Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

FS-60CBX 購入! & テスト撮影 (2023/12/22)

実は11月末にタカハシ FS-60CBX を購入してたのですがパーツ購入の不手際や天候不順などできなかなかテスト撮影もできなかったのですが、12月22日にやっとまともにテスト撮影ができました。

今回はスターベース東京で注文しました。内容はこんな感じ。

https://rna.sakura.ne.jp/share/FS-60CBX/order-01.png

「調整額 -2500円」というのがありますが、これは MORE BLUE の鏡筒バンド&アリガタとのセット割引相当のものです。ちょうど注文と入れ違いでセット商品が発売されたので、同じ値段になるように気を利かせてくれました。

オプションはアリガタ、鏡筒バンド、フラットナーあたりは当然として、純正のドローチューブ原則微動装置 MEF-3 も注文しました。お値段的にはもう ZWO EAF でもいいのでは?という気もしましたが、電装がこれ以上ややこしくなるのは避けたい気持ちもあって…

あとはビクセン互換のファインダー台座ですが、これはガイドスコープを取り付ける用です。鏡筒バンドにトッププレートを付けて、とかやると重くなるのでこれにしました。

実はここで一つヘタを打ってていて、これだけだとカメラが取り付けられませんでした。タカハシ用の接続リングは持ってるから大丈夫と思っていたのですが、μ-180C や FSQ-85EDP の接眼部のネジは M54 P=0.75 メス(対応マウントは DX-WR)、FS-60CBX は M52 P=0.75 オス(対応マウントは DX-60W)だったのでした。システムチャートをよく見なかった僕が悪い…

追加でスターベースオリジナル「カメラマウントDX-60W」相当品セット ver.4/キヤノンEOS(EF) と ASTROLABE M52メス-M48オスAD を注文しました。前者は ZWO の冷却CMOSをEOSマウント接続にしてるのでそれに使います。後者は M48 Tリングを繋いでデジカメを接続するのに使います(フランジバックが厳密に合うのかどうかは不明ですが)。

FS-60CBX を買った理由は、Star Adventurer GTi (SA GTi)で無理なく使えて 400mm 前後の鏡筒があれば北天の天体で RedCat 51 で撮るには小さすぎる天体、たとえばりょうけん座からおおぐま座にかけての銀河とかを狙えるかな、というものです。

FS-60CBX + FC/FS マルチフラットナー 1.04x の焦点距離は約370mmで、そのあたりの銀河を撮るには心もとないのですが、そこは ASI294MM Pro の 46Megapixel モードで頑張ればなんとかなるのでは、と。

長い筒を使うにせよ高解像度カメラを使うにせよ、それに見合ったガイド精度が必要になるので、非力な SA GTi の負担にならない軽い鏡筒でないといけません。RedCat の上位機種など気になる鏡筒はあったのですが、FS-60CBX は軽さが決め手になりました。

鏡筒のみで 1.1kg、鏡筒バンドとアリガタとセットで 1.76kg というのは、各社の同クラスのフォトビジュアル鏡筒と比べるとかなり軽いです。購入したその他のオプションを組み付けても実測で 1.9kg でした。これにさらに QHY miniGuideScope + QHY5L-II-M + ZWO EFWmini + ASI294MM Pro + 各種リングで 3.3kg くらい。これなら SA GTi でもだいぶ余裕があるはず。ASI294MC Pro とかで EFWmini がなければ 3.0kg くらいでしょうか。

まあ、色々言いましたがタカハシのフローライトっていうのが憧れだったってのも大きいです。はい。おじさんなので。

フラットナーやカメラ周りを除いて一通り組み上げたのがこちら。

FS-60CBX + MEF-3 + Northern Cross Finder Mount + MORE BLUE TB017 + MORE BLUE AU002 + QHY minGuideScope
FS-60CBX + MEF-3 + Northern Cross Finder Mount + MORE BLUE TB017 + MORE BLUE AU002 + QHY minGuideScope

フラットナーとカメラを取り付けて SA GTi に載せたのがこちら。

FS-60CBX + FC/FS Multi Flattener + EFWmini + ASI294MM Pro + Star Adventurer GTi
FS-60CBX + FC/FS Multi Flattener + EFWmini + ASI294MM Pro + Star Adventurer GTi

SA GTi 付属のウエイトで余裕でバランスします。接眼部もガタやたわみは特に感じないです。

テスト撮影風景がこちら。

FS-60CBX テスト撮影中
FS-60CBX テスト撮影中

ダンボールの巻き付けフードがアレですが…

テスト撮影の結果ですが、まずは月面を。

月齢9.5 (2023/12/22 20:36) (FS-60CBX テスト撮影)
月齢9.5 (2023/12/22 20:36) (FS-60CBX テスト撮影)
高橋 FS-60CBX (D60mm f355mm F5.9 屈折), FC/FSマルチフラットナー1.04×(合成F6.2), ZWO R Filter 31mm / Sky-Watcher Star Adventurer GTi / ZWO ASI294MM Pro (46Megapixel, Gain 130, 13℃), SharpCap 4.0.9538.0, 1.73ms x 500/1000 コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14, RegiStax 6.1.0.8, Lightroom Classic で画像処理

中央部を2044ピクセル四方にクロップしています。良像と言えるのではないでしょうか。プラトーの内部クレーターはさすがに写りませんでしたが、アルプス山脈の質感やアルプス谷のキレ、コペルニクスの中央丘や外輪山のディテール、メシエの光条、クラビウスの内部クレーター、どれもよく写っています。

次は DSO ですが、月夜ということもあって、Hαでばら星雲を撮りました。

ばら星雲 (2023/12/22 23:38) (Hα, フラットなし)(FS-60CBX テスト撮影)
ばら星雲 (2023/12/22 23:38) (Hα, フラットなし)(FS-60CBX テスト撮影)
高橋 FS-60CBX (D60mm f355mm F5.9 屈折), FC/FSマルチフラットナー1.04×(合成F6.2), ZWO Ha Filter 31mm / Sky-Watcher Star Adventurer GTi, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 2.6.11 による自動ガイド / ZWO ASI294MM Pro (46Megapixel, Gain 300, -10℃), SharpCap 4.0.9538.0, 2分 x 22 コマ / PixInsight 1.8.9-1, Lightroom Classic で画像処理

こちらはクロップなしです。フラットもなし、というのは初めて使った安物のELパネルで撮ったフラットがぐにゃぐにゃでフラットの体をなしてなかったのに後から気付いたので… 気付いた時には接眼部は回してしまった後で取り直しもできませんでした。

周辺減光を見るのにはちょうどよい、と言いたいところですが、31mm のフィルターホイールのケラレもあると思うのでそのあたりは判断がつかないところです。

星像は、左端が若干伸びてるようですが鑑賞距離ではわからない程度だと思います。Hαなので比較できないかもしれませんが、2019年に BLANCA-80EDT と OM-D E-M5 で撮ったものと比べても引けを取らないぐらいには解像していると思います。

ガイドは子午線越えのあたりを除けば極めて安定していました。子午線越えはどうも SA GTi の鬼門のような… やはりアリミゾ周りが脆弱なんでしょうか?とはいえそこだけ気をつければ十分使えそうな感触です。

あとは色収差の具合でしょうか。デジカメ(OM-D E-M1 Mark II)で昼の風景を撮った感じでは若干パープルフリンジが見られたのですが、メラメラと陽炎の立っている日でしたので遠景の写りはよくわからないです。ここはやはり後日 ASI294MC Pro で撮ってみて判断することにします。

そんなわけでまた色々撮りたいと思います。

しかしちょっと散財しすぎですね… インフレに煽られたり、将来のことが不安で今のうちにいっぱい撮っておきたいと焦ったり、と色々ありますが、まあ、まだ生活に支障が出るほどではないのですけど。とはいえ、来年は今ある機材をちゃんと使いこなすのを優先しようかな…