先日撮影した月面の拡大写真、シーイングに恵まれずいまいちキリッとしないという話をしていましたが、なんかこれ、ボケというよりはブレっぽいよなーと思い、ふと Photoshop CC の「ぶれの軽減」フィルターが使えないかと思い立って試してみました。
「ぶれの軽減」フィルターについては Adobe 公式のこちらを参照。
原理はよくわかりませんが、 motion deblurring でググると論文がたくさん出てくるのでそのどれかなんでしょう。Wiener deconvolution というのがメジャーっぽいんですが、そのあたりでしょうか?
以下フィルターの効果がわかるように、RegiStax の出力画像を before、それにフイルターをかけただけの画像を after とします。どちらも画質調整はせずにトリミングのみで掲載しています。撮影データについては各写真の元記事を参照。フィルターのパラメータはデフォルトあるいは自動で、フィルター画面を開いてそのまま [OK] しました。
まず「月面 (2018/9/28)」の「キリルス、ティオフィルス (2018/9/29 00:53)」の before:
after:
同じく「月面 (2018/9/28)」の「アルタイの崖 (2018/9/29 01:49-01:57 8枚モザイク)」の before:
after:
「プラトー (2018/10/1)」の「プラトー (2018/10/2 04:29-04:31 2枚モザイク)」の before:
after:
最後に「月面いろいろ (2018/10/1)」から「ティコ (2018/10/2 04:43)」の before:
after:
どうでしょう? 結構すごくないですか!? 個人的には初めて RegiStax 使った時みたいな感動があったんですが…
でも RegiStax で頑張ったら最初から after みたいな画像にならないか? と思って頑張って RegiStax いじって再現できないか試してみたのですが、ダメでした。やっぱりブレの成分をなんとかできないとダメなのかな?
しかしこういうフィルター使うのはアリなんでしょうか? やっぱりアルゴリズムが気になります。deconvolution の一種なら特に問題ないような気はするのですが、万一ニューラルネットを使ったAIお絵描き的な処理が入っていたらちょっと避けたいところです。まあ、それはなさそうですが。
ちなみにこのフイルター、むっちゃ重いです。Core i5 6600 3.3GHz (4コア4スレッド)で Full-HD サイズの画像の処理に5分近くかかります。パラメーターを試行錯誤してみたいところですが、プレビューもむっちゃ重くて色々試すのは大変そうです。
でもデフォルト設定でもこれだけ効果あるのだから今後も使っていこうかなぁ…