読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

オートガイダー導入記 (9): 赤い星雲どこまで写る?

思い出 機材 オートガイダー 撮影技術 散光星雲

前回の続きです。

前回、低感度長時間露出がイケてるかも?という話をしましたが、その後原則 ISO 200 で 3 〜 5 分の露出で撮るようになりました。1軸ガイドなので赤道儀の極軸合わせはだいぶシビアになりますが、時間さえ惜しまなければ 288mm (フルサイズ換算 576mm) でほぼ失敗なしの精度まで追い込むことができます。

しかし、天体の導入時にはどうしてもクランプフリーで操作せざるを得ないので、クランプの緩め・締めで極軸がズレてしまうことがあるようです。1枚目の撮影中にガイドグラフを見て判断して、ダメなら再調整して撮り直しです。

極軸の精度は 5 分間で累積する赤緯方向のズレが 288mm なら 4 秒角以下、480mm なら 2 秒以下、を目標に追い込んでいます。これで各カットの星像はほぼ真円になるのですが、コンポジットすると背景のノイズが各カット毎に少しずつ赤緯方向にズレていって、ノイズが引きずったような縞模様になって目立ってしまうことがあります。

こういう縞ノイズを避けるには各カット毎にランダムに望遠鏡をズラしてノイズの位置を拡散させて目立たなくするとよいのですが(いわゆるディザリング)、スカイメモ S でそこまで器用なことはできないので 4 枚毎に赤緯微動をほんの少しだけひねって写野をわずかにズラすようにしています。これでもだいぶマシになります。個人的にはこれを「なんちゃってディザリング」と呼んでいます。

そんなふうにして撮った天体のうち、オートガイダー導入のきっかけにもなった赤い星雲の写真を以下に。カメラはいずれも無改造の E-M5 です。

まず、ばら星雲です。

ばら星雲 (2017/2/2 22:05)
ばら星雲 (2017/2/2 22:05)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 0.6x レデューサー + LPS-D1
ISO 200, 300s x 8枚
DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算597mm相当にトリミング

ちょっと周りの星に負け気味の写りではありますが、ちゃんとバラには見えています。

次は、馬頭星雲。

馬頭星雲 (2017/1/4 23:03)
馬頭星雲 (2017/1/4 23:03)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 0.6x レデューサー + LPS-D1 QRO
ISO 200, 300s x 8枚
DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算1150mm相当にトリミング

派手さはないものの、ポニーヘッド部分がクッキリ浮かび上がりました。

最後に、わし星雲(または「かもめ星雲」)。

わし星雲(Seagull Nebula) (2017/1/26 23:24)
わし星雲(Seagull Nebula) (2017/1/26 23:24)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 0.6x レデューサー + LPS-D1 QRO
ISO 200, 300s x 8枚
DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算597mm相当にトリミング

こちらは前の二つよりはだいぶ淡い星雲で、無改造のカメラでは冬の銀河の星々に埋もれてしまってかなり厳しいです。

ということで、個人的には、わし星雲以外はそこそこ満足しています。オートガイダー導入が秋だったので北アメリカ星雲はまだ撮っていませんが、この分なら期待できそうです。

ちなみにどれも処理前の写真の背景の濃度は 50% くらいになります。ホワイトバランスのみ調整したものがこれです。

ばら星雲(処理前) (2017/2/2 22:13)
ばら星雲(処理前) (2017/2/2 22:13)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 0.6x レデューサー + LPS-D1
ISO 200, 300s
Lightroom CC でホワイトバランスのみ調整

光害カットフィルターを付けてこれです。つらい… こういう状態で露出時間を伸ばして正味の光量を増やそうとすると最低感度で撮るしかないのです。

もっと露出時間を伸ばしたらどうなるか、まだ試していませんが、E-M5 は 12bit RAW ですし、これ以上伸ばしても画像処理後の階調が狭くなりすぎてダメかなと思っています。明るい恒星の白飛びも既に激しいですし。(つづく)

赤緯方向のズレと大気差

計算 撮影法

最近は 1 枚 5 分の露出で 8 枚、余裕があれば予備を含めて 10 枚、総露出時間 40 分〜 50 分で撮影しているのですが、PHD2 のガイドグラフを見ていると、赤緯方向のガイドエラー、というか赤緯方向はガイドしていないので単なるズレですが、その量が時間と共に変化することがあります。

ずっとこれを極軸の誤差のせいか、機材のたわみのせいかと思っていたのですが、ひょっとして大気差の差、つまり追尾中に天体の高度が変わることで大気差による浮き上がりの高さが変わって、その赤緯方向の成分がズレとなって出てきたりしますか?

大気差の計算式は国立天文台暦計算室の用語解説によると、簡易的には  h_\alpha を見かけの高度、 R(h_\alpha) を大気差(単位は度)とすると、

 R(h_\alpha) = \frac{0º.0167}{\tan(h_\alpha + \frac{7.31}{h_\alpha + 4.4})}

だそうです。これをグラフにするとこんな感じ。縦軸の単位は秒にしています。

http://rna.sakura.ne.jp/share/refraction-1.png

あんまり低い部分はこの際関係ないので15度から90度までを拡大。

http://rna.sakura.ne.jp/share/refraction-3.png

先日撮ったソンブレロ銀河の写真は、Stellarium の表示によると、撮り初めの(見かけの)高度が 30.1 度、撮り終わりが 23.5 度。上の式で計算すると、大気差は 102.8 秒から 136.6 秒に変化していて、その差は 33.7 秒。結構ありますね…

赤経成分はオートガイドで補正されるはずなので、その赤緯成分が知りたいのですが、『天文年鑑 2017』 p321 によると、\eta を天体が天頂と極に張る角として、

\Delta\delta = R(h_\alpha)\cos \eta

だそうですが、 \eta の「天体が天頂と極に張る角」ってどうやって計算するんですかね?… 天体が子午線上だとすると南天なら 0 度で大気差がそのまま赤緯方向のプラスの差に、北天なら 180 度で大気差がそのまま赤緯方向のマイナスの差になるのはわかるんですが…

1 軸オートガイドでも極軸さえ正確に合わせれば正確に追尾できるかと思っていましたが、そう簡単な話ではなさそうです。とりあえずなるべく子午線をまたいで撮るようにして、撮影中の高度の変化を減らすのがよさそうです。

M104 ソンブレロ銀河 (2017/3/21)

撮影記 銀河

21日は雨でしたが深夜から晴れたのを見てまたベランダから天体撮影。

ターゲットは「ソンブレロ銀河」こと M104。今回も 8cm F6 の直焦点です。

M104 (2017/3/22 03:01)

OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6)
ISO 200, 300s x 8枚
DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算1200mm相当にトリミング

UFO のような形が印象的な銀河です。中心の丸い部分はもっと外側まで淡く広がっているのですが、条件も悪いのでそこまでは写っていません。

撮影開始が 3:00 と遅くなってしまったので撮影終了時の M104 の高度は 25 度。だんだん低空のかすみの中に沈んでいって、後半のカットはかなりカブリがひどかったのですが、段階フィルターでなんとかごまかしました…

このあたりはガイド星にできそうな星も少なくて、しかたなく右上の三つ並んだ星の一番明るい星をガイド星にしました。すぐそばに星が並んでいて大丈夫かと思いましたが問題なくガイドできていたようです。

ガイドカメラの露出時間を増やせば使える星はいくつもあるのですが、0.5 秒露出ぐらいで小刻みにガイドしないと追尾精度が落ちてしまいます。そういうものなんでしょうか?元々のスカイメモSの本来の追尾精度が悪いからそうなるだけ?

ちなみに極軸合わせは割とスムースにできました。それでも30分以上かかってますが… 極軸方位の微動が不安定なのは押しネジの当たるピンが緩んでいたせいでした。

http://rna.sakura.ne.jp/share/SKYMEMO-S-platform.jpg

写真の赤い矢印が問題のピンです。これをしっかりねじ込んでおくといいようです。

でもこれすぐ緩むんですよね。このピンはネジの頭がついてないので工具で強く締められないので。先を削ってマイナスドライバーで回せるようにしたらいいのかな…

オートガイダー導入記 (8): 低感度で撮った方がよい?

思い出 撮影技術 散開星団 超新星残骸

前回の続きです。

土曜(昨年11月5日)の撮影では、野外ということで長時間立つかしゃがむかの姿勢での作業が続いたので、翌々日の月曜になっても筋肉痛がとれなかったのですが、それであきらめるには月曜の夜の天気は良すぎました。結局我慢できずに再び機材を抱えて出撃。

ターゲットは前回撮りそこねたプレアデス星団(M45)と、かに星雲(M1)と、ふたご座の散開星団 M35。M35 は今回初めて撮りました。露出は 90 秒、光害カットフィルターは LPS-D1 QRO 使用。他にも撮りたかったのですが後述する理由でこれだけに。

まずプレアデス星団

M45 (2016/11/7 23:53)
M45 (2016/11/7 23:53)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 0.6x レデューサー + LPS-D1 QRO
ISO 200, 90s x 8枚
DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算597mm相当にトリミング

プレアデス星団は青い星雲がどこまで写るかが勝負どころですが、フィルターありの 90 秒だと露出はかなり不足気味でした。でも、メローペの周りの刷毛ではいたような星雲の形はわかります。

次はかに星雲

M1 (2016/11/8 00:29)
M1 (2016/11/8 00:29)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 0.6x レデューサー + LPS-D1 QRO
ISO 200, 90s x 10枚
DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算1150mm相当にトリミング

かに星雲の「かに」というのは星雲の中から八方に広がる赤いフィラメント状の構造をカニの足に見立てたものだそうですが、その肝心の赤いフィラメントはうっすらとしか写りませんでした。やはり露出不足気味。

最後に M35。

M35 (2016/11/8 01:12)
M35 (2016/11/8 01:12)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 0.6x レデューサー + LPS-D1 QRO
ISO 1000, 90s x 7枚
DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算597mm相当にトリミング

青い星が多い星団ですが、右下にある黄色い星が集まった小さな散開星団 NGC2158 との対比が面白いところです。星団はこのくらいの露出の方が星の色味も残っていいかな、と思いつつももう少し露出をかけて NGC2158 の微恒星をクッキリ出したい気も。

ところで M45 と M1 の写真、ISO 感度が 200 になっていますが、これは作業ミスのせいです。

前回フラットを撮れなかったのですが、iPad を忘れて撮れなかっただけでなく、ターゲットを変えた時にカメラを回転させたのにその前にフラットを撮るのを忘れていたというミスもやらかしています。*1

そこで今回は忘れないように最初にフラットを撮ったのですが、その時 ISO 感度を 200 に設定していて、それを ISO 1000 に戻し忘れていたのです。フラットを ISO 200 にしているのはフラットのノイズを減らしたいのが理由ですが、あまり意味はないのかも。

M35 の撮影中にそれに気付いてあわてて M1 と M35 は ISO 1000 で撮り直したのですが、M45 は時間がなくて撮り直せませんでした…

しかし、ISO 200 で撮ったものを DSS で処理して Lightroom で露光量をプラス補正すると、以前 ISO 1000 で撮ったものと比べても遜色がありません。M1 も M35 も同様。時間がなくて枚数を減らしたのとガイドエラーの違いもありそうなので断定はできませんが、M1 については ISO 1000 の方がフィラメントの細部が潰れているように見えました。

M1 (2016/11/8 01:28)
M1 (2016/11/8 01:28)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 0.6x レデューサー + LPS-D1 QRO
ISO 1000, 90s x 7枚
DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算1150mm相当にトリミング

そういえば低感度で長時間露出した方がよいかも、という話は以前 HIROPON さんが書いていました。

要は、デジカメで ISO 感度を上げるのはセンサーから出た信号を増幅してるだけで、元々の信号自体はセンサーに届いた光の強さが同じなら変わらない、つまり感度をいくら上げても写らないものは写らない、なので露出(EV値)が同じなら低感度で長時間露出した方がより暗い星まで写るはず、という話です。

では、低感度で同じ露出時間の場合は? 上の記事には書かれていませんが、理屈の上では画像処理でプラス補正しても高感度で撮るのと意味は同じ、画像処理アルゴリズムの違いしか出ないはずです。

センサーの出力から RAW データの記録までの間の信号処理でノイズ除去などを行っているのなら、低感度で撮影して露出不足の画像では絶対値の小さい出力は消えてしまう可能性もあるのですが、逆に高感度ほどより強いノイズ除去がかかるような処理になっているなら低感度の RAW の方がよい、ということになります。オリンパスの RAW はそうなのかも?

しかし、通常の RAW 現像で強いプラス補正をかけると暗部のカラーバランスが崩れる(マゼンタ色のカブリが出る)ものなのですが、今回はそれがなかったのが不思議。と思ったのですが、天体写真だとダーク減算をするのでダークノイズ由来の色カブリがキャンセルされるということでしょうか?

そんなわけで今後は ISO 200 でより長時間の露出を目指すことに。

すっかりオートガイダーの話ではなくなっていますが… ちなみに今回の本来の目的、オートガイド用のノート PC のバッテリー持続時間の改善については、2時間半弱の撮影でバッテリー残量が30%近くあったので3時間くらいは撮影できそうだと確認できました。オートガイド撮影用途でも省電力設定は有効なようです。(つづく)

続き:

*1:接眼部の工作精度のせいか光軸がセンサーの中心から少しズレてしまっているので、カメラを回転すると周辺減光の中心位置が変わってしまうため、カメラを回す前後でフラットを撮っておかないといけない。

M5 (2017/3/19)

撮影記 球状星団

昨夜は22時頃から晴れるという予報だったのですが、19時頃には星がほとんど見えなかったこともありあまり期待もせず、体調も悪かったので寝てしまいました。しかし深夜0時過ぎに目がさめて、渋々ベランダから外を見ると空は晴れ。木星が南中して、南東の空低くオレンジ色の半月が出ています。

月の光が淡く拡がっていて透明度の悪そうな空でしたが、とりあえず機材を組み立てて望遠鏡を木星に向けてみると、少しかすみがかってはいるもののシーイングは悪くなく、大赤斑もはっきり見えていました。せっかくなので木星を撮ってから極軸を合わせ。

極軸合わせには苦戦して、方位調整を追い込んだと思って最後の微調整をしようとネジを回すとカクンとズレてしまいまた追い込みなおし、ということを繰り返してしまい、納得いくところまで追い込むのに1時間以上かかってしまいました。

元々 M104 ソンブレロ銀河と M53 を直焦で撮ってみよう思っていたのですが、M104 はもうだいぶ西に傾いていたし、M53 も撮り終わる前に天井にぶつかりそうだったので、M5 を撮ることにしました。月に近くてあまり綺麗に写らないとは思ったのですが、直焦での球状星団の写りを見ておきたかったので。

月明かりで空の背景が明るく肉眼では星がよく見えず、スピカからヘゼを経由しておとめの足を伝ってという遠回りのやり方での導入に手間取り、撮影開始は3時半。撮り始めるとまた極軸がずれていたのでその場で微調整して再開。なんとか薄明前に撮影終了。

背景が明るいので露出は少し減らして 4 分にしました。光害カットフィルターは無し。オートガイドの調子はまあまあで RMS ±1.7 秒前後。極軸誤差による赤緯のズレは 4 分間で 2 秒程度。結果は…

M5 (2017/3/20 03:48)
M5 (2017/3/20 03:48)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6)
ISO 200, 240s x 10枚
DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算1200mm相当にトリミング

どうでしょう?意外と見れる仕上がりのような?等倍で見るとガイドエラーの影響なのか星像がややぼやけて見え、望遠鏡の解像度を生かしきれてないように思われますが…

でも「志を低く」をモットーにしている僕の基準は「iPad で表示して十分シャープに見えるなら OK」というものなので、これなら OK かな、と。

スカイメモS での直焦撮影(480mm)は、5 分程度の露出ならなんとか使えそうです。とはいえ今の極軸合わせの精度ではギリギリで、光害カットフィルターを使って10分以上の露出ができるかというと厳しいです。しかし極軸をこれ以上追い込むのは微動雲台の精度的に難しい気がします。

最後に最初に撮った木星の写真を。

木星と衛星 (2017/3/20 01:06)
木星と衛星 (2017/3/20 01:06)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 2x TELECONVERTER EC-20
木星: ISO 200, 1/60, 衛星: 1/2s を合成
Lightroom CC, Photoshop CC で画像処理, トリミング

大赤斑がなんとか見えています。衛星は左からカリスト、イオ、エウロパ、ガニメデです。

AstroBin に登録してみた

コミュニティ

AstroBin という天体写真に特化した写真共有サービスにアカウントを作ってみました。

今まで知らなかったのですが、NGC 天体の名前で画像検索していて偶然見つけました。海外のサービスですが、UI は日本語にローカライズされています。一部翻訳が怪しい部分もありますが、未だに日本語化されていない flickr に比べれば…

AstroBin の面白いところは、まずアップロードされている写真に機材や使用ソフトウェアの情報が載っているところ。撮影鏡とカメラだけでなく、ガイド鏡とガイドカメラ、赤道儀、DeepSkyStacker 等の画像処理ソフトなどがメタデータ化されていることです。*1

そのため、画像検索で使用機材を検索条件に含めたり、特定の機材で撮られた写真の一覧を表示したりすることも簡単にできるようになっています。たとえば Star Adventurer (スカイメモS の OEM 元の SkyWatcher 製ポタ赤)を使って撮影された写真の一覧はこんなふうに参照できます。

http://rna.sakura.ne.jp/share/astrobin-20170318/skywatcher-star-adventurer.png

もうひとつ面白いのは、写真をアップロードすると写っている天体の名前を表示するオーバーレイや写野を示した星図を自動で作ってくれること。たとえばしし座の三つ子銀河の写真をアップロードすると自動的にこんな表示が出るようになります(マウスを写真の上に置いた時の表示)。

http://rna.sakura.ne.jp/share/astrobin-20170318/astrometry-overlay.png

自分では写っているのに気づいてなかったような天体まで検出されています。このあたりの機能は Astrometry.net のサービスを使用しているようです。

また、一度アップした写真を画像処理をやりなおして再アップする際に、以前にアップした写真の修正版として上書きアップロード(?)できるようです。

いろいろかゆいところに手の届くサービスですが、海外サービスということでフォーラムは英語だし、日本人ユーザーが見当たりません。サイトの日本語訳に変ないたずらがあったりするので *2 少なくとも日本の文化を理解しているユーザーが関わっているはずなのですが、みんな英語使ってるんで僕が気付いてないだけかも。

あと、アップした画像をブログ等に簡単に貼る方法がないような。「共有」では 130 ピクセル角のサムネイルしか貼れないんですよね。

まあ、なにはともあれ一度登録して使ってみようと登録して写真を2枚アップロードしてみました。

もっとも無料ではトータルで10枚しかアップロードできなくて、あくまで試用アカウントという感じですが。年会費 $18 の Lite プランが年12枚まで、年会費 $36 の Premium プランが無制限ということで、使いでがありそうなら Premium プランかなぁと思っています。

*1:ただしメタデータをいいかげんにつけてる人も結構いるようで機材名入力の補完候補に同じ機材と思われる名前が微妙に違った名前で複数登録されていたりもしています。

*2:ユーザー登録が「丁度一年前」だとこんな表示が出たりとか…
http://rna.sakura.ne.jp/share/astrobin-20170318/astrobin-profile-just-one-year-ago.png

オートガイダー導入記 (7): 屋外での撮影のテスト

思い出 機材 オートガイダー 銀河

前回の続きです。

ベランダの天井に邪魔されずに天頂付近の天体を撮影するには屋外に機材を持ちだして撮るしかありません。オートガイド撮影となると、通常の機材に加えてオートガイダーとノート PC も持ちださなくてはなりません。荷物が増えたり設置の手間が増えることもさることながら、ノート PC が必要になることでバッテリー容量に撮影時間が制約されるのが問題になります。

今時のノート PC のバッテリーは通常使用で 7 時間くらいは持続しますが、使うのは 6 年前の機種ですし、PHD2 がガイド中にどのくらい電力を食うのかわかりませんし、またオートガイダーの電源も USB 経由でノート PC から供給することもあるので、持続時間は通常よりは短いはず。

赤道儀自体の電源については、スカイメモS の場合は消費電力がとてつもなく低くて三ヶ月くらいは電池交換不要なので気にしたことがありません。電源は単3電池4本ですから予備も気軽に用意できます。

まあ、ダメならダメで仕方がないのでとにかくやってみようと、昨年11月5日と7日にまた近所の駐車場で撮影しました。持って行ったノート PC は Lenovo ThinkPad X201s (Cor i7 L620)です。バッテリーは 6 セルバッテリーを装着しました。

5日のターゲットはアンドロメダ座の大銀河 M31 と、さんかく座の銀河 M33 と M45 プレアデス星団です。M33 と M45 を選んだのはベランダから撮影した時のカブリが本当にベランダの天井の照り返しのせいなのかを確認する意味もあります。

M31, M33, M45 の順で 90 秒露出で 10 枚ずつ撮影したのですが、初手から極軸調整に手間取ったり、途中で駐車場に面したアパートの住人のおじいさんから声をかけられたり、なぜかガイドが暴走しておたおたしてるうちに機材を動かしてしまって極軸の再調整が必要になったりして時間をロス。

結局 M45 の撮影途中の2時間40分でノート PC のバッテリー警告が出て時間切れ。ちなみに途中でピント位置がずれていたようで M33 は若干ピンぼけ、M45 か完全にピンぼけでした。

M31 (2016/11/05 22:32)
M31 (2016/11/05 22:32)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 0.6x レデューサー + LPS-D1 QRO
ISO 1000, 90s x 8枚
DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算597mm相当にトリミング

M31 はそこそこ雰囲気のある写りになりましたが、外側の淡いところがあまり出ていません。90 秒では露出不足のようです。

M33 (2016/11/05 23:06)
M33 (2016/11/05 23:06)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 0.6x レデューサー + LPS-D1 QRO
ISO 1000, 90s x 8枚
DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算1150mm相当にトリミング

M33 は先に述べたようにちょっとピンぼけ。でもそれ以上に星像が菱型にくずれているのが気になります。

LPS-D1 QRO を使うとこの傾向があって、実際ライブビューで見ても星像が菱型に見えてピント合わせに苦労するのです。これは後に不良品と判明して最終的に QRO でない無印の LPS-D1 と交換してもらいました。

ベランダで撮った時にでた画面下部のカブリについては今回は出なかったのですが、かわりに画面上部に少々カブリが… 今度は街灯の迷光?よくわかりません。

この日は他にもフラット撮影用に使う iPad を忘れてフラットが撮れず、過去のフラットで代用することになったり、散々でした。

ということで諸々反省した上で翌々日も出動。今度は ThinkPad の電力設定を省電力側に倒して再挑戦。(つづく)

続き: