Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

ばら星雲(再処理)

先日の M83 の画像処理で初めて星マスクを使いましたが、1月に撮ったばら星雲も同様に再処理してみました。

ばら星雲 (2019/1/1 21:54)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), LPS-D1 48mm / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 15分 x 12コマ 総露出時間 3時間 / RStacker 0.6.4, DeepSkyStacker 4.1.1, Photoshop CC, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 984mm 相当にトリミング

ばら星雲は中心部に散開星団があり、周りには冬の天の川の星々が散らばっていて星雲が星に埋もれがちです。星マスクで星の輝きを抑えれば星雲が目立つかなと思ったのですが、マスクの効きを強くすると星雲に重なった星の周囲が落ち窪んだようになってしまうので、マスクの効きを弱めなくてはならず、結局いまいち抑えきれませんでした。

とはいえ、前回より星雲を強調しつつ星のギラつきは控えめにできた、かな?もう少しなんとかならないかなと思うのですが、こういうのは以前 M42 でやったように多段階露出で撮って HDR 合成するのがいいんでしょうね。

前回困っていた Camera Raw フィルターの調整値を残して再調整できるようにしたいという件、スマートフィルターを使えばできました。とはいえ、スマートフィルターの調整時には色調補正レイヤーが適用される前の画像でしかプレビューできないので、なかなか思うように調整できず、トライ&エラーのくり返しになってしまいます。結局 Lightroom で最終調整になるんですよね。

PHD2のドリフトアライメントについて

先日のM83の撮影の時に、PHD2 のガイドグラフの南北が入れ替わっててドリフトアライメントの際の極軸の調整方向が逆になってしまったという話について。

原因はわからないのですが、ガイドグラフの北(赤緯の+側)と南(赤緯の−側)が入れ替わっているっぽいのです。ガイドカメラを変えたせいでしょうか?それとも PHD2 のバージョンを上げたせい?深く追求している時間がないのでとにかくいつもとは逆方向に調整することにしました。
1年ぶりの M83 (2019/3/8)

あの後PHD2のマニュアルを確認したところ、v2.6.5 のマニュアルには v2.6.1 のマニュアルにはなかった記述が出てきます。

初めて方位の調整を行う場合、東に向けるべきか西に向けるべきかが分からないでしょう。PHD2 の側でも分からないので推測になりますが、1/2 の確率で正しい方向に調整できるはずです。調整した方向が正しければトレンドラインはフラットになり(傾きが小さくなって水平に近づく)、間違っていればドリフト速度は増加します(上の例ではより急激に下がります)。
『PHD2 日本語マニュアル(v2.6.5)』 p115

v2.6.1 のマニュアルにはトレンドラインの傾きと極軸の調整方向の関係は書かれてなかったのですが、v2.6.5 のマニュアルでは「PHD2 の側でも分からない」と明記されてしまいました。それってどういうこと?

グラフ表示の説明を見ると以下のような記述がありました。これも v2.6.1 のマニュアルにはなかった記述です。

「マウント」や「Aux マウント」において ASCOM 接続を使用している場合、上の例に示すように、ガイドコマンドの方向(GuideNorth, GuideEast)が表示されます。これは、全体的なドリフトの傾向を見て赤緯側ガイドを一方向に限定したい場合、役に立ちます。このグラフで使われる上下の表記は、カメラの向きや視野内における東西南北の動きとは関係ありません。
『PHD2 日本語マニュアル(v2.6.5)』 p35

グラフの上下が東西南北と関係ないってどういうこと?この部分の記述は v2.6.5dev7 のマニュアルでは、こうなっていました。

For various mount and hardware reasons, these directions may not correspond to actual directions in the sky, particularly for Dec.
Graphical Display - PHD2 v2.6.5dev7

架台やハードウェアが理由らしいですが… このあたり何か議論になっていないかと思い github の issue を探していたらこんな記述がありました。

We do not always know if the GuideNorth command is actually moving the scope
North. For example with an ST-4 connection, GuideNorth will move the scope
South after a pier flip. Also, some ASCOM mounts behave differently after a
pier flip. Some will move North, others will move South.
Request to display directions N/S/E/W on Target · Issue #347 · OpenPHDGuiding/phd2

ガイド信号の「北」が実際に望遠鏡を北に向けるとは限らなくて、ST-4 互換のガイダーだと子午線越えで鏡筒を反転させたら南北が逆転する、ASCOM 接続しても逆転するやつとしないやつがある、ということのようです。

それはわかるんですが、どっちがどっちかはキャリブレーションの時にわかるのでは… それともわからない場合があるのでしょうか?

なんだか納得行かないのですが、「ドリフト法による極軸調整」のページは赤緯のトレンドラインの傾きと調整方向の関係が逆になることがあるとの注釈を追加しておきました。

ソースコードの修正履歴のこのあたりを見ると単純にプロットの上下が逆になってるようなので、PHD2 v2.6.2 以降は逆、という話で済ませていい気もするのですが、ちょっと判断が付きませんでした。

このあたりわかる方がいらっしゃいましたら是非コメント欄で教えていただけると助かります…

M83 再処理(星マスク初挑戦)

先日撮った M83 ですが、強調処理が強すぎてザラザラなのがやっぱり気になって再処理してみました。

前回と同じ DeepSkyStacker の出力を元にして、前回は Lightroom (LR)だけで処理したのを今回は8割くらいの処理を Photoshop CC で行って、最終調整のみ LR を使ってみました。これに伴い今までやったことのない星マスクを使った処理もやってみました。

M83 (2019/3/9 01:26)
M83 (2019/3/9 01:26)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), LPS-D1 48mm / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + ASI290MM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 12分 x 8コマ 総露出時間 1時間36分 / DeepSkyStacker 4.1.1, Photoshop CC, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1915mm 相当にトリミング

前回より強調処理は抑えて、ノイズ除去は強めにかけてザラザラ感を低減してみました。ちょっと地味だし、周辺の円盤状に広がった淡い領域も見えにくくなっていますが、iPad の画面サイズくらいでもまあまあ見れる仕上がりになったと思います。

淡い部分をこれ以上あぶり出すと背景のノイズが浮いてくるし、それをギリギリのところで抑えようとすると星雲がザラザラになってしまいます。

今まで星マスクはいらないと思っていたのですが、やってみると違うものですね… マスクはレベル補正 + ガウスぼかしで作成していますが、明るい二つの星は周囲に広がった光が大きかったので手描きでマスクを広げています。

星マスクは天体写真の嘘の部分を増やすというか、強調処理という嘘があることを見えなくする処理なので抵抗があったのですが、観賞用の写真としては、やはりやったほうがいいんだろうなぁ、という気がしてきました。

Photoshop はまだ不慣れで、Photoshop で処理と言いつつカラーバランスとかノイズ除去とかは Camera RAW のフィルターを使っています。慣れた Lightroom と同じ感覚で調整できるのはいいのですが、調整値が残らなくて後から同じ調整を再現できないのが不満です。何かやり方あるのかな?

月齢4.7の月面モザイク (2019/3/11)

昨日は早めに帰宅して月齢4.7の月をモザイク撮影しました。μ-180C での月全体のモザイク撮影は初めてです。

月齢4.7 (2019/3/11 18:20-18:40)
月齢4.7 (2019/3/11 18:20-18:40)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MC / 露出 1/125s x 1000/3000コマをスタック処理 x 14枚をモザイク合成 / AutoStakkert!3 3.0.14, RegiStax 6.1.0.8, Image Composite Editor 2.0.3.0, Photoshop CC, Lightroom Classic CC で画像処理

14枚モザイクで長辺7263ピクセルの巨大な画像になりましたが、正直等倍ではかなりボケてます。シーイングが悪くて川底みたいな感じだったのですが、撮影終盤で少し落ち着いてきたので鏡筒の温度順応が不十分だったせいでもあるのかもしれません。

長辺2048pxぐらいまでの縮小画像で見る分には悪くないのですが、それだったら8cm屈折でもよかったかも… 上の画像から等倍切り出しした画像も貼っておきます。

ヘラクレス、アトラス (2019/3/11 18:37)
ヘラクレス、アトラス (2019/3/11 18:37)

オニール橋付近 (2019/3/11 18:33)
オニール橋付近 (2019/3/11 18:33)

メシエ、メシエA (2019/3/11 18:31)
メシエ、メシエA (2019/3/11 18:31)

やっぱり等倍で見ると残念な気持ちに… 口径18cmの実力の半分くらいしか出てない感じです。

今回は月の表面の色味も表現しようとカラーカメラで撮りましたが、低い空の月は全体に黄色みが強くて表面の色味とかわからないですね…

ちなみに動画記録時に間違えて16bit SER形式で記録してしまったで1カット12GBという巨大なファイルが大量にできてしまって往生しました。細い月でカット数が少なく済んだのが幸いですが、半月ならこの倍近くになるので8bit AVIで撮らないとヤバいですね。

1年ぶりの M83 (2019/3/8)

3月8日の深夜はうみへび座のフェイスオン銀河 M83 を撮りました。昨年は思わずこれはひどいと言ってしまうくらいひどい写りだったのでリベンジです。本当は2月中に撮りたかったのですが天候に恵まれず3月に入ってしまいました。

M83は7等台の明るい銀河ですが横浜からは南中高度が25度以下と低く、光害の影響を受けやすいのがネックです。一昨年初めて撮った時は2月の始めだったのでよく写ったのですが、昨年は3月下旬に撮ったところ春霞で光害カブリが増大してひどい写りになりました。

昨日は朝富士山がよく見えたので空の透明度は悪くないと思って期待しつつ撮りましたが、結果は…

M83 (2019/3/9 01:26)
M83 (2019/3/9 01:26)
笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), LPS-D1 48mm / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + ASI290MM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (ISO200, RAW) / 露出 12分 x 8コマ 総露出時間 1時間36分 / DeepSkyStacker 4.1.1, Lightroom CC で画像処理, フルサイズ換算 1915mm 相当にトリミング

まあまあ、ですね。等倍ではザラザラなのですが縮小画像なら見れるといったところでしょうか。レデューサー使用で撮った一昨年の写真と比べると、渦巻き構造の詳細が見えてきて、腕に沿って走る暗黒帯も見えてきました。

F6, ISO200で12分露出ですが、本当はもう少し露出をかけたかったところです。でも背景の輝度が75%もあったのでこれ以上は無理と判断しました。南中時にはもっとマシでしたが露出を伸ばすと結局最初と最後に高度の低い(背景の明るい)カットが入ってしまうんですよね。高度の低い対象を長時間露出で撮るのは難しいです。Fの明るい鏡筒が欲しい…

この日も本当は12枚コンポジットの予定でしたが、最後の方は背景が明るすぎるのでボツにしました。最初の方はトラブルで撮れなかったりボツにしたりだったのですが、ちゃんと撮っていてもやはりボツだったと思います。

トラブルというのは… 今回はちょっと色々やらかしてしまいました。

22:30頃からドリフトアライメントを始めようとしたのですが、オートガイダーのキャリブレーションができません。キャリブレーション中にガイド星がほとんど動かないのです。この時点ではガイドカメラはいつもの QHY5L-II-M を使っていました。

ここで先日ガイドカメラのファームウェアをアップデートしたのことを思い出し、てっきりそのせいだと思い込んでしまいました。ドライバも PHD2 も3年前に入れたままの古いものなので、新しいファームとの相性問題が発生したと思ったのです。

まず、カメラドライバを最新にしましたが、状況は変わらず。次に PHD2 を 2.6.1 から最新の 2.6.5 にアップデートしましたが、やはり変わらず。これはカメラが逝かれてしまったのかも… と思い惑星撮影用の ASI290MM をガイドカメラにすることを思いつきます。

しかしCマウントのガイド鏡に取り付けられるのか?と思ったのですが、ASI290MM を買った時に付いてきたTマウントで取り付けるレンズを見るとレンズの先がねじ込み式になっていて、このネジがCマウントでした。レンズを外したところにガイド鏡をねじ込んだところ、無事接続できました。

もっとも QHY5L-II-MM とはフランジバックに差があり、ガイド鏡のピントが大きくずれてしまいました。miniGuideScope は対物レンズのネジを回してピントを調節するのですが、レンズが外れるんじゃないかと思うくらいの量を繰り出してやっとピントが合いました。

PHD2 から接続すると無事カメラとマウントに接続。最初は映像が真っ白でしたが設定でゲインを落とすと星が写るようになりました。ここでキャリブレーションを開始したのですが… 動きません。ガイド星が。

ここに至ってやっと気付きを得ました。これはケーブルがマズいのではないかと。断線かなと。しかしオートガイダー用のケーブルの予備は買ってなかったよなー、電話の線の6芯のやつなら使えるんだっけ、でも持ってないなー、などと思ったのですが、よく考えたら ASI290MM/MC の付属品のケーブルがありました。

というわけで、ケーブルを交換。カメラ側の線を抜いて新しいケーブルを挿し、SB-10 側の線を… ?…!?

オートガイダーケーブルをLANポートに挿してはいけません。
※ 再現映像

…なるほどね。

はい。SB-10 コントローラーのLANの方のモジュラージャックにオートガイダーケーブルを挿していたのです。A.G.の方ではなく。挿した時プラグのツメがカチッて鳴ったからヨシ!*1 って思ってたんですよね。LANの方はサイズ違うからゆるゆるになると思うじゃないですか。でも実際は意外とピッタリと挿さるんですね。

今までやったこと全部無駄!と崩れ落ちそうになりましたが、気を取り直してこのまま ASI290MM でガイドすることにしました。QHY5L-II-M とケーブルが無事であることを確かめたかったのですが、色々元に戻そうとすると時間がありません。

しかし PHD2 も「マウントに接続」とかドヤ顔で言ってたけど接続してへんやん!などと八つ当たりしつつキャリブレーションを無事完了、ドリフトアライメントに入ります。ガイドグラフの傾きは上向き(ガイド星が北にドリフト)だな、と極軸を東に調整したのですが、再びドリフトさせるとガイドグラフの傾きがもっと上を向いてしまいました。

原因はわからないのですが、ガイドグラフの北(赤緯の+側)と南(赤緯の−側)が入れ替わっているっぽいのです。ガイドカメラを変えたせいでしょうか?それとも PHD2 のバージョンを上げたせい?深く追求している時間がないのでとにかくいつもとは逆方向に調整することにしました。

これは後で確認して場合によっては「ドリフト法による極軸調整」の方も修正しないとマズいですね。うちも逆だったよ、という方はコメント欄にガイドカメラの機種とPHD2のバージョンを添えてコメントしていただけると助かります。

そんなわけで、なんとか極軸を合わせた後、スピカを導入しバーティノフマスクでピントを合わせ、M83 を自動導入し、60秒で試し撮りしながら構図を調整して、12分露出の試し撮り。結果をPCで見て光害カブリがひどいなーと思いつつ本番1枚目を撮影して、2枚目の途中で巻きつけフードを付け忘れているのに気が付きました。

バーティノフマスクを固定できない段ボール製の自作巻きつけフードなのでピント合わせをしてから取り付けるのですが、慌てててすっかり忘れていました。高度が低く地上の明かりからの迷光が怖いので2枚目の撮影を中断してフードを取り付けた後1枚目からやり直しました。時刻は1:25。結構ギリギリです。

この後はトラブルもなくスムースに撮影できました。今回はドリフト方向の混乱もあって一方向赤緯ガイドはやめて、普通に二軸ガイドでガイドしましたが、蛇行運転もなく順調にガイドできました。

RMSエラーは赤経赤緯共に1.1秒前後。いつも2秒以内にするのに苦労してることを思うと嘘のようです。ガイドカメラのセンサー解像度が上がったせいもあるのでしょうか。でもバックラッシュの影響は?なんだかよくわかりません。

あと PHD2 の画面を見て気づいたのですが、ターゲット表示の上下と履歴(ガイドグラフ)の上下が逆になってますね。ガイドグラフがマイナス(下)方向に振れるとターゲットのプラス(上)方向に点が打たれます。今までは同じ方向だったのですが… ガイドに影響ないとはいえ気持ち悪いです。なんなんでしょう。

というわけで、M83 はなんとか撮れました。画質に不満はありますが、今年はこれが限界ですかね。また来年頑張ってみたいです。

シリウスBの撮影にチャレンジ (2019/3/8)

3月8日の日没後、シリウスの伴星のシリウスBの撮影にチャレンジしました。離角が約10秒ということで直焦では厳しいと思い惑星撮影システムC(f=7265mm)での撮影です。カメラはシリウスの色を出したいと思いカラーカメラの ZWO ASI290MC を使いました。

結果は…

シリウス (2019/3/8 19:48)
シリウス (2019/3/8 19:48)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F40.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MC / 露出 2s x 30/30コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 3.0.14, Lightroom Classic CC で画像処理

いつものように北が上です。うーん… Sky & Telescope の記事 によるとシリウスのやや左上、10秒角ほど離れたところにシリウスBがあるはずなのですが、副鏡スパイダー由来の光条がその方向に伸びていて重なってしまっているようです。

よく見ると左上に伸びる光条の根本にコブのようなものが見えるのですが、これがシリウスBでしょうか?こんな感じ?

シリウスB? (2019/3/9 19:48)
シリウスB? (2019/3/9 19:48)

カメラの水平*1 が厳密にはとれてないので S&T の記事の星図とはちょっとズレていますが、位置的にはだいたい合っている気がします。

ぼんやりした写り方ですが、昨年フォボスダイモスを撮った時もぼんやりした写りだったのでこんなものでしょうか?

でもこの時以上に微妙ですね。ちょっとこれでは「撮れた」と自信を持って言えない感じです…

*1:というか、フレームの水平を天の赤道に並行にすること。

QHY5L-II-M が macOS で使えるようになっていた

以前 Mac では認識してくれない言っていた QHY5L-II-M の件。

これは2016年10月の話ですが、その後も時々ググって Mac 対応の状況を調べていました。昨夜久しぶりにググってみたところ、QHYCCD の BBS にファームウェアを更新すれば使えるらしいとの情報が…

You can input "system_profiler SPUSBDataType" on terminal,and check if camera's VID/PID is 1618/0921,if nor,but show 1618/0920,it is because didn't download firmware for camera.You can download EZCAP_Qt for Mac to download firmware,you can download EZCAP_Qt from our official website.About download firmware method,you can open EZCAP_Qt,and connect camera,after success,close software.
QHY5L-II with PHD2 on Mac OSX

これは初耳だったので試してみようとしたのですが…

まず、macOS Mojave にアップグレード済みの MacBook Air (11-inch, Mid 2012) に QHY5L-II-M を接続して Terminal から system_profiler SPUSBDataType を実行ししてみました。

$ system_profiler SPUSBDataType
USB:

    ...(中略)...

    USB 3.0 Bus:

      Host Controller Driver: AppleUSBXHCIPPT
      PCI Device ID: 0x1e31 
      PCI Revision ID: 0x0004 
      PCI Vendor ID: 0x8086 

        Vendor-Specific Device:

          Product ID: 0x0920
          Vendor ID: 0x1618
          Version: 0.00
          Speed: Up to 480 Mb/sec
          Location ID: 0x14100000 / 2
          Current Available (mA): 500
          Extra Operating Current (mA): 0

Vender ID / Product ID が 0x1618 / 0x0920 で、どうも古いファームのようです。

続いて 公式のダウンロードページから Mac 版の EZCAP-QT をダウンロードしたのですが、これを実行する前に一度最新版の PHD2 (v2.6.5)でカメラを認識しないことを確かめておこうと、PHD2 を再インストールして実行してみたのですが…

なんか認識してるっぽいんですけど!?

https://rna.sakura.ne.jp/share/PHD2-macOS-20190305.jpg

カメラに QHY Camera を選択したところ、カメラからの映像が入力されてきました。暗い室内を写しているのでピンぼけですが、カメラを動かすと像も動くので間違いなくカメラからの映像です。

上のスクリーンショットは何度か USB を抜き挿しした後に撮ったもので、挿し直した後 system_profiler を再実行た時の出力が Terminal の画面に写っていますが、よく見ると Product ID が 0x0921 に…

BBS の書き込みでは EZCAP-QT を起動終了するだけでカメラのファームが更新されるようなことが書いてありましたが、PHD2 でもカメラを接続するだけでファームが更新されるのでしょうか?

PHD2 の Changelog を見ると v2.6.4 (2017/9/25)で QHY のカメラサポートが更新されています。github の issue は2017年4月に fixed とあるのでやはりこの頃から対応されていたようですね。

というわけで、ずいぶん前からサポートされていたのに気付いていなかっただけみたいですが、日本語の情報が見当たらないのでエントリとしてアップしておきます。

近いうちに実際に Mac でオートガイドを試してみようと思います。