8月3日に日本テレビの金曜ロードSHOW!で火星大接近に合わせて放送された映画『オデッセイ』(原題:The Martian)を昨夜録画で見ました。原作(の邦訳『火星の人』)は以前呼んだのですが、映像化されたものを見るとやっぱり臨場感が迫ってきて感情移入も捗ります。初めて地上との通信に成功したシーンでは思わず涙が出てしまいました。
ストーリーそのものの感想は2年前に原作を読んで書いたものを別ブログに掲載しているのでそちらを見ていただくとして…
今日は映画に出てきた場所を自分が撮った写真の上で確かめてみた、という話です。また WinJUPOS を使ってます。WinJUPOS べんり。
なのですが… 今気付いたんですが、アレス3 の座標、原作と映画で違う!?原作では北緯31.2度、西経28.5度なんですが、映画でミンディが調べた座標は北緯46.7度、西経22度になっていました。ちょっと事情がわからないのですが、とりあえず原作ベースで調べたものをそのまま載せます。
さて、火星大接近に合わせて放送された『オデッセイ』ですが、実はこの日の夜に見えた火星では映画の舞台になった場所は裏側になって見えません。最接近の日に撮った写真にも写っていませんでした。が、たまたま7月19日の深夜に撮った写真に映画の舞台が写っていたので、その上にマッピングしてみました。
アレス3基地 | 北緯31.2度、西経28.5度 |
スキャパレリクレーター(アレス4 MAV) | 南緯2.7度、東経16.7度 *1 |
パスファインダー | 北緯19.5度、西経32.8度 *2 |
アレス4の MAV は直径458.52kmのスキャパレリクレーターのどこかにありますが、とりあえずクレーターの中心と思われる座標をマップしています。
マッピングの方法は WinJUPOS の image measurement の画面の Pos タブ上で狙った座標に印を付けてスクリーンショットを撮って元画像と重ねあわせて印を写し取る、というものです。もうちょっと賢い方法ないかなー…
上の写真から作った火星の地図にも印を付けてみました。
これは WinJUPOS の map computation で作った地図上で狙った座標にクロスヘアを置いてスクリーンショットを… という方法で作りました。
Map computation では距離も測れるのでアレス3基地からアレス4 MAV のあるスキャパレリクレーターまでの距離を測ったところ3275kmと出ました。作中でワトニーは3200kmと言っていますが、原作の地図で見ると MAV はクレーター内部の西寄りの場所にあるのでその分近いということのようです。
しかし小さな望遠鏡でも確認できるほどの距離なんですね。計算すると火星一周の約15%にもなります。とんでもないなと思いましたが、アメリカ大陸横断が約4000kmなので意外となんとかなりそう?
でも太陽電池が頼りですから、今の火星みたいに大黄雲に見舞われて何ヶ月も足止めを食らったら… というか、映画では省略されていたところですが、原作を読み返したらまさにそういう危機の話も出てきてました。
映画との違いというと、原作では大部分がワトニーの日記という形で一人称視点で物事が描かれているんですよね。映画だとどうしても三人称視点で見ることになってしまうのですが、原作だと読者がワトニーの思考をトレースする形で火星の日々を体験することになります。
ワトニーの救出劇は客観的に見れば奇跡ですし、映画も「奇跡的」な演出が追加されていたりして奇跡の物語として描かれているのですが、ワトニー自身は計算して判断して選択した結果の積み重ねとして体験しています。原作を読むと、その淡々とした積み重ねの重みがより伝わってくるので、原作はまだな方は是非。
…などと今日は火星のことばかり考えて半日過ごしていました。でも明日は月曜日。そろそろ地球上での生活のことを考えたいと思います…