Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

画像処理

M16 わし星雲 (2021/6/9) / StarNet++ TF2 について

6月9日*1 は梅雨の晴れ間で新月期ということで天体撮影。体調は悪かったのですが、前夜、夜明け前にコンビニに行った時に木星がよく見えていたのに撮れなかった(温度順応待ってる間に夜が明けてしまうので)のが悔しかったので、無理して撮影しました。*2土星…

月齢20.6 / 継ぎ目破綻の恐怖 (2021/5/3)

5月3日未明、久しぶりに月を撮りました。連休中ですが家に篭っているだけなの疲れが溜まっていて SX2 をベランダに出す気力もなかったので久々にスカイメモSと BLANCA-80EDT で撮りました。下弦に近い月齢で、南中までには空が明るくなってしまうので、2:30 …

しし座4重銀河(NGC3190 + NGC3193 + NGC3187 + NGC3185)、NGC4302 + NGC4298、M83 (2021/3/14)

3月14日の夜は、またベランダで春の銀河祭りを開催しました。夜から強風との予報もありましたが、北からの風なので南向きベランダなら大丈夫かと思って。今回も 8cm F6 屈折 + モノクロCMOSカメラ(ASI290MM) での撮影ですが、前回とは異なり赤外撮影ではなく…

火星(失敗) (2020/10/24)

10月24日の夜は快晴。予報でも一晩中晴れで、久しぶりに雲に邪魔されずに撮れそうと気合も入っていたのですが…今回狙っていたのは火星のキンメリア人の海。20:30頃までに撮れれば正面に捉えることができるはずでした。18:30から機材の設置を開始、順調に作業…

惑星写真の画像処理の再検討

先日の火星の写真で wavelet 処理の際のパラメータを大幅に見直したという話をしました。 今回は wavelet パラメータを大幅に見直しています。具体的には今まで Initial Layer 2 で Layer 1〜3 で調整していたのを、今回は Initial Layer 1 で Layer 2〜6 で…

天下一画像処理会 : 惑星の部 応募作品解説

あらまし 天文系VTuberのけむけむさん主催の「天下一画像処理会 : 惑星の部」に応募しました。天下一画像処理会はけむけむさんが用意した同じ生データを参加者が各々工夫して画像処理した結果を持ち寄ってけむけむさんが動画にまとめるという企画です。発表…

惑星写真、8cm 屈折の実力は?

昨年木星を撮ってて18cmでこの程度なのか!?そんなはずはない!と、荒ぶって画像処理の修行をしてそこそこ満足出来るところまでたどりついたのですが、今の自分の画像処理技術で 8cm 屈折で撮ったベストショットを処理したらどうなのか?8cm屈折の実力を自…

木星状星雲を wavelet 処理

3月24日に撮った木星状星雲の写真、wavelet 処理はイマイチでボツにしたと言ってましたが、再チャレンジしました。NGC3242 木星状星雲 (2020/3/24 21:49) (normal + wavelet) 高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), ZWO IR/UVカットフィルター 1.2…

DeNoise AI 14連発

試用期間も残り少ない DeNoise AI ですが、先日から過去の画像もいろいろと処理してみたところ、だんだん傾向が見えてきた気がしました。以前掲載したものと一部重複しますが、DeNoise AI の試用前・試用後を14枚分まとめて紹介して検討します。それぞれ観賞…

DeNoise AI で木星を処理してみたけれど…

先日のM42の写真に DeNoise AI を使った記事へのコメントで id:snct-astro さんから「木星にDenoiseAIを施した結果を見て見たい」とのリクエストがあったのでやってみました。元画像は昨年の6月13日のベストショットです。仕上げ後の画像がこちら。木星 (201…

M42 に画像処理技術を総動員

2017年10月に撮った M42 のベストショット、以前 RegiStax で wavelet 処理をかけるのを試したのですが、イマイチでした。その後 Photoshop で少し工夫したりもしましたが、もう一つという感じでした。wavelet 処理をすると暗部にノイズが浮いてしまうのと、…

M100, M104 (2020/2/23)

2月23日の夜、オリオン座を撮った後は 8cm 屈折に載せ替えて、CMOS カメラ(ASI290MC)で春の銀河を撮りました。そして禁断の DeNoise AI も試してみました…ターゲットは渦巻きが綺麗な M100 と、UFO みたいな形が楽しい M104 です。デジカメでは低感度・長時…

オリオン座 (2020/2/23)

連休の中日の2月23日の夜、夕方から快晴だったのでベテルギウスが暗いうちにとオリオン座を撮ってみました。M42 が潰れないように、しかも淡い星雲も出るように、と手間ひまかけて多段階露光で撮ったのですが、光害カブリがひどくて強調処理が困難で淡い星雲…

疑惑のボリソフ彗星(2I/Borisov) (解析ごっこ編)

先日のエントリで11月30日早朝に撮った写真にボリソフ彗星(2I/Borisov)が写っているのか写っていないのか結論が出せなくてもやもやしていました。なんか心霊写真みたいにそう見てしまうとそう見えてしまうという現象という可能性が捨てきれず、何らかの客観…

プレアデス星団を再処理

10月31日のプレアデス星団の写真、あちこち階調が潰れ気味だったので再処理しました。M45 プレアデス星団 (2019/10/31 23:39) 笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折) / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + ASI290MM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS O…

ちょうこくしつ座銀河を再処理

昨夜のちょうこくしつ座銀河を再処理してみました。NGC253 ちょうこくしつ座銀河 (2019/11/1 22:06) 笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), LPS-D1 48mm / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + ASI290MM + PHD2 による自動ガイド/ OLYMPUS OM-D E-M5 (I…

天体衝突検出ソフト DeTeCt を使ってみた

木星や土星などの巨大ガス惑星への小天体の衝突による発光を検出するフリーソフト DeTeCt を使ってみました。きっかけはもちろんこのニュース。 Jupiter Impact 2019-08-07 4:07 UTC? by E.Chappel アメリカ・テキサス州のアマチュア天文家が、木星に、小天…

「ばら星雲」はこのくらいにしておきます…

ほんの軽い気持ちで StarNet++ を使用したばかりに再処理ループが止まらなくなったのですが、このへんで手を打とうと思います。ばら星雲 (2019/1/1 21:54) (StarNet++使用(3)) 笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), LPS-D1 48mm / Vixen SX2, D30mm f1…

「ばら星雲」をさらに再処理

前回の StarNet++ を使って再処理した「ばら星雲」ですが、もう少しだけ手を加えました。ばら星雲 (2019/1/1 21:54) (StarNet++使用(2)) 笠井 BLANCA-80EDT (D80mm f480mm F6 屈折), LPS-D1 48mm / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 に…

StarNet++ で「ばら星雲」

最近話題の StarNet++ で、1月1日に撮影した「ばら星雲」を処理してみました。StarNet++ については HIROPON(id:hp2) さんと id:snct-astro さんがブログで紹介しているのを見て知りました。 「星雲マスク」の使い方はよく知らないのでいまいちピンと来なか…

月面写真で AS!3 Sharpened vs RegiStax 6

また再処理ネタですが昨年の6月25日に撮った月面写真を再処理してました。当時はまだ RegiStax を使いこなせてなくて AutoStakkert!3 の Sharpened を ON にすると追加で出力される画像(ファイル名末尾に _conv が付くやつ)を使っていました。μ-180C の直焦…

「赤い涙」再処理、そして最近の大赤斑について

「大赤斑に異変? (2019/5/23)」の「赤い涙」を流す木星も再処理してみました。木星 (2019/5/25 00:15) (再処理) 高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F40.4), ZWO IR/UVカットフィルター …

Linked Wavelts で月と太陽を再処理

前回の記事に天リフから結構アクセスが来ているようです。うれしいです。調子に乗って月面写真と太陽黒点の写真も再処理してみました。まず月面。5月24日未明に惑星用の機材構成で撮った強拡大の写真です。アルキメデス、アリスティルス、オートリクス (2019…

惑星写真の画像処理 Before-After

6月13日撮影の木星の写真は Linked Wavelets の導入等、画像処理方法を変えたことで見違えるように解像感がアップしました。 これに気を良くして昨年のベストショットを新しい方法で再処理して、before → after の順に並べたものをアルバムにまとめてみまし…

6月13日の木星(最終版)

懲りずにまた6月13日の木星を再処理(再々々々々処理!)していました。以下の各件への対応です。 前回セルフLRGBを真っ当なやり方でやり直した結果、解像感が落ちてしまった。 前々回 Linked Wavelets を使ったら木星の縁(外周)が明るくなってしまった。 前々…

木星のセルフLRGB合成の件

前回のエントリで出てきた、カラー画像から擬似的にL画像を生成してLとRGBを別々に処理して最後にLRGB合成する「セルフLRGB合成」(と勝手に命名)について。セルフLRGB合成の狙いは、カラー画像の wavelet 処理で発生するカラーノイズを抑制することです。特…

Linked Wavelets で木星を再処理

またしても6月13日の木星の再処理です。今回は今まで使ったことがなかった RegiStax 6 の機能「Use Linked Wavelet Layers」(以下 Linked Wavelets)を試してみました。結果は…木星 (2019/6/13 22:07) (再々々処理(セルフLRGB)) 高橋 ミューロン180C (D180mm …

6月13日の木星を再々処理

先日再処理した6月13日の木星の「ベストショット」ですが、ふと思い立ってさらに再処理してみました。きっかけは id:snct-astro さんとのこんなやりとり。waveletとderotationの順番はどうされてます?de-rotationしてからwaveletだと思ってたんですが,逆は…

μ-180C の限界って?

6月13日夜の木星は今の所今期ベストの写りで、昨年のベストと比べても悪くはないといったところで、暇さえあれば13日の写真を見てニヤニヤする毎日だったのですが…でも、他の人の写真をながめていると、同クラスの機材でもまだ上が目指せるみたいなんですよ…

昨夜の木星を再処理

昨夜のベストショットを再処理しました。つい何も考えずに RegiStax で 2000 フレームのスタック用に調整したパラメータを使っていたのですが、de-rotation で 4000 フレーム相当のスタックなのでもう少しキツめに強調できるはず、と思って。木星 (2019/6/13…