Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

スカイメモS + 8cm F6 直焦点まとめ

最近 Google 経由でのアクセスが増えているのがこの記事。

はてなブログの無料プランのアクセス解析ではどんな検索語でアクセスしているのかわからないのですが、Google 検索だと「スカイメモS 限界」でトップに、「スカイメモS 追尾精度」だと 2 位にランクされるようです。

上の記事を書いた時点では 8cm F6 (480mm) での直焦点撮影はテスト撮影を 1 回行っただけでしたので、その後の撮影で気付いた点と作例をまとめてみました。

撮影機材・撮影条件

撮影鏡 BLANCA80-EDT (8cm F6 屈折)
カメラ OLYMPUS OM-D E-M5 (無改造)
赤道儀 スカイメモS + スカイメモS用微動雲台 + 微動台座&アリガタプレート + バランスウエイト 1kg
三脚 Manfrotto 055XDB
ガイドカメラ QHY CCD QHY5L-IIM
ガイドスコープ QHY CCD miniGuideScope (130mm F4.3)
オートガイドソフト PHD2 Guiding 2.6.1

撮影鏡の BLANCA80-EDT の詳細はレビューを参照してください。

カメラは無改造です。光害カットフィルターも使用していませんが、これは F6 でフィルターを使用すると露出時間が 10 分以上必要になって追尾精度的に厳しいからです。

スカイメモ S 用微動雲台と微動台座&アリガタプレートとバランスウエイト 1kg は極軸の追い込みとスムースな天体導入のためには必須です。鏡筒の固定は微動台座のカメラネジ(1/4インチ) 1 本で固定しています。バランスウエイトはシャフトの端いっぱいでバランスしています。

三脚は 2 段目だけいっぱいに伸ばした状態で使用しています。石突きはゴムのままで、設置場所は固い地面またはベランダの鉄筋コンクリートの床の上です。

ガイドスコープは鏡筒のビクセン互換ファインダー用アリミゾに取り付けています。ネジ一本での締め付けですが軽いので特に問題は出ていません。

PHD2 Guiding のガイド関係の設定はデフォルト値のままです。ガイドカメラの露出時間は 0.5 秒、明るいガイド星がある場合は 0.2 秒です。

極軸合わせ

極軸合わせは PHD2 Guiding のドリフトアライメント機能を使って 30 分以上かけて追い込んでいます。30 分の間に機材のたわみもだいたい収まるようですが、それでも望遠鏡の姿勢を大きく変えると極軸がズレることがあります。

また、撮影中赤緯方向のズレが出てきた場合は撮影を中断して、望遠鏡を天体に向けたままその場で極軸を再調整しています。1 回の露出(5〜6 分間)の間に 2 秒以上ズレた場合に、ズレの方向に合わせてドリフト法の要領で極軸方位をほんの少しだけ調整します。調整量は勘で決めています…。10 回露出したら 1 回か 2 回は撮影中断でボツになる感じです。

作例

撮影機材の情報は共通で上述の通りなので省略しています。画像をクリックすると filckr のページに飛んで拡大表示します。flickr のページからはオリジナルサイズの画像がダウンロードできます。

M65, M66, NGC3628 (2017/3/7 23:51)
M65, M66, NGC3628 (2017/3/7 23:51)
ISO 200, 300s x 8枚
DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide 1.0.04, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1600mm 相当にトリミング

M5 (2017/3/20 03:48)
M5 (2017/3/20 03:48)
ISO 200, 240s x 10枚
DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1200mm 相当にトリミング

M104 (2017/3/22 03:01)
M104 (2017/3/22 03:01)
ISO 200, 300s x 8枚
DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.06, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1920mm 相当にトリミング

M51 (2017/4/14 00:44)
M51 (2017/4/14 00:44)
ISO 200, 360s x 12枚
DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAidePro 1.0.04, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算1920mm相当にトリミング

M101 (2017/4/19 01:29)
M101 (2017/4/19 01:29)
ISO 200, 360s x 12枚
DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.05, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算1920mm 相当にトリミング

M107 (2017/4/29 23:34)
M107 (2017/4/29 23:34)
ISO 200, 360s x 10枚
DeepSkyStacker 3.3.2, FlatAide Pro 1.0.06, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1920mm 相当にトリミング

まとめ

これまでの経験から言って、スカイメモ S での長焦点撮影についてまとめると…

  • フルサイズ換算 1000mm 弱での撮影は 5 分露出なら打率 8 割程度。
  • 撮影鏡の性能は 100% は出せない。それなりに像は甘くなる。
  • オートガイダーは必須。
  • 極軸はドリフト法で時間をかけて追い込むこと。
  • 天体導入後や撮影中に極軸がズレていく。その場で再調整する。
  • 風には弱い。そよ風以上の風があれば失敗する。

打率と言いましたが、ヒットの基準は「仕上げた写真を iPad (9.7インチ)の全画面表示で見ても違和感を感じない」ぐらいのものです。作例は一応その基準を満たしているつもりです。

失敗例は今のところ風でガイドが乱れたあげく電池切れで撮影を中断した 1 回のみです。

1 軸ガイドなので極軸の精度が要求されるのですが、全体的に剛性がないので導入時や撮影中に極軸がズレてしまいがちです。正確には極軸そのものがズレているのか機材がゆっくりたわんでズレているのかよくわからないのですが、結局はズレをキャンセルする方向に極軸を調整することになります。

そもそもモーターが遅すぎるので天体導入時にクラッチをフリーにしなくてはならず、これもまた極軸がズレる要因になります。クラッチは締めすぎず緩めすぎずのフリーストップに近い状態で操作するとズレにくいようです。

オートガイドの様子を見る限り、10 分以上の露出だと打率 5 割ぐらいになりそうなので無理があると思います。また、赤経RMS エラーが±2秒程度あるので、フルサイズ換算 1000mm 以上の長焦点は厳しいと思います。

そんなわけで、スカイメモ S での 8cm F6 直焦点撮影は一応実用になるとは思うのですが、横浜の空では光害カットフィルターが使用できないのは痛いです。SN 比が稼げる明るい(淡くない)天体以外は今後もレデューサー使用(F3.6)がメインになると思います。*1

*1:BORG 90FL + レデューサー (9cm F4) あたりがバランス的によさそうなんですがいいお値段ですよねぇ…

ポリマ食 (2017/5/7)

5月7日深夜におとめ座のγ星ポリマの食がありました。

前回は動画で撮りましたが今回はインターバルタイマーで連続写真を撮りました。

ポリマ食 (2017/5/7 23:03 - 24:38)
ポリマ食 (2017/5/7 23:03 - 24:38)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井BLANCA-80EDT (8cm F6), 2x TELECONVERTER EC-20
ISO 200, 1/80s
Lightroom CC で画質調整, Photoshop CC で 60秒間隔で撮影したもののうち 55 枚を比較明合成

連続写真を比較明合成したのが上の写真です。左側からポリマが月の影の部分に入っていって、右側に抜けていくイメージです。

こういう写真にすると星の方が動いているように見えるのですが、実際には月が動いて星を隠しています。撮影中は赤道儀を恒星時で運転していたので月が動いているのがよくわかりました。

30 秒間隔で 120 枚ほど撮影しましたが、上の写真では 60 秒間隔のコマを拾って合成しています。撮影中のカメラの液晶画面ではポリマが見えなかったので正確な時刻はわかりませんが、潜入は 23:27:30 くらい、出現は 24:09:00 くらいだと思います。

合成の際の位置合わせの誤差や気流による星像の揺らぎのせいか星の並びが真っ直ぐになっていませんが、こんなものですかね… 潜入直前のコマが気流の揺らぎでぼやけてしまったのが残念です。

ちなみに位置合わせは手動でやっています。差の絶対値で重ねあわせて月の縁や月面の模様がなるべく一致する(真っ黒になる)ようにしています。欠け際は撮影中にどんどん陰影が変わっていって一致しないので西側の海の模様を見て合わせています。

写真にはうつらないクレーターがあるから

夕方南の空が低空まで晴れ渡っていたので、今夜はω星団に挑戦してみようなどと無茶なことを考えて準備していたのですが、風は強いわ雲は出てくるわで結局月だけ撮って撤収しました。

月齢8.9 (2017/5/5 19:00)
月齢8.9 (2017/5/5 19:00)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 2x TELECONVERTER EC-20
ISO 400, 1/100s
Lightroom CC で画像処理

中央の欠け際にある大きなクレーターはコペルニクス。その右上にある真ん中にぽっちりのあるクレータがエラトステスネス。その間に縦に並んだ小さなクレーターの列があって、ライブビューでは気流で揺らぎながらもはっきり見えていたのですが写真には写っていません。

10枚以上撮りましたがどのカットでもダメでした。今まで撮ってきた中にはギリギリ写っているのもあるんですがそれでもライブビューで見るほどには写ってないです。なんかカメラの実力を出しきれてないみたいでくやしいんですが…

低振動モードで撮っているのですがそれでもシャッターショックでブレちゃうんですかね?電子シャッター使えるカメラなら写るんでしょうか。それともライブビューで見えてるのは動画として見ているが故の目の錯覚みたいなもので、再現しようと思ったら動画をスタックするしかないのかな?

コメント欄を書き込めるようにしました

前回 「天体だけ見ていたい!」とか言ってましたが、別に一人にしておいてほしいとかそういう意味ではなくて、みなさんのコメントとかは歓迎ですので… というか、先日はてなユーザー以外の方もコメントできるように設定を変更しました。

はてなは割とスパムに甘い印象があるので当初はコメント欄ははてなユーザーのみ開放の設定にしていたのですが、どういうわけかはてなには天文やってる人が少ないようですし、アクセス解析を見ると検索でやってくる人が多いようなので誰でも書き込めるようにしました。スパムが多いようならまた考えます。

ちなみに検索で人気なのは以下の二つの記事。

上は Google 検索だと「スカイメモS オートガイド」で下は「ドリフト法」で トップに来るようです。スカイメモS の方はともかく、ドリフト法は他に詳しいサイトもあるのにこれでいいんだろうか…

星雲の色は眼視で見える?

先日の記事「M8 干潟星雲と M20 三裂星雲の色のこと」の件でこんなやりとりが。

こういうコスメティックな(?)調整は眼視のイメージに近づけるって目的ならアリと思ってますが、そもそも眼視で見たことないので… やっぱり一度空のいい場所の観望会とか行ったほうがいいかな。
M8 干潟星雲と M20 三裂星雲の色のこと

そもそも眼視だと色まで分かりませんしね(^^;
HIROPON さんのコメント - M8 干潟星雲と M20 三裂星雲の色のこと

ええ、そうなの!?いや、小型望遠鏡では無理なのはわかりますが、天文台の望遠鏡とか 30cm 以上のごっついドブソニアンとかならある程度写真に近いイメージで見えて色もわかるものとばかり…

1980 年代のドブソニアンが日本で普及しはじめた時期、確か『天文ガイド』で 30cm 級のドブソニアンなら眼視でも星雲・星団が写真で見るような姿で見える!みたいなことを書いてて、今までそういうものだと思ってました。

でもよく考えると当時は写真って言ってもモノクロが主流だったような… 水素増感したテクニカルパン 2415 やら 103aE やら流行ってた記憶。なので、色まで見えるっていうのも後から勝手に記憶が混乱してできた思い込みだったのかも。

というわけで改めてネットで眼視やってる人のレポートを探してみました。数年前、少年時代以来ずっとご無沙汰だった天文趣味に興味を持ちだした時にはデジタル化ですっかり様変わりした天体写真技術の知識を得るのに必死で眼視観測については完全にスルーしていましたが面白いレポートが色々あるんですね。

その中でも読み応えがあったのが、双眼望遠鏡による眼視観測がテーマのサイト「蒼い星」の記録。その中に M42 の色は見えるのか?という話が。

オリオンの大星雲の色を見るには、ある程度の口径が必要と言われている

諸説あるみたいだが、私の知る限り25cmは最低でも必要みたいだ、
Blueは双眼とはいえ、口径はわずか13cmにすぎない
Blueでオリオンの大星雲の色を見るのはというのは無謀だろうか?

(中略)

さて、肝心のM42の色は?
「見えないなあ、白っぽくしか見えない..」
やはり、13cmという口径では集光力不足か? いや、待てよ、
38cmドブソニアンでも色が見えてる訳じゃない、ということは もっと暗い空でなければ
ダメなんだ。
テーマ その2 「オリオンの大星雲の色を見る!」- Blue Impressions

場所は兵庫県砥峰高原です。Google Maps で見ると思いっきり山の中なんですが、そこでも 38cm でもダメなんですか… えええぇぇ…

一方、40cm ドブソニアンでの眼視観測がテーマのサイト「天体観望のすすめ」によると、富士山からだと三裂星雲の色がなんとなくはわかるという話が。

Ninja-400(40cm反射ドブ)で、最高の夜空では、複雑な暗黒星雲の様子は勿論、星雲の色もなんとなく分かります。三裂しているほうが赤っぽく、北の星雲のほうがなんとなく青っぽいのです。最初に色を感じたのは7,8年前の富士山須走五合目ででした。望遠鏡はNinja-320です。
天体観望のすすめ: 三裂星雲M20

「なんとなく」を見るのに「最高の夜空では」という但し書き付きなのが、いかにそれを見るのが難しいかをうかがわせます。

M42 の色については天文ファンの集まる掲示板でこんなやりとりもありました。

■--オリオン星雲(M42)って、本当は何色に見える?
>>>にしはま -- 2002/10/23-15:44..No.[132]

頭と翼のふちになる上の方はピンク。羽の内側はエメラルドグリーンで、
トラペジウム付近は青色が濃く見える。オーストラリアと口径32センチ
という好条件もあり、すばらしい眺めを体験できた(倍率は100倍前後)
*-- 開業準備中♪ --*

>>> Ann -[URL] -- 2002/10/24-23:40..No.[140]

実際は何色というより個人差の方が大きいようです。
私はどうも他人よりも緑の感色性が高いようでして、
そのため赤に対してはやや低めのようです。
当然M42はまみどりに見えます。
25センチでも40センチでも。
過去最大だったのは60センチですがやはり赤く見えた記憶はありません。
もしかするとややピンクかもしれないが...と言う程度でした。
皆さんにはどう見えているのでしょう?
*-- 開業準備中♪ --*

>>> タツヤ2号 -- 2002/10/28-00:39..No.[159]

 信じてもらえることが少ないのですが、私は国内でも
まずまずな空(大塔村、高見峠、御園レベル)で条件が
良ければ25センチクラスでも赤銅色が感じられます。

望遠鏡サミットなどで何人かに「これ赤く見えてますよ
ね!」と言ったのですが誰も賛成してくれませんでした。
写真の影響でイメージ作りすぎかと思っていましたが、
オーストラリアでにしはまさんに「見える!」と言って
いただき、自分の目がおかしくなかったことを確信した
次第です。

 しかし、個人差が大きいとはいえ、あれだけのマニアが
集まるサミットの様なところでも、M42の赤(ピンク)
が見えるという人がいないのが不思議です。
*-- 開業準備中♪ --*

どうも普通は M42 は緑色に見えるようです。「羽根」の部分について赤系の色が見える場合と見えない場合があるようですが、中心部が緑色に見えるのは共通のようです。写真とは随分違う印象ですね。そういえばたまに緑色に仕上げた M42 の写真を見かけるのですが、あれは眼視のイメージに寄せていたのかな…

最初の HIROPON さんのコメントでは昔からの天文ファンだと「昔見た藤井旭氏の写真」がリファレンスになりがちという話が出ていますが、僕も藤井旭『全天 星雲星団ガイドブック』の表紙のカラー写真の記憶から M42 といえばピンク色というイメージがありました。

でも『全天 星雲星団ガイドブック』には眼視での見え方も書いてあるわけで、なんでそんなイメージが根付いちゃったのかな、と思って同書の M42 の解説を見ると驚愕の記述が。

暗い空に6〜8cmの低倍率でながめると,複雑で入りくんだ星雲の光芒と,ピンク色が,じつに生き生きとした美しさを味わせてくれます.
藤井旭『全天 星雲星団ガイドブック』(誠文堂新光社) p266-268

6〜8cm ですか!?三裂星雲についてはこんな記述。

この星雲の魅力はなんといってもその色彩で,15cm以上の大きな口径の望遠鏡でながめると,三裂星雲の淡いピンク色と,そのすぐ北にある青い星雲のベールのような色彩とのコントラストが,目のさめるような,ため息のでるような美しさです。
藤井旭『全天 星雲星団ガイドブック』(誠文堂新光社) p137

15cm ですか…

どちらも先程までの話と比べると目を疑うような話ですが、なにしろ初版が 1978 年の本です。当時の空はそれほどにまで暗く澄み渡っていたのでしょうか…

とりあえずそのへんの天文台の観望会では星雲の色を確かめるのは無理そうです。そもそも天体の淡い光では色の感じ方に個人差があって正しい色が何なのかは一概には言えないという事情もあるようです。

結局のところ天体の色は社会的に構築されたものだ、などと言ったら言い過ぎかもしれませんが、天体写真の色調が「それっぽく見える」かどうかはその時代の色づくりの流行に合っているかどうかという話になって、天体そのものだけでなく天文ファンたちのコミュニケーションにも向き合っていかなければ「正解」は見つからないということなのでしょう。

なんだかむつかしい話になってしまいました。僕そういうの自信ないわ… 天体だけ見ていたい!

アンタレスと M4 (2017/5/1)

昨夜は早めに帰宅後一眠りして深夜から天体撮影、と思ったら全然眠れず結局 22 時半頃から極軸合わせを始めて、ネットしながらだらだら作業してたせいで 1 時間以上かかりました。撮影開始は 24 時前。

最初のターゲットはさそり座のアンタレスとそのすぐ隣にある球状星団 M4 です。途中で雲が出てきて二度も撮影中断。結局 14 枚撮ってなんとか使えるカットを 8 枚確保できました。

アンタレス, M4 (2017/5/2 00:52)
アンタレス, M4 (2017/5/2 00:52)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 0.6x レデューサー + LPS-D1
ISO 200, 300s x 8枚
DeepSkyStacker 3.3.2, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 610mm 相当にトリミング

5 分露出だと露出オーバーでアンタレスの赤みがわからなくなるかな?と思ったら広がった光に赤みが残っていてなんとか赤い星に見えます。アンタレスの右斜め上に見える小さな球状星団は NGC6144 です。

アンタレスの右に並んだ大きな球状星団が M4 です。集中度が低くてなんだかゆるい感じの球状星団ですがこれだけ大きいと見ごたえがありますね。

アンタレスの周りから写真左上にかけてのモヤはアンタレスの周囲にある散光星雲、だと思いますが… (弱気)

というか、今回はその散光星雲がどの程度写るかを見たかったのですが、光害のカブリとほとんど区別がつかないレベルでしか写ってなくて。明らかな傾斜カブリは段階フィルターで補正していますが、それ以外はよくわからないのでそのままにしています。

もうちょっとモクモクと浮き出てくるのを期待していたのですが思ったよりずっと淡いようです。露出が足りてないのかもしれませんが背景の濃度は 60% を超えていてこれ以上は… 横浜の空ではダメなのでしょうか。

この後 M17 オメガ星雲と M18 を撮ろうとしていたのですが、導入が終わってさて撮ろうかという時に雲が流れてきて、流れていくのを待っていたのですがあとからあとから雲がわいてきて 2:30 を過ぎたところであきらめました。M17 は15秒の試し撮りでも姿が見えていたので楽しみだったのですが…

今回はさすがにフードの伸ばし忘れもなかったし、向かいのマンションの部屋も消灯していたし、ガイドも途中までは荒れ気味だったもののその後は好調だっただけに残念です。

追記: こういうのが撮りたかった

ユニテックさんのフォトギャラリーにアンタレス周辺の星雲の写真が載ってました。

単純計算だと露出は4倍くらいですが ISO3200 で撮影ということなので実質的にはそこまで差はないとは思いますが、まずは露出が足りないんですかね。あとは空の暗さか…

月齢5.9

ついさっき撮った月です。久しぶりに撮りました。特別な画像処理なしの1枚撮り。

月齢5.9 (2017/5/2 19:20)
月齢5.9 (2017/5/2 19:20)
OLYMPUS OM-D E-M5, 笠井 BLANCA-80EDT (8cm F6) + 2x TELECONVERTER EC-20
ISO 400, 1/60s
Lightroom CC で画像処理

1枚撮りだとライブビューでははっきり見える細い谷が見えなくなってしまっているのが残念。かといって動画で撮って RegiStax とかそっち方面にはまだ踏み切れない…