2月の3連休は天気も体調も悪く寝てばっかりだったのですが、起きている間は一昨年撮った M42 の再処理をしていました。一昨年 M42 を wavelet 処理した際に暗部に盛大にノイズが出てこのままでは使えないねという話になって終わったやつを、もう少しなんとかしようというわけです。
その成果がこちら。
中心部はこんな感じです。
前回のエントリと比べると精細さもノイズもそこそこな中間的な仕上がりです。個人的には気に入っています。今時は周辺の分子雲をぶわっとあぶり出すのが普通みたいですが、このくらいの方が透明感があっていいんじゃないかなと…
今回の再処理は、一言で言うと前回の wavelet 処理前の画像と wavelet 処理後の画像を Photoshop のレイヤーで重ねてブレンドしただけです。具体的には、以下のようにしています。
- 背景レイヤーに元画像
- その上のレイヤーに描画モード乗算、不透明度75%で wavelet 処理後の画像
- スマートフィルターで「ノイズを軽減」と「ダスト&スクラッチ」
- 露光量でガンマを1.61に
- 自然な彩度で彩度マシマシ
- トーンカーブでカラーバランス調整
黒眼銀河の wavelet 処理では比較暗で合成しましたが、色々試したところ乗算の方が自然に見える気がしたのでそうしています。ただし、合成結果が暗くなるので(コントラストが上がる)のでガンマ補正で元の階調に近い形に戻しています。
ブレンドしただけではまだ暗部にザラザラ感が残っていたのでダスト&スクラッチで対処しました… いいのかな天体写真にこんなの使って? 中心部にかかる暗黒星雲の精細感を損なわずにノイズを除去するとなるとこれしか思いつきませんでした。
色調は前回はいまいち色が薄かったので濃い目に、そしたら全体に青みが強まってしまったので、青みを消して背景の一番暗いところをニュートラルグレーに近づくよう(少しだけ青みを残して)調整しました。
ちなみに wavelet 処理は仕上げ後の画像に適用しています。実は今回、仕上げ前の DSS の出力を wavelet 処理するのも試してみたのですが、輝星の周りに十字状に点々とゴーストが発生(いわゆるサッポロポテト現象)して見苦しくなったのでボツにしました。
おそらくゴーストは光害のカブリよりわずかに明るい程度で、レベル補正後だと消えてしまっているのでしょう。しかし空の暗いところで長時間露出して強めの強調処理をかけたら wavlet じゃなくても顕在化してくるかも?