返るのが一般的なことなのかよくわからない。普通は土地の人とのふれあいや同行した友と語り明かした思い出などを振り返るものなのかもしれないが… それでも天体撮影と旅行には何か共通点があるように思える。

こういうのはどうだろう。光の強さは距離の2乗に反比例して弱まる。だから肉眼に比べて100倍の光を集めて天体写真を撮ることは、その天体との距離の10分の1の距離まで近付いて見るのと同じだ。1000万光年先の天体なら100万光年まで近付いて、つまり900万光年旅したのと同じだ、と。

これはさすがに嘘っぽい気もする。あまりに理屈っぽいし、実際そんなことを考えて天体撮影を始めたわけでもないし。でも、そういうふうに考えるとちょっとだけワクワクしてくるのもまた事実だ。

天体写真を撮るたびに誰が読むともわからないとりとめのない記録を書き残すのも、旅人が旅行記を書き記すのとどこか似ている気がする。記録を残すこと、その記録を誰かが読んで証人となること。そういったことで旅の体験がより確かなものに感じられるようになる。

普通の旅なら写真自体が記録になるが、天体写真の場合、写真そのものは上手いか下手かという点以外には他人の撮った写真との区別がつきにくいだけに、どうやって撮ったのかという記録が自分の「旅」の証となる。

天体写真の撮影記は技術的なあれこれが多くなりがちで天文の趣味のない人にはあまり面白みのない記録かもしれないが、なにやら頑張って少しでも天体に近づこうと努力しているのだと理解してもらえれば嬉しい。

自宅のベランダや近所の公園に出るだけで宇宙旅行気取りというのもなんだか滑稽かもしれないが、むしろ「見るだけなら宇宙は意外と近い」とも言えるのではないか。北斗七星がやっと見えるぐらいの街の夜空でも、ちょっとした機材と技術があれば様々な天体に近づけるのだから。

月 (2017/8/12)

昨夜 M27 を撮った後は、月が昇るのを待ってから月齢20の月を撮りました。

月齢20.3 (2017/8/13 01:04)
月齢20.3 (2017/8/13 01:04)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), OLYMPUS EC-20 2x TELECONVERTER (合成F12) / Kenko-Tokina スカイメモS / OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO400, RAW) 露出 1/80s / Lightroom CC で画像処理

そろそろもっと大口径で長焦点の光学系が欲しくなってくるのですが、そうなると赤道儀も必要になるし…

月を撮った後は機材は片付けて、ベランダから眼視で空を眺めて1時間ほどペルセウス座流星群の流星を待っていたのですが、透明度が低く月明かりで随分空が明るくなっていたこともあってほとんど見えませんでした… くじら座の方向に一つ、やぎ座の方向に一つ、いずれも視界の端でとらえただけでまともに見ていません。

でも久々にゆっくり星空を見ました。と言っても肉眼ではほとんど星が見えない空でしたが。アルタイル、フォーマルハウト、デネブ・カイトス、アルデバラン、ぐらいしか見えませんでした。プレアデス星団は 5cm ファインダーでよく見えました。もうそんな季節なんですね。

M27 亜鈴状星雲 (2017/8/12)

GPV の予報では夜は曇りということだったのですが、晴れ間も見える夜空だったので、前回の記事でやったアリミゾ化の効果をテストしようと久々にベランダで天体撮影。

ターゲットはいて座のでかい球状星団 M22 です。あくまでテストでガイドエラーが出てないかわかればいいので薄雲越しに撮影を強行。だったのですが、21時頃、2枚目の撮影中に雲がどんどん出てきて PHD2 がガイド星を見失いテスト中止です。

一面の雲でもう撤収かと思ったのですが、twitter を見ると HIROPON さんが撮影していて東京は晴れているとのこと。それなら横浜もそのうち晴れるかもしれないと思い、機材はそのままにしておきました。

22時過ぎにオートガイダーの映像を見ると雲がなくなっていて、ベランダに出るとすっかり雲が流れていった様子でした。M22 を撮るには遅い時間なので、先月中途半端にしか撮れなかった M27 亜鈴状星雲を撮ることにしました。

今回はレデューサーなしの直焦点での撮影です。いつものように導入後極軸を微調整して撮影を開始。ここはどうしても極軸がズレてしまうみたいです。

懸案の赤緯方向のズレが大きくなっていく現象ですが、結局再発してしまいました。鏡筒の固定方法は関係なかったのか… でもその後また極軸を微調整した後は撮影終了まで20分以上安定していました。これが偶然なのかアリミゾ化の効果なのか判断がつきません。

今度こそ8枚撮影したかったのですが、またターゲットがベランダの天井に隠れてしまって、6枚しか撮れませんでした。前回の4枚よりはマシですか…

結果はこうなりました。

M27 (2017/8/12 22:46)
M27 (2017/8/12 22:46)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折) / Kenko-Tokina スカイメモS, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) 露出 6分 x 6コマ 総露出時間 36分 / DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.18, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1920mm 相当にトリミング

光害カットフィルターなしなので前回と比べて赤い部分のコントラストが落ちていますが、青いガスの広がりはよく写っています。

等倍で見ると恒星が楕円状になっていてガイドが少し流れているのがわかります。極軸がぴったり合って赤緯方向のズレがほとんどない場合の赤緯RMSエラーは1秒程度ですが、赤経RMSエラーは約1.8秒あるのでこうなります。レデューサー使用時だと目立たないのですが…

スカイメモSにビクセン規格のアリミゾを

悪天候が続き8日の月食も見られず、天文マニアにはストレスが溜まる毎日です。こんな時はついうっかりやってしまいがちです。そう、たとえば…

これを…

スカイメモS用赤緯微動台座

こうして…

上面のプレートを取り外す

こうじゃ!

アイベル「スカイメモS用タカハシプレート」と交換

さらにこうじゃ!

ビクセン「プレートホルダーSX」を取付

…というわけで、スカイメモSの赤緯微動台座をビクセン規格のアリミゾで望遠鏡を固定できるようにするパーツを買ってしまいました。

最初に取り付けたのは EYE★BELL (アイベル) の「スカイメモS用タカハシプレート」です。

スカイメモS用タカハシプレート取説

これは純正のスカイメモS用微動台座の上面の部品と交換して使う M8 x 35mm のネジ穴(タカハシバンド互換)の付いたプレートです。これを付けるとビクセンのアリミゾ「プレートホルダーSX」を取り付けられるようになるわけです。

以前から極軸をドリフト法で追い込んだにもかかわらず長時間直焦撮影をしていると急にガイド星が上に(北に)ズレていくようになる現象に悩まされてきました。

機材が全体的にたわんで極軸がズレてきたせいだと思っていたのですが、鏡筒がカメラネジ一本で固定されていることを考えると、このネジを軸に鏡筒が少しずつ回転してしまっている可能性も考えられます。

そこで鏡筒をアリガタ/アリミゾで固定すれば安定するのではないかと思って、微動台座をそのように改造している人はいないかとネットを検索していたらアイベルのサイトを見つけました。

これでガイドが安定する保証はないですが、いずれ新しい鏡筒も買うかもしれないし… などと言い訳して買ってしまいました。プレートとプレートホルダーSX合わせて10238円(送料・税込)のお買い物でした。

まだパーツを取り付けただけで実際に望遠鏡を載せて試してはいません。ベランダがまだ濡れているので… プレートホルダーSX が意外と重たくて 220g 増です。現状でバランスがギリギリなのでどうなるか心配。いざとなればウエイトを増やす方法もあるようですが…

追記: バランスとクランプハンドルの干渉について

ベランダが乾いてきたので実際に望遠鏡を載せてみました。

手持ち機材の最大の積載量(BLANCA-80EDT + E-M5 + 2xテレコン + オートガイダー)では完全にはバランスしませんでした。バランスの崩れはわずかで赤道儀の駆動には支障はない模様。12倍速駆動は正逆共に正常に動いているようです。

とはいえ極軸周りのバランスが崩れているということは極軸の回転で重心がズレるということなので、時間と共に足回りのたわみ具合が変動して極軸がズレたりするのではと心配です。

また、これとは別に問題が二つ。

まず、バランスがとれるように微動台座を限界まで中心に寄せてアリガタプレート(赤緯体)を取り付けると、プレートホルダーSXのクランプハンドルが赤道儀本体と干渉して赤緯軸を360度回転できません。望遠鏡の姿勢によっては赤緯軸を180度反転させてから望遠鏡を載せる必要があります。

もうひとつ、これもプレートホルダーSXのクランプハンドルなのですが、ファインダー台座に取り付けたガイドスコープと干渉します。接眼部を回転させれば回避できるのですが、ちょっと嫌な感じです。

どちらも致命的ではないですが、便利になるかと思っていただけにちょっと残念。

思い出の望遠鏡

#あなたの天文はどこから を見ていて懐かしい記憶が蘇ってきて、子供の頃に買ってもらった望遠鏡をもう一度見たくなりました。

ネットの古い機材のレビュー記事あたりで見られないかと思って探していたら、香川県天体望遠鏡博物館の収蔵品として紹介されているのを見つけました。


https://rna.sakura.ne.jp/share/vixen-new-polaris-r-100s.jpg
ビクセンNEWポラリスR-100S - 天体望遠鏡博物館 公式ホームページ

これです!ビクセンの 10cm F6 反射赤道儀。懐かしいなぁ。スライド式の接眼部が特徴的な鏡筒。安全だけど取り付けがめんどくさいネジ式のウエイトシャフト。確か小6か中1ぐらいの頃に買ってもらって、月や惑星、あとハレー彗星を見ました。どれを買ってもらうか結構悩んだ記憶があります。確かタカハシ FC50 が同じ価格帯で、コンパクトで高性能というところに惹かれたのですが、やはり口径が倍違うのは… ということで 10cm 反赤に落ち着きました。

ハレー彗星(1986年)はまだ8等星くらいの頃に見ました。いや、ぼんやりとわずかに淡く広がった星像を見たのですが、あれが本当にハレー彗星だったのか今ではあまり確信が持てません… その後地球に最接近した頃には天候が悪かったり色々あって見られず、結局ハレー彗星はそれっきりだったのですが。

中2以降はパソコンにはまっていって、高校までには天文への興味をほとんど失ってしまいました。写真の趣味は続いていたので鏡筒だけはその後も超望遠レンズとして使っていました。撮影するときはカメラにアングルファインダーを付けて鏡筒を肩にかついでというスタイルで、バズーカ砲かよと笑われたりキモがられたり*1 してました。

赤道儀と三脚は実家か高校の写真部の部室に置いたままどこかへ行ってしまったのですが、鏡筒だけは今も部屋のどこかにあるはず… 超大掃除しないと出てこないと思いますが。

天体撮影は確か中3の頃にお年玉でモータードライブを買って一度だけチャレンジしたことがあります。雪の中必死で機材を設置した記憶があるのですが、あれは結局現像しなかったのかな… 結果については記憶がありません。モータードライブはその後すぐに壊れてしまって天体撮影はそれっきりになってしまいました。

あれから30年経ちました。ここ2年ほどの間に色々撮ってあの頃のカタキはとったかなという気持ちはあります。でも、あの頃機材をちゃんと使いこなせなかったことは、ずっと心の奥に引っかかったままで、今でも大きな機材の購入には二の足を踏んでしまいます。

とはいえ、月世界への招待の管理人さん曰く、

確かに天体撮影にはまり出すと天候や月齢や季節によって狙った天体が撮れるチャンスがいかに希少か思い知らされますよね。残念な機材で残念な写真撮ってる暇なんてないよ、と言われると本当その通りなんですよね。

*1:主に女子に。

はじまりの一冊

twitter#あなたの天文はどこから というハッシュタグがあったのを見て、そういえば何がきっかけで天文始めたんだっけ、と記憶をたどってみたりすることがありました。

以前少し触れたと思いますが、僕の天文の趣味は小学生から中学生の頃にかけて趣味にしていたものが、長いブランクを経てすっかりおじさんになってからぶり返したものです。

親に望遠鏡を買ってもらって毎月『月刊 天文ガイド』を購読していた頃のことは割と憶えているのですが、一番最初ってなんだったっけ?どうも記憶が曖昧です。

最初の最初は絵本のような児童書だった記憶があります。大判で黄色い表紙の… 出版社は福なんとか書店とかいう名前だったような…

40年近く前の話ですから今更検索してもみつからないかな?でも同じような経験をした人がブログに何か書いていたりするかも… と、あてもなくネットを検索してみたら、ありました。

https://rna.sakura.ne.jp/share/seiza-wo-mitsukeyou.jpg

福音館書店の『星座を見つけよう』これですきっと! 翻訳の草下英明という名前も記憶に残っています。初版は1969年で時期的にも合致します。というか、この本今でも売ってます。 びっくり。

正直今読んでも記憶があまりに薄れていて懐かしいという感慨すらわかない可能性が高いのですが、買ってみようかなぁ、と思って Amazon のページを見たら「よく一緒に購入されている商品」がこんな感じでした。

https://rna.sakura.ne.jp/share/seiza-wo-mitsukeyou-amazon.jpg

星座早見盤とスコープテックの望遠鏡。子供へのプレゼントでしょうか。40年経った今でもこうやって天文の世界の入り口になっているんですね。