Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

NGC4565, M87中心部 (2019/4/27)

4月27日の横浜は雨でしたが20時頃から快晴の予報。早い時間に NGC4565 と M87 を撮る計画を立てていたのですが、昼寝してしまって起きたら20時過ぎ。あわてて機材を設置して撮影の準備をしたのですがトラブルもあって NGC4565 の撮影開始は21:50。

赤緯25度52分で南中高度が80度を越える NGC4565 は途中からベランダの天井に隠れてしまう可能性があり、長時間露出では枚数が足りなくなるのを懸念して今回は光害カットフィルターなしで8分露出で撮影。

しかし撮影開始時点で既にガイドカメラの視野には天井が写っており、2枚目の撮影完了時には天井が視野のほぼ全体を覆い、ガイド星がぎりぎり隠れるか隠れないかという状態。写野はもう少し余裕はあるもののこれ以上はオートガイドが不可能ということで撮影終了。

わずか2枚のコンポジットですが一応仕上げました。

NGC4565 (2019/4/27 21:50)
NGC4565 (2019/4/27 21:50)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折) / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-II-M + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 8分 x 2コマ 総露出時間 16分 / DeepSkyStacker 4.1.1, Photoshop CC, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1915mm 相当にトリミング

NGC4565 は Needle Galaxy の愛称で知られるエッジオン銀河です。思ったより明るく大きな銀河で写野確認のための1分の試し撮りでもその姿が確認できました。暗黒帯のぞわぞわした様子まで写すには 8cm F6 では力不足でしょうか。右斜め下にうっすら写っている小さな銀河は NGC4562 です。

気を取り直して M87 です。史上初のブラックホールの撮影で話題のあの M87 です。今回の狙いは銀河中心のブラックホールから吹き出しているというジェットです。id:snct-astro さんのブログで 20cm 反射で撮っているのを見て、8cm では厳しいかなと思いつつ撮ってみることにしました。

M87の中心部は普通に撮ると露出オーバーでつぶれてしまうので露出時間はかなり短くする必要があります。思い切って2分露出(光害カットフィルターなし)で撮ってみました。

M87 中心部 (2019/4/27 22:33)
M87 中心部 (2019/4/27 22:33)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折) / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-II-M + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 2分 x 16コマ 総露出時間 32分 / DeepSkyStacker 4.1.1, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 5557mm 相当にトリミング

中心部を等倍表示でよく見ると、右斜め上にわずかに出っ張っているのがわかります。おそらくこれがジェットでしょうか?方向的には合っているように見えます。でも本当かなーというのが正直なところ。トーンカーブをちょっといじるとすぐ見えなくなってしまう微妙な写り具合ですし。

というわけで煮え切らない感じですが、NGC4565 も M87 のジェットも一応「撮れた」ということにしておきます。どちらももう一度チャレンジしてみたいけど連休中は天気悪そうなのでまた来年かな…

今回は、前回 ASI290MM に替えたガイドカメラを QHY5L-II-M に戻して撮影しました。前回は好調だったオートガイドは今回は不調。また赤緯ガイドが蛇行運転。

NGC4565 は2枚ともかなりガイドが流れているのですが、2枚しかないのでそのままコンポジットしました。等倍で見ると明らかに星が縦長です… M87 は短時間露出なので大丈夫かと思ったのですが、そうでもなかったので途中から一方向赤緯ガイドに切り替えましたが、それでも暴れ気味。等倍で見ると星が少し四角く写っています…

また、今回は PHD2 のキャリブレーションの際に South のステップが何故か動かず警告が出ました。手動ガイドでもオートガイドでも South には動くようなので謎です。最初、赤緯ガイドモードが North (一方向赤緯ガイド)になっているせいかと思ったのですが、Auto に設定してキャリブレーションを実行しても再発したので赤緯ガイドモードは関係なさそう。

赤緯の蛇行運転(ハンチング)なんとかなりませんかね… 前回はほとんど蛇行しなかったのですがガイドカメラによってハンチングが起きたり起きなかったりってありうるんでしょうか?赤緯軸のバックラッシュが原因ならガイドカメラは関係ないはずですよね。それとも前回はたまたまギアの当たりのいい部分に当たっていただけとか?梅雨に入ったら調整に出してみようかなぁ…