先日再処理した6月13日の木星の「ベストショット」ですが、
ふと思い立ってさらに再処理してみました。きっかけは id:snct-astro さんとのこんなやりとり。
waveletとderotationの順番はどうされてます?
— nagahiro (@pochomskii) 2019年6月21日
de-rotationしてからwaveletだと思ってたんですが,逆はどうなのでしょう?https://t.co/y0SkQq8iCh
de-rotation してから wavelet ですね。ノイズを減らして wavelet で攻める余地を作るのが de-rotation の目的だと思うので、必然的に。measurement の際には wavelet したものを一度読み込んで位置合わせしますが。
— ナょωレよ″丶)ょぅすレナ (@rna) 2019年6月21日
こう答えたものの、実際 wavelet → de-rotation で処理したらどうなるのだろう?と思って試してみたところ、de-rotation → wavelet とほとんど変わらない結果になって、だったら wavelet 最後に一回だけ調整すればいい分 de-rotation → wavelet の方が楽だよね、と思ったのですが…
そこでふと、wavelet 処理後の画像にさらに wavelet 処理をかけて微調整とかできないんだろうか?ということが気になり、試してみた結果がこちら。
解像感は上がりましたが、ちょっとエグいかな…?
前回の再処理で作った wavelet 処理済み画像(Lightroomで調整する前のもの)にさらに wavelet 処理をかけました。ポイントは最初の wavelet 処理では waveletscheme で「Dyadic (2^n)」を使っていたのに対して、2回目の wavelet 処理では「Linear」を使って、しかもほんの少しだけ強調するところ。
2回目の wavelet パラメータを以下に。
- Waveletscheme: Linear
- Initial Layer: 1
- Step Increment: 0
- Wavelet filter: Gaussian
- Contrast: 100
- Brightness: 0
Layer | Denoise | Sharpen | 設定値 |
---|---|---|---|
1 | 0.10 | 0.100 | 1.0 |
2 | 0.10 | 0.100 | 1.0 |
3 | 0.05 | 0.100 | 4.2 |
4 | 0.05 | 0.100 | 4.2 |
5 | 0.00 | 0.100 | 1.0 |
6 | 0.00 | 0.100 | 1.0 |
1回目の wavelet 処理を Linear にしてレイヤー増やして頑張れば2回目いらない気もするのですが、2回に分けたほうが調整しやすい気がします。
仕上げの Lightroom の現像設定は以下の通り。
WB | |
---|---|
色温度 | -1 |
色かぶり補正 | +30 |
階調 | |
露光量 | +0.00 |
外観 | |
テクスチャ | +0 |
明瞭度 | +0 |
かすみの除去 | +0 |
自然な彩度 | +6 |
彩度 | +6 |
シャープ | |
適用量 | 0 |
ノイズ軽減 | |
輝度 | 34 |
- ディテール | 70 |
- コントラスト | 20 |
カラー | 10 |
- ディテール | 50 |
- 滑らかさ | 50 |
ちなみに再処理で wavelet パラメータを強めにする前の wavelet 画像に2回目 wavelet をかけたのがこちら。このくらいの方がいいかなぁ。だとすると、1回目の wavelet は控えめにした方がいいのかも。
2段 wavelet で少しはシャキっとしたものの、まだワンランク上とはいかないですね… やっぱり画像処理でなんとかするのではなくて、根本的に対策が必要そうです。