7月31日の宵に撮った木星です。
北赤道縞のうねりの細部がかなり写っていて今までのベストに近い写りだと思います。シーズンも終盤で撮影条件が悪くなる一方の木星ですがこういうことがあるのでやめられません。
上の写真の LRGB 合成は Photoshop で手動処理*1 しています。普通に(?) WinJUPOS で LRGB 合成したものが下の写真です。
ちょっとわかりにくいですが、flickr のアルバムで L, RGB, LRGB(手動), LRGB(WinJUPOS) の順で連続で見てみると、LRGB(手動) と LRGB(WinJUPOS) の違いが、そして LRGB(WinJUPOS) で増えている模様が L や RGB には見られない不自然なものだとわかります。
先日のエントリ「木星のLRGB画像に偽の模様」のコメント欄で★多摩の星空さんよりいただいたアドバイスに従って、今回はRB星さんの撮影&画像処理方法とほぼ同じ方法で撮ってみました。
具体的には RGBx2, Lx4, RGBx2 の順で撮影し、L の de-rotation と RGB の de-rotation で reference time をぴったり合わせる(RGB を L に合わせる)ようにしました。これで LRGB 合成(de-rotation of R/G/B frames)では de-rotation が発生しなくなり、二重に de-rotation することによる画質の低下が抑えられる、と理解したのですが…
しかし結局前回と似たような傾向の「偽の模様」が出てきてしまいました。
そのかわり手動 LRGB では模様のズレがほとんどない状態で合成できました。RGB が若干傾いていますが、このくらいは問題にならないような… 少なくとも WinJUPOS の LRGB 合成で出てくる偽の縞模様の原因になるとは考えにくいのです。
どうも WinJUPOS の LRGB 合成では L 画像に何らかのフィルター処理がかかっているように思えるのですが、気のせいでしょうか?それとも WinJUPOS のパラメータ設定のどこかでミスっているのでしょうか?
再現性があるのかどうかも定かではないので元データを公開します。興味のある方は「偽の模様」が再現するかどうか是非試してみてください。
Jupiter-180731.zip が今回の、Jupiter-180729.zip が前回のデータです。さすがに動画はでかすぎるので、AutoStakkert!3 でスタックした画像を入れてあります。
各画像の撮影日時はフォルダ名とファイル名からわかるようになっています。Jupiter-180731/L/19_28_54-lapl4-ap219.tif なら、日本時間の2018年7月31日19時28分54秒に撮影した L 画像です。RGB 画像はフリップミラー側で撮ったので元々は鏡像でしたが、左右反転済みの画像を入れてあります。
*1:RGB 画像を lab カラーにして L チャンネルを L 画像と挿し替えてレベル補正。