Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

これはひどい。M83 (2018/3/14)

ずいぶん間が空いてしまいましたが3月14日の撮影の反省エントリを…

14日は平日にもかかわらずむしゃくしゃして深夜の撮影を敢行しました。ターゲットは11日に電池切れで撮影できなかったM83です。なのですが…

M83 (2018/3/15 00:41)
M83 (2018/3/15 00:41)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), LPS-D1 48mm / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 12分30秒 x 10コマ 総露出時間 2時間5分 / DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.28, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1920mm 相当にトリミング

これはひどい… いや、初めての撮影だったら南中高度も低いしこんなもんかーってスルーしてたかもしれないんですが、昨年2月にレデューサー使用で撮ったものと比べると、ノイズがひどくボソボソの仕上がりです。こんなはずではなかった… とがっかりしてしまいました。

その他色々課題がある撮影でしたので今後のためにまとめておこうと思います。

ノイズ

なんでこんなにノイジーなのか?長時間露光のせいでしょうか?ダークフレームのヒストグラム3月11日の撮影で撮ったものと比較すると、ダークノイズの輝度が3倍ぐらい強くなっていました。気温が上がったせいでしょうか?

光害カブリのショットノイズも気になります。今回の写真、強調処理の前はこんな状態でした。

M83 (2018/3/15 00:41) (DSS処理のみ)
M83 (2018/3/15 00:41) (DSS処理のみ)

これは DeepSkyStacker の出力をカラーバランスだけ整えたものですが、背景の輝度が75%もあります。*1 以前の撮影と比べると3月11日の三つ子銀河が68%、先月のM100が50%で、背景輝度が上がるほどノイジーになっている気がします。

ショットノイズの大きさ(標準偏差)は光の強度の平方根に比例するので*2 輝度が大きいほどSN比は上がりますが、ノイズそのものは大きくなるのでレベル補正で背景の輝度を落とした時に浮き出るノイズは大きくなるはずです。

とはいえ平方根で効いてくるので50%から75%でもノイズは22%程度しか増えないんですよね。背景と天体の輝度の差が小さいと、きつい強調処理で天体をあぶり出す時にノイズも強調されてしまうので余計にノイジーになるのでしょうか?

光害カブリがノイズの原因なら春霞で透明度の低い日には撮らない、特に南中高度の低い M83 は冬のうちに撮るべし、ということになります。総露出時間が2時間以上となると薄明前に撮り終わるには2月でしょうか。ダークノイズが原因としても2月なら大丈夫かも。でも夏の天体の撮影が思いやられます…

電池切れ

前回の電池切れに懲りて撮影直前まで充電、トータルで40時間くらいは充電して残量表示がグリーンなのも確認して撮影に望んだのですが、撮影終了後コントローラで望遠鏡を動かしたところで電池切れ。ダークを撮った後に眼視で木星を見ようと思ったのですが諦めました。

23:00過ぎに運転開始、03:05に電池切れなので、やはり4時間足らずで電池切れです。これでは使い物になりませんね… ベランダではACアダプターを使うとして、野外ではどうしましょう?もっとも野外に機材を運搬する手段も今はないのでそれも含めて検討したいと思います。

SB10 の設定で導入速度を落とすのと引き換えに消費電力を抑える設定があるのでそれも試してみようと思いますが、運転時間の大半はオートガイドでこの状況なのであまり効果はなさそう。

ガイドの乱れ

前回ガイドの調子がよかったのでもう大丈夫かと思ったら、今回は赤緯方向のガイドがかなり乱れました。RMSエラーは赤経0.95秒、赤緯1.35秒。

赤緯方向のエラーは、こんな感じに行ったり来たりしたり、

ガイドの乱れ: 赤緯方向に行ったり来たり

あるいは突然大きくブレたりというもの。

ガイドの乱れ: 赤緯方向に急にブレる

なんなんでしょうね?風はほぼ無風だったので、風のせいではないはず。ケーブルが引っかかってるせいでもなさそうな…

その他

今回は「なんちゃってディザリング」をやってみました。前々回方向キーの速度が速すぎると言っていましたが、これはズームキーで解決しました。ズームキーは星図をズームするものだとばかり思っていたのですが、連動して方向キーの速度が調整される仕組みになっていて、ズームアップすれば微動になるのでした。


そんなわけで、今回の撮影は失敗と言っていい結果に終わりました。ぶっちゃけかなり凹みました。スカイメモSで撮った写真の方がずっと綺麗っていうのが… 元々 SX2 は惑星観察用の望遠鏡を載せるために購入したのですが、そちらの方も不安になってきました。この上まだ20万以上投資して元取れるの?みたいな。うーん…

*1:というか、最初に15分露出で試し撮りした時に90%になってしまったので露出を12分30秒に落として75%になるようにしました。

*2:参考: 田中光学工業株式会社 ショットノイズとは

しし座の三つ子銀河 (2018/3/11)

3月に入ってから2回撮影しましたが、2回とも満足な結果が得られず落ち込んでいます…

3月11日は深夜までにしし座の三つ子銀河を、深夜からは M83 を撮る予定でした。19:30頃から準備を始めて20:30に極軸合わせを完了し、三つ子銀河が十分昇るのを待って21:22撮影開始。15分露出で12枚撮影します。

前回赤経赤緯」に設定していた SB10 の方向キーの設定ですが、これは「X-Y」に設定しました。また、撮影前に PHD2 のキャリブレーションをやり直しました。この時、結果が前回(ドリフトアライメントする前)と大きく異なるが大丈夫か?みたいな警告が出ましたが、やり直した結果を使うことにしました。そのへんが効いたのか、今回はガイドが好調。RMSエラーは赤経が0.8〜1.0秒、赤緯が0.7〜1.1秒。

この日は体調がすぐれず、待っている間に具合が悪くなって横になっていました。8枚目の撮影が終了する時間にセットしたタイマーに起こされて様子を見ると、PHD2 のガイドグラフが変です。

ガイド撮影中に赤道儀が停止

これは一体…!?ベランダに出てカメラのライブビューを見ると全然違う場所が写っています。最後に撮った8枚目の写真を見ると星がまっすぐ西へ流れていて、どうやら赤道儀の追尾が停止してしまったようです。SB10 の画面には「架台との通信が途絶えました.電源を入れなおして下さい」の表示が出ていました。

言われるままに電源を入れなおしたのですが、スコープモードに入るとまた同じ表示。

「架台との通信が途絶えました.電源を入れなおして下さい」

どういうことかと思ったのですが、よく見ると画面右上の電池残量表示が空になっています。SG-1000 の残量表示は赤。電池切れでした。

この電池、4時間しかもたない?前回の撮影では3時間半運転して残量表示はグリーンだったので余裕かと思っていたのですが… 前回の撮影後半日充電してから2週間放置している間に放電してしまったとか?でも鉛蓄電池の自己放電率は1ヶ月で1.5%とかだそうなので*1 そんなに減ってるとも思えません。充電が半日では足りてなかったのでしょうか。

とにかく電池切れではどうにもならないので残りの撮影は諦めました。ACアダプターで運転する手もあるのですが、コードが届きません。今度延長コードを買ってきますか… フラットとダークを撮って1:00に撤収完了しました。

電池切れの前に撮れた7枚をコンポジットしたのがこれです。

M65, M66, NGC3628 (2017/3/11 21:22)
M65, M66, NGC3628 (2017/3/11 21:22)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), LPS-D1 48mm / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 15分 x 7コマ 総露出時間 1時間45分 / DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.28, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1615mm 相当にトリミング

うーん… 去年スカイメモSで撮ったものと比べると、星像はさすがにシャープなのですが、肝心の銀河がパッとしないというか、なんかノイズまみれなんですが…

M66 を等倍で見るとこんな感じです。

M66 (2018/3/11 21:22)

なんか画用紙に色鉛筆で塗った絵みたいな描写になっています。いわゆる縮緬ノイズでしょうか?以前やっていた「なんちゃってディザリング」を今回はやってないのでそのせいかもしれません。

それにしても背景の(というか光害カブリの)ノイズが目立ちます。光害カットフィルターを使っていますが、それでも背景の輝度は70%あり、それを無理やりレベル補正で落とすと全体にノイズが浮いてくるのです。これをさらにレベル補正で消してしまうと NGC3628 の左右の淡い部分も消えてしまうので、妥協して残しています。

長時間露光だとこうなるのか、それともたまたま春霞が強くてカブリが強く出たのか、よくわかりませんが、せっかく高価な機材を投入して撮影に手間も時間もかけてこれでは… かなり凹みました…

電源の件といい前途多難です。

M100 (2018/2/23)

昨夜は久々の快晴。GPV の予報は朝まで晴れ、月齢は7.6で深夜からは春の銀河が狙えるということで、夕方からそわそわしていました。が、この日は睡眠不足で猛烈に眠く、この状態で重いもの持ったり機械を操作したりするのは危険と思い、21時の帰宅でしたが目覚ましをセットしてすぐに仮眠。23時に目覚ましで起きてさっそくベランダに機材を設置しました。

今回はSX2赤道儀でのオートガイドの試験を兼ねてかみのけ座のフェイスオン銀河 M100 を撮ることにしました。8cm F6 の直焦点、光害カットフィルター使用で15分露出にチャレンジです。

SX2(というかSB10)で撮影するには事前に色々設定が必要です。SB10のメインメニューから「架台の設定」画面を出して以下の設定をしました。

架台の種類
デフォルトでは「極軸を合わせていない赤道儀」ですが、「極軸を合わせた赤道儀」に設定しました。こうしないと追尾中に常に赤道儀側で補正動作が入るためオートガイドに支障が出るとのことです。ドリフトアライメントの際も赤緯方向の追尾を止めないといけないのでこの設定でないとダメなはず。
子午線超え
「強制追尾停止」と「鏡筒反転メッセージ」を「Over 30º」に設定しました。子午線超えから2時間は反転せずに追尾を続ける設定です。もう少し伸ばした方がいいかな?今回は南中前から合計2時間の露出の予定なのでとりあえずこれで。
方向キー
デフォルトでは「高度方位」ですが、フレーミングしやすいように「赤経赤緯」に設定しました。が、今見ると「X-Y」に設定するよう推奨されてますね… ガイドがいまいち安定しなかったのはこれが原因?

今回は15分露出なのでカメラの方も設定が必要でした。E-M5 の BULB はデフォルトでは8分で強制的に切れてしまいます。カスタムメニューの「E.露光/測光/ISO」の「BULB/TIMEリミッター」を「30分」に設定しておきました。

PHD2 の方も SX2 用に「機器と接続」画面から新規に機器プロファイルを作成。既存のプロファイルで使っているカメラを指定してもダークライブラリは引き継がれず作りなおしになって手間取りました。

ここまで設定していつものように PHD2 でドリフトアライメントを開始しようとしたのですが、その前にキャリブレーションに失敗。ガイドカメラの映像を見ると星がどんどん流れていて何事かと思ったら、どうも追尾が止まっていたようです。

SB10 がいつのまにか CHART MODE に入っていたようでそのせい?よくわかりませんがとりあえず ENTER キーで SCOPE MODE に戻してレグルスを自動導入してから方向キーで望遠鏡を赤道付近に動かして、ドリフトアライメントを開始。

どういうわけかドリフト中のガイドグラフがかなり暴れていて不安に駆られます。RA の RMS が2秒超えだったり、DEC もずいぶん乱れて調整しにくいことこの上なし。スカイメモS よりひどいような… 大丈夫か?風はほぼ無風で望遠鏡が揺れてるわけでもなさそうで謎です。

慣れない架台で手間取りましたが50分ほどかけてそこそこ追い込めたかな、というところで極軸調整は終わりにしました。あとは2軸ガイドでどうにかなるはず… 時刻は0時50分。ちょうど月が沈んだ頃です。

M100 は自動導入で導入するつもりで今回は周囲の星の並びとか予習してきませんでした。まず自動導入でアークトゥルスを導入しましたが写野外になってしまって、目視で狙いを定めてなんとか写野内に導入してアライメントを取りました。

そのままバーティノフマスクでピント合わせ。シンチレーションが大きくていまいちピントに自信が持てなかったのですが、今回はオートガイドのテストと割り切って適当なところで切り上げました。

そしていよいよ M100 を導入。カメラのライブビューでは全然見えないので60秒露出で試し撮りすると、写野中心から西にズレた位置にうっすらと星雲状の像が写っていました。方向キーでフレーミングを調整したのですが、速度が速すぎるし、キーを離しても慣性が残っていてすぐオーバーランしてしまって苦労しました。これは後で調整しなくては…

1:14、なんとか南中前に撮影が開始できました。心配していたガイド精度はオートガイドが始まると落ち着いてきて両軸ともRMSエラーは1.0秒前後で安定。30分経過してもしっかり追尾しています。

ただ、赤緯方向の修正動作が思ったより頻繁に発生しているのが気になりました。プラスマイナス両方に修正が入っているので極軸のズレによるものだけではなさそう。5分以内のスパンで見ると赤緯のエラーはスカイメモSの1軸ガイドより大きいくらいです。

ターゲット表示では半径2秒の参照円内に大半が命中しており、追尾精度はスカイメモSの倍くらいでしょうか。でも、もう少し精度が良いかと思っていたのですが… 途中赤緯の振れ幅が増大して RMSエラーが1.5秒弱まで増えることもあり、架台の性能をフルに出せているのか疑問です。

ガイドパラメータは、赤経が「ヒステリシス」でヒステリシス10、積極性75、最小移動検知量0.20、Max RA duration 2500、赤緯が「レジストスイッチ」で積極性100、最小移動検知量0.20、大きな変位に対する高速切り替え有効、Use backlash comp 無効、Max Dec duration 2500、赤緯ガイドモード Auto です。赤経の積極性を少し上げた以外はデフォルト値です。

とはいえ、スカイメモSで赤緯軸方向のズレがどれだけ膨らむかハラハラしながらガイドグラフを眺めていたのと比べるとずっと楽なのは確かです。撮影を中断して極軸の再調整とかしなくていいし…

そんなこんなですが、子午線超えも無事通過してトータル2時間露出の撮影は大きなトラブルもなく終了。赤道儀の電源を切ってフラットとダークを撮って薄明前の4:36に撤収完了。

赤道儀とカメラの電池が足りるか心配でしたが、どちらも大丈夫でした。SG-1000 の残量は GOOD、カメラの方も目盛2つ残った状態で余裕です。

結果はこれです。

M100 (2018/2/24 01:14)
M100 (2018/2/24 01:14)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), LPS-D1 48mm / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 15分 x 8コマ 総露出時間 2時間 / DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.28, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1920mm 相当にトリミング

うずまき… いいですね。二本の腕の微細な構造も見えてきています。巻いている腕の外側に淡く広がった部分はさすがに写っていませんが、横浜の空ではこれが限界ですかね。

赤緯方向のガイドエラーが多めだったせいで若干星像が縦長ですが、許容範囲でしょうか。ピントは結局大丈夫でした。ノイズが多めですがこんなものですかね… コンポジット枚数を増やしたいところですが、16枚なら4時間… 一晩で撮るのは厳しいかも。

ということで、初めての2軸オートガイドはうまくいきました。これならレデューサーなしの直焦点で色々狙っていけそうです。

SX2開封・動作確認

昨日届いたSX2赤道儀を開封してベランダで動作確認をしました。今夜も曇り空でしたが組み立てだけでもやっておこうということで、20時頃から三脚と赤道儀の箱を開封。

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STARBOOK TEN (SB10)は別の箱かと思っていたのですが、SX2 の箱の中にきちんと入っていました。てっきり販売店でセットにしているものだと思っていたのですが、ダンボール箱にも「SX2-SB10」のシールが貼ってあるし、メーカーでセット商品として出荷しているもののようです。STARBOOK ONE は入っていませんでした。

まずベランダに三脚を立てます。水平出しをしたいのですが、この三脚(SXG-HAL130)には水準器が付いていません。ベランダの傾き具合はだいたい把握しているので勘で脚を数cm伸ばして調整。水準器はあとで買ってこなくては…

奥行き93cmのベランダですが、脚を縮めた状態で設置すれば十分余裕がありました。しかし高さはかなり低くてハーフピラーはやはり必要でした。

ハーフピラーを取り付けてから SX2 を箱から取り出しました。出荷状態では極軸と赤緯軸のクランプが緩めてあるので注意。取説によるとギアに衝撃が加わらないようにわざと緩めてあるとのことです。ずっしりと重いので気をつけて持ち運び、ハーフピラーに取り付けました。

1kgのウェイトを取り付け、BLANCA-80EDT を取り付け、極軸周りのバランスをとってみたところ、なんとバランスしません。ウェイト側が重すぎます。望遠鏡にカメラとファインダーも取り付けてみましたが、まだ重すぎ。

1kg が一番軽いのにどうしよう… と思いつつおそるおそるウェイトを外すと、バランスしました!えー??

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というわけでこの鏡筒はウェイトなしで使うことに。1kgのウェイトは無駄になりました…

もうひとつ気になったのは赤緯軸クランプと接眼部のフォーカスハンドルが干渉すること。

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接眼部の回転を控えめにして問題なく使えるのですが、ぶつけないように注意しなくてはなりません。

星は見えないので SB10 の動作確認は後回しにして、とりあえずクランプを緩めて望遠鏡の姿勢を色々試しました。ハーフピラーのおかげでいわゆる「イナバウアー」はこのくらいまで可能。

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高さが少し足りなくてベランダの柵が邪魔して鏡筒を完全には水平に向けられませんでした。高度10度くらいまでかな?三脚を少し伸ばせば解決できそう。ω星団とか狙う時は試してみます。

というところで撤収しようとしていたら、雲が晴れてきて冬の大三角が見えてきたので SB10 の動作確認も行うことにしました。

まず SB10 に内蔵時計用のコイン電池を取り付けるところからです。フタがネジ止めでドライバーが必要なのが面倒ですがフタをなくすことを考えるとこのほうがいいのかな。1年に1回程度のことですし。しかし SB10 意外と軽いですね。見た目から想像するよりずっと軽かったです。

そして SX2 に SB10 と電源(SG-1000)を接続して SX2 の電源スイッチをオン… 何も起こりません。えー?SB10 の電源は SX2 側から取るので、これで SB10 が起動するはずなんですが…

かなり焦りましたが SG-1000 の2つあるシガーソケットのもう一つの方に電源ケーブルを接続したら無事起動しました。SG-1000 の不具合かな… 要確認です。

SB10 の時計を合わせて、観測地に Yokohama を追加して(初期状態では東京しかない)、赤道儀の姿勢をホームポジションにしてスコープモードに入り、まずシリウスを導入しました。

キュイーンという音と共に赤道儀がかなりの速度で動いてピタッと止まります。が、望遠鏡の向きはかなりズレていて、シリウスはファインダーの視野の外。極軸がズレ過ぎなのだろうと、シリウスがファインダーの視野内に入る程度に極軸の方位と高度を調整してから、コントローラで望遠鏡の視野中心に入れてアライメント。

続いてベテルギウスを導入。まだ少しズレているのでもう一度アライメント。次はM42を導入するとほぼ視野中心に導入されました。さらに M35 を導入するとそれらしい方向に向いたのですが薄曇りなこともあって何も見えず…

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その後レグルスを導入。子午線超えの姿勢の入れ替えは自動で実行されました。鏡筒がベランダの柵にぶつかったりしないかと気がかりでしたが大丈夫でした。

その後あちこち自動導入を試しました。BLANCA-80EDT の三脚座兼アリガタは短いので赤緯軸周りのバランスがほとんど調整できず心配でしたが、モーターのトルクが十分あるようで全く問題なく動いていました。

薄雲のせいで星雲星団は M42 以外見えませんでしたが、恒星はちゃんと見えたので自動導入はうまくいっているようです。SB10 にはまだまだ色んな機能があるようですが、基本的な使い方はあまり迷うことなくできました。

30分ほど自動導入で遊んだところで撤収しました。オートガイドのテストなどはまた今度。

赤道儀は元の箱に戻して、三脚は半開きにして立ててあります。赤道儀の元箱は一度開けると寝かせて置くしかないのでかなり場所をとります。収納方法を考えなくてはなりません。というか、このままでは20cmクラスの鏡筒を置く場所がないですね。これは本気で部屋を片付けなくては…

SX2赤道儀買いました

昨年末に「シュミカセ欲しい…」とか言って20センチクラスの鏡筒を乗せる赤道儀を検討していましたが、ポルタ経緯台のメーカー在庫が底をつき、次回入荷は9月との知らせに背中を押され、ついに先週の土曜日、震える決心でポチりました…

https://rna.sakura.ne.jp/share/SX2-order.jpg

というわけで結局 SX2 にしました。STAR-BOOK10 仕様の三脚・極望のセット品です。

決め手は日本語のしっかりしたマニュアルがついていることとサポートの安心感です。SB10仕様にするかどうかは迷いましたが、頭が固くなる前に自動導入赤道儀に慣れておきたいのでSB10仕様にしました。

ハーフピラーはいらないかなと思っていたのですが、三脚の脚を縮めた時の高さが意外と低い(73cm)ことに気付いて*1 一緒に買うことにしました。1kgのウェイトは手持ちの BLANCA-80EDT 用です。取説を見ると付属の1.9kgでは重すぎるようなので。

電源はリチウムイオンバッテリーも検討しましたが… 魅力的なバッテリーを見つけたのですが、同じメーカーが出しているバッテリーが発火事故を起こしているのに気付いて*2 思いとどまり、結局定番のSG-1000にしました。

このクラスの赤道儀は初めてなので、SB10をちゃんと使いこなせるのか、本当にベランダで使える大きさなのか、重すぎて組み立てに苦労しないか、バッテリーの管理をちゃんとできるのか、使わない時の置き場所は確保できるのか、ていうかこんなでかい買い物してこの先生活大丈夫か、などと不安になるばかりで、正直モノが届くのを待ってる間のワクワク感は皆無でした…

そして今朝モノが届きました。うちはエレベーターがないので、宅配屋さんが2回に分けて持ってきてくれました。ということは一人で外に一式持ち出すの無理かも?赤道儀の箱がずっしり重くて焦りました。まあ当分はベランダで使うので持ち運びの事は後で考えよう…

今日は帰りが遅かったし、空はあいにくの曇りということで動作確認はおあずけ。でも予報では週末まで曇りが続きそうだしいつまでも待ってられないので、明日あたり組み立てだけでもやってみるかも。今はとりあえずSG-1000の充電だけしています。残量ランプはGOOD(80%以上)でしたが念の為。

2699黒点群 (2018/2/12)

久々に大きめの黒点が出てきたのでCMOSカメラで撮影しました。

撮影前に SharpCap をアップデートしてバージョン 3.0.4076.0 にしました。そのせいなのか、いつもの設定(USB Traffice = 10, Gain = 10, Speed = 1)で撮ると縞々のノイズが出てしまいました。「CMOSカメラで月面撮影 (2017/11/1)」と同様のノイズです。

前は Gain を下げたら解消したのですが、今回は Gain をどう設定しても変わらず。色々設定を変えて試したところ、Speed = 2 に設定するとノイズが消えることがわかったので、その設定で撮りました。なんでそうなるのかさっぱりわかりませんが…

2699黒点群 (2018/2/12 14:25) (5%スタック)
2699黒点群 (2018/2/12 14:25) (5%スタック)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), 笠井FMC3枚玉2.5倍ショートバロー (合成F15), Kenko PRO ND-100000 77mm / Kenko-Tokina スカイメモS / QHY5L-II-M / 露出 0.11ms x 100コマをスタック処理 / AutoStakkert!2 2.6.8, Lightroom Classic CC で画像処理

いまいちシャキっとしないです。何度もトライしましたが、どうしても SharpCap のプレビュー映像の印象よりもぼやけた仕上がりになってしまいました。去年撮った2687黒点群と比べても明らかにぼやけているので、時折吹く強風でブレまくったのがまずかったのかもしれません。

上の写真ではブレたフレームをなるべく拾わないように、いつもは2000フレーム中200フレーム(10%)をスタックしているところを100フレーム(5%)にしています。でも、あまり変わらない上にノイズが増えてイマイチです…

C8 か μ-180C か…

以前「シュミカセ欲しい…」とか言ってましたが、まだ悩んでます。Edge HD 800 が第一候補と思ってたんですが、在庫なさそうなんですよね。KYOEI は一応あるのかな?でもレデューサー付きで単体より安いセットの方は納期未定になってます。

一方で HIROPON さんが検討していた頃には生産終了になっていて、その後リニューアルして再発売されたミューロン180C (μ-180C) が気になりだして… ちょっと比較してみましょう。

製品名 重量 鏡筒全長 価格(税込)
Celestron C8AL-XLT 5kg 430mm 99,900 円
Celestron Edge HD 800 6.4kg 597mm 173,829 円
タカハシ μ-180C 6.2kg 625mm 193,320 円

価格帯で考えると C9 1/4 あたりも比較対象になりそうですが、赤道儀が SX2 クラスなので 9kg はちょっと重いかなと思い対象外としています。

C8 の小ささと安さが際立つのですが μ-180 シリーズは中心部分は設計上ほぼ無収差の光学系ということもあって惑星観測では C8 よりシャープに見えるとの評判があります。Edge HD 800 はフラットナーレンズ内蔵なだけで中心部は C8 と変わらないと思うので、惑星用なら μ-180C が最強なのでは?という気がしてきたのです。

DSO は撮らないつもりなので周辺の収差は気にしない、と言いたいところですが、月面撮影もしたいのである程度の面積は良像が得られないと辛いです。その点ミューロン光学系は周辺に行くと急激にコマ収差が増えるようなので気がかりです。*1 C8 も周辺は収差が大きいと聞きますが、μ-180 のほうがコマ収差は大きいという話も… *2

光学性能以外の点ではシュミカセと比較して以下のような長所があるようです。

  • 筒先開放型の鏡筒なので温度順応が速い
  • シュミカセに比べて光軸が狂いにくい
  • フードがなくても迷光が少ない*3

シュミカセを使いこなせるかどうかビビッている身としてはどれも魅力的な特徴です。

短所としては、

  • スパイダーが3本脚なので星の光条が6本になる

というのがありますが、このへんは好みの問題だし月・惑星しか撮らないなら問題ないですね。

というわけでかなり μ-180C に気持ちが傾いているのですが、コマ収差の件は不安なんですよね。「月世界への招待」の月面写真が μ-250 だから大丈夫かな?一部の写真ではフラットナーレデューサーとバローレンズを組み合わせていますが…

*1:μ-250 のものですが、こんなスポットダイアグラムが公開されています: 「μCR化キット

*2:5ちゃんねる「C8とミューロン210はどっちがイイカ>>27

*3:ただし夜露が問題になる場合は副鏡が曇るのでフードが必要とも。