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Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

M17 オメガ星雲, M18 (2017/5/20)

公園での撮影は散々でしたが、気を取り直して帰宅後すぐベランダに望遠鏡を設置。今度は極軸合わせも比較的スムースにできて 30 分後にはいて座の散光星雲 M17 (オメガ星雲)と 散開星団 M18 の撮影を開始。

導入は土星からいて座μ星、そこから試し撮りしながら北に辿っていくとすぐでした。撮影も今度はガイドも比較的安定していてトラブルなく撮れました。

M17, M18 (2017/5/21 00:14)
M17, M18 (2017/5/21 00:14)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 0.6x レデューサー + LPS-D1
ISO 200, 300s x 8枚
DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.08, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1150mm 相当にトリミング

左上の赤い星雲が M17 で、右下の地味な星のかたまりが M18 なんですが、M18 地味過ぎますね… ツーショットにしたけどいまひとつバランスが悪いかも。

M17 はさすがに昨年の 20 秒露出の写真よりは格段によく写っています。淡い部分はまだちょっと露出不足感はありますが、背景のカブリがひどくて(元画像での濃度は 75% とか)なかなか炙り出せません。横浜の空だとこれが限界かなぁ…

M106 (2017/5/20)

20日は朝から快晴。予報でも一晩中晴れとのこと。月の出は深夜 1:30 頃なので朝方まで撮影というわけにもいきませんが、せっかくなので夜早い時間にいつもの公園に出撃して北天の春の銀河を撮って、先日撮れなかった M17 & M18 を撮ろうと計画。

春の銀河は何を撮ろうか迷ったのですが、銀河の淡い部分は F6 & ノーフィルター & 6 分露出 という条件では写りが悪いのがわかってきたので今回はレデューサーと光害カットフィルターを使用、そうなるとある程度大きくて周りに他の銀河も写り込む方が楽しいので、りょうけん座の M106 をターゲットにしました。時間があれば M63 ひまわり銀河も。

というわけで夜空がまだ明るいうちに出発して 20:30 に撮影開始を予定していたのですが、夕方に念の為ノート PC に Windows Update をかけたところ、1 時間以上かかってしまって結局出発は 20 時頃に。

この時間の公園は初めてでしたが、結構人がいて落ち着きません。若者グループがスマホで動画を見ながら騒いでたり。結局誰にも話しかけられなかったのですが、結構神経を使ってしまいました。

極軸合わせはいつものようにドリフトアライメントですが、この日は空が明るかったせいか北極星がどうしても見えず、仕方なく勘で大雑把に向きを合わせて設置してドリフトを始めたら、微動雲台の方位調整範囲を超えてしまい、三脚を持ち上げて向きを変えるはめに。

その後も断続的に吹く風でガイドがブレまくってドリフトのトレンドが乱れて極軸調整に手間取り、結局 1 時間近くかけても極軸を十分追い込めた感触がないまま 21:20 頃 M106 の導入を開始。

ファインダーがないのでカメラのライブビューと試し撮りでの導入ですが、近くに目印となる明るい星がないのでえらく苦労しました。メグレズ(北斗七星の柄の付け根の星)から辿ったのですが、途中で星のパターンを見失ってしまい、もう諦めて帰ろうかと思ったのですが、気を取り直して辿りなおして、結局 20 分近くかけてやっと導入。*1

撮影を始めるとやはり極軸が合ってなくて再調整。撮影再開するもまた赤緯方向にガイドがズレていって再調整、ということを繰り返しているうちに時間が経っていき… 22:00 過ぎまで粘りましたが予定枚数を撮影できないまま、深夜の撮影に間に合わなくなるので 22:30 に撤収しました。

結局 6 分露出で撮影できたのは 5 枚でほぼ全カットガイドエラーでブレていました。時間がなくてダークは撮らなかったのですが、深夜の撮影の後で撮ったダークで代用してとりあえず仕上げたのがこちら。

M106 (2017/5/20 21:43)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 0.6x レデューサー + LPS-D1
ISO 200, 360s x 4枚
DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.08, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1150mm 相当にトリミング

縮小画像だと意外とそれっぽく見える?特徴的な非対称な形がぼんやりとですがわかります。右下に少し離れたところにエッジオン銀河の NGC4217 が微かに見えています。他にも小さな銀河がいくつか。

それにしても、これで野外での撮影の失敗は 2 回目。*2 半分は失敗してる計算になるのですが。なんか自信がなくなってきました…

*1:ファインダーがないのはファインダー台座にオートガイダーを取り付けているせい。極軸合わせの後一度ファインダーと入れ替えてターゲットを導入してからまたオートガイダーを取り付け・再キャリブレーションすればよかったかな…

*2:オートガイダー導入後のカウント。

月と金星

昨夜は M19 を撮った後、機材をそのままにして夜明け前に月齢23の月と金星を撮影しました。

月齢23.3 (2017/5/20 03:45)
月齢23.3 (2017/5/20 03:45)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 2x TELECONVERTER EC-20
ISO 400, 1/60s
Lightroom CC で画像処理

金星 (2017/5/20 04:11)
金星 (2017/5/20 04:11)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 2x TELECONVERTER EC-20
ISO 200, 1/320s
Lightroom CC で画像処理

偶然ですが月も金星も同じくらいの欠け具合でなんだか不思議。

M19 (2017/5/19)

金曜の夜、予報では薄雲が出るとのことで撮影はナシのつもりだったのですが、23時頃に帰宅してベランダから空を見るとちゃんと晴れているように見えたので、とりあえず望遠鏡を組み立てて極軸合わせ。

深夜 1 時頃に月の出なので間に合わないかもしれないと思いつつも、このところ全然天体撮影ができなくて鬱々としていたので、ダメ元で撮影することにしました。ターゲットはへびつかい座球状星団 M19。この時間に南天で撮れそうなのは球状星団ばっかりなので迷いましたが、雰囲気で選びました。

導入はアンタレスから東に、と思いましたが 2º x 1.5º の視野では途中に目印になる星もなくて途中で道に迷ってしまいました。スカイメモ S には目盛環も赤経微動もないのでちょっと遠いと距離感がわからなくなるんですよね。

そこでアンタレスの北にある 22 Sco (4.7等)から東に 26 Oph (5.7等)と HIP 83176 (5.8等)の並びを探すとすぐみつかりました。そこから少し南に星をたどると M19 がみつかりました。M19 はライブビューでは見えませんでしたが 15 秒露出の試し撮りでぼんやりした姿がはっきり写っていました。

球状星団はなるべく大きく撮りたいので今回は直焦点。フィルターなし。ガイドはやや乱れ気味。向かいのマンションの一室の灯りで途中のカットにカブリが発生したり、最後の方は月が出てしまって背景が明るくなってしまいましたが、6 枚コンポジットでなんとかこんな感じに。

M19 (2017/5/20 00:40)
M19 (2017/5/20 00:40)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6)
ISO 200, 356s x 6枚
DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.08, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1920mm 相当にトリミング

球状星団とはいいますが少し縦長の楕円形です。天の川の近くで周りの星もにぎやか。球状星団は割と好きな天体なのですが、写真だけ見て球状星団を当てるクイズとかやられたら全然当てられないと思うのでまだまだです。

元画像の背景の濃度は 80% で露出オーバーかと思いましたがなんとかなりました。ガイドの乱れはこういう微光星では目立つのですが、やはり等倍で見ると東西にブレてるのがわかりますね… でも B5 サイズくらいで見る分にはあまり目立たないので良しとします。

ちなみに露出時間が中途半端なのは 360 秒露出のつもりがインターバルタイマーの設定に低振動モードの待ち時間の 4 秒を足し忘れていたせい。

今回は無理かな、失敗かなと思いましたが意外となんとかなったし撮ってよかったです。今夜は何を撮ろうかな…

スカイメモS + 8cm F6 直焦点まとめ

最近 Google 経由でのアクセスが増えているのがこの記事。

はてなブログの無料プランのアクセス解析ではどんな検索語でアクセスしているのかわからないのですが、Google 検索だと「スカイメモS 限界」でトップに、「スカイメモS 追尾精度」だと 2 位にランクされるようです。

上の記事を書いた時点では 8cm F6 (480mm) での直焦点撮影はテスト撮影を 1 回行っただけでしたので、その後の撮影で気付いた点と作例をまとめてみました。

撮影機材・撮影条件

撮影鏡 BLANCA80-EDT (8cm F6 屈折)
カメラ OLYMPUS OM-D E-M5 (無改造)
赤道儀 スカイメモS + スカイメモS用微動雲台 + 微動台座&アリガタプレート + バランスウエイト 1kg
三脚 Manfrotto 055XDB
ガイドカメラ QHY CCD QHY5L-IIM
ガイドスコープ QHY CCD miniGuideScope (130mm F4.3)
オートガイドソフト PHD2 Guiding 2.6.1

撮影鏡の BLANCA80-EDT の詳細はレビューを参照してください。

カメラは無改造です。光害カットフィルターも使用していませんが、これは F6 でフィルターを使用すると露出時間が 10 分以上必要になって追尾精度的に厳しいからです。

スカイメモ S 用微動雲台と微動台座&アリガタプレートとバランスウエイト 1kg は極軸の追い込みとスムースな天体導入のためには必須です。鏡筒の固定は微動台座のカメラネジ(1/4インチ) 1 本で固定しています。バランスウエイトはシャフトの端いっぱいでバランスしています。

三脚は 2 段目だけいっぱいに伸ばした状態で使用しています。石突きはゴムのままで、設置場所は固い地面またはベランダの鉄筋コンクリートの床の上です。

ガイドスコープは鏡筒のビクセン互換ファインダー用アリミゾに取り付けています。ネジ一本での締め付けですが軽いので特に問題は出ていません。

PHD2 Guiding のガイド関係の設定はデフォルト値のままです。ガイドカメラの露出時間は 0.5 秒、明るいガイド星がある場合は 0.2 秒です。

極軸合わせ

極軸合わせは PHD2 Guiding のドリフトアライメント機能を使って 30 分以上かけて追い込んでいます。30 分の間に機材のたわみもだいたい収まるようですが、それでも望遠鏡の姿勢を大きく変えると極軸がズレることがあります。

また、撮影中赤緯方向のズレが出てきた場合は撮影を中断して、望遠鏡を天体に向けたままその場で極軸を再調整しています。1 回の露出(5〜6 分間)の間に 2 秒以上ズレた場合に、ズレの方向に合わせてドリフト法の要領で極軸方位をほんの少しだけ調整します。調整量は勘で決めています…。10 回露出したら 1 回か 2 回は撮影中断でボツになる感じです。

作例

撮影機材の情報は共通で上述の通りなので省略しています。画像をクリックすると filckr のページに飛んで拡大表示します。flickr のページからはオリジナルサイズの画像がダウンロードできます。

M65, M66, NGC3628 (2017/3/7 23:51)
M65, M66, NGC3628 (2017/3/7 23:51)
ISO 200, 300s x 8枚
DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide 1.0.04, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1600mm 相当にトリミング

M5 (2017/3/20 03:48)
M5 (2017/3/20 03:48)
ISO 200, 240s x 10枚
DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1200mm 相当にトリミング

M104 (2017/3/22 03:01)
M104 (2017/3/22 03:01)
ISO 200, 300s x 8枚
DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.06, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1920mm 相当にトリミング

M51 (2017/4/14 00:44)
M51 (2017/4/14 00:44)
ISO 200, 360s x 12枚
DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAidePro 1.0.04, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算1920mm相当にトリミング

M101 (2017/4/19 01:29)
M101 (2017/4/19 01:29)
ISO 200, 360s x 12枚
DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.05, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算1920mm 相当にトリミング

M107 (2017/4/29 23:34)
M107 (2017/4/29 23:34)
ISO 200, 360s x 10枚
DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.06, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1920mm 相当にトリミング

まとめ

これまでの経験から言って、スカイメモ S での長焦点撮影についてまとめると…

  • フルサイズ換算 1000mm 弱での撮影は 5 分露出なら打率 8 割程度。
  • 撮影鏡の性能は 100% は出せない。それなりに像は甘くなる。
  • オートガイダーは必須。
  • 極軸はドリフト法で時間をかけて追い込むこと。
  • 天体導入後や撮影中に極軸がズレていく。その場で再調整する。
  • 風には弱い。そよ風以上の風があれば失敗する。

打率と言いましたが、ヒットの基準は「仕上げた写真を iPad (9.7インチ)の全画面表示で見ても違和感を感じない」ぐらいのものです。作例は一応その基準を満たしているつもりです。

失敗例は今のところ風でガイドが乱れたあげく電池切れで撮影を中断した 1 回のみです。

1 軸ガイドなので極軸の精度が要求されるのですが、全体的に剛性がないので導入時や撮影中に極軸がズレてしまいがちです。正確には極軸そのものがズレているのか機材がゆっくりたわんでズレているのかよくわからないのですが、結局はズレをキャンセルする方向に極軸を調整することになります。

そもそもモーターが遅すぎるので天体導入時にクラッチをフリーにしなくてはならず、これもまた極軸がズレる要因になります。クラッチは締めすぎず緩めすぎずのフリーストップに近い状態で操作するとズレにくいようです。

オートガイドの様子を見る限り、10 分以上の露出だと打率 5 割ぐらいになりそうなので無理があると思います。また、赤経RMS エラーが±2秒程度あるので、フルサイズ換算 1000mm 以上の長焦点は厳しいと思います。

そんなわけで、スカイメモ S での 8cm F6 直焦点撮影は一応実用になるとは思うのですが、横浜の空では光害カットフィルターが使用できないのは痛いです。SN 比が稼げる明るい(淡くない)天体以外は今後もレデューサー使用(F3.6)がメインになると思います。*1

*1:BORG 90FL + レデューサー (9cm F4) あたりがバランス的によさそうなんですがいいお値段ですよねぇ…

ポリマ食 (2017/5/7)

5月7日深夜におとめ座のγ星ポリマの食がありました。

前回は動画で撮りましたが今回はインターバルタイマーで連続写真を撮りました。

ポリマ食 (2017/5/7 23:03 - 24:38)
ポリマ食 (2017/5/7 23:03 - 24:38)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井BLANCA-80EDT (8cm F6), 2x TELECONVERTER EC-20
ISO 200, 1/80s
Lightroom CC で画質調整, Photoshop CC で 60秒間隔で撮影したもののうち 55 枚を比較明合成

連続写真を比較明合成したのが上の写真です。左側からポリマが月の影の部分に入っていって、右側に抜けていくイメージです。

こういう写真にすると星の方が動いているように見えるのですが、実際には月が動いて星を隠しています。撮影中は赤道儀を恒星時で運転していたので月が動いているのがよくわかりました。

30 秒間隔で 120 枚ほど撮影しましたが、上の写真では 60 秒間隔のコマを拾って合成しています。撮影中のカメラの液晶画面ではポリマが見えなかったので正確な時刻はわかりませんが、潜入は 23:27:30 くらい、出現は 24:09:00 くらいだと思います。

合成の際の位置合わせの誤差や気流による星像の揺らぎのせいか星の並びが真っ直ぐになっていませんが、こんなものですかね… 潜入直前のコマが気流の揺らぎでぼやけてしまったのが残念です。

ちなみに位置合わせは手動でやっています。差の絶対値で重ねあわせて月の縁や月面の模様がなるべく一致する(真っ黒になる)ようにしています。欠け際は撮影中にどんどん陰影が変わっていって一致しないので西側の海の模様を見て合わせています。

写真にはうつらないクレーターがあるから

夕方南の空が低空まで晴れ渡っていたので、今夜はω星団に挑戦してみようなどと無茶なことを考えて準備していたのですが、風は強いわ雲は出てくるわで結局月だけ撮って撤収しました。

月齢8.9 (2017/5/5 19:00)
月齢8.9 (2017/5/5 19:00)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 2x TELECONVERTER EC-20
ISO 400, 1/100s
Lightroom CC で画像処理

中央の欠け際にある大きなクレーターはコペルニクス。その右上にある真ん中にぽっちりのあるクレータがエラトステスネス。その間に縦に並んだ小さなクレーターの列があって、ライブビューでは気流で揺らぎながらもはっきり見えていたのですが写真には写っていません。

10枚以上撮りましたがどのカットでもダメでした。今まで撮ってきた中にはギリギリ写っているのもあるんですがそれでもライブビューで見るほどには写ってないです。なんかカメラの実力を出しきれてないみたいでくやしいんですが…

低振動モードで撮っているのですがそれでもシャッターショックでブレちゃうんですかね?電子シャッター使えるカメラなら写るんでしょうか。それともライブビューで見えてるのは動画として見ているが故の目の錯覚みたいなもので、再現しようと思ったら動画をスタックするしかないのかな?