Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

銀河

ポン・ブルックス彗星(12P)と M31 (2024/3/16) / フラット合わない地獄 / Star Adventurer GTi 復活

3月16日、自宅のマンションの廊下からポン・ブルックス彗星(12P)と M31 のツーショットを撮りました(撮れたとは言わない)。 撮影 当日は雲ひとつないと言っていいほどの快晴でしたが、大気の透明度は最悪で、低空に雲もないのに富士山が霞んでほとんど見えず…

Galaxy Annotator v0.9.2 をリリースしました(不具合修正版)

銀河専用アノテーションツール Galaxy Annotator について、先日のエントリでバグがあったという話をしました。 GalaxyAnnotator v0.9.1 を使用しましたが、スタイル指定の扱いにバグがみつかって、修正したものを使用しました。修正版は明日リリースします…

NGC4216 と超新星 SN 2024gy (2024/1/22)

1月22日の横浜は午前中悪天候でしたが午後から晴れてきて夜は快晴でした。この機会に月齢的にもうチャンスはないかもと思っていた NGC4216 で発見された超新星 SN 2024gy を撮影しました。ここ数年毎年超新星を撮っていて、しかも何故か全部板垣公一さんが発…

LRGB 合成で M31 を再処理

12月8日に撮った M31 のRGB画像と2年前に撮った M31 のL画像をLRGB合成して仕上げてみました。 あらためてイチから PixInsight で再処理です。あ、RGB の flat, dark, bias は前回処理した master を流用しました。light はイチからです。処理は WBPP で L/R…

M31 & 冬の散開星団祭り (2023/12/8)

12月8日の夜、近所の公園にでかけて天体撮影をしました。久々に「近征」してベランダからは見えない天体の撮影です。ターゲットは M31 アンドロメダ座大銀河ですが、色々あってペルセウス座の二重星団 h+χ、ぎょしゃ座の M36, M37, M38 も撮りました。近征は…

Galaxy Annotator v0.9.1 をリリースしました

銀河専用アノテーションツール Galaxy Annotator について、去年だいこもんさん(id:snct-astro)から頂いた不具合報告への対応、一見して謎過ぎたので後回しにしていたのを一年以上忘れて放置してたのを思い出して対応しました… 原因がわかったので不具合修正…

Galaxy Annotator が ValueError で動かない場合の対処法

僕が開発して後悔公開*1している銀河専用のアノテーションツール Galaxy Annotator ですが、ながらく更新していないのですが、Anaconda 環境が更新されている関係で動かない場合があるようです。以下に対処法をまとめます。現在 Anaconda の最新バージョンは…

M13 / Star Adventurer GTi 初出撃(その2) (2023/5/24)

5月24日の深夜、前回書いた M101 と SN 2023ixf の撮影が終わった後、せっかく外に出てきたのだし、と思い、ヘルクレス座の球状星団 M13 を撮りました。M13 は、超メジャーな天体ではありますが、ずっと撮りたくて撮れなかった天体でした。まずその位置が赤…

M101 と超新星 SN 2023ixf / Star Adventurer GTi 初出撃 (2023/5/24)

5月24日の夜は公園にでかけておおぐま座の銀河 M101 (Pinwheel Galaxy / 回転花火銀河)を撮りました。もちろん話題沸騰中の超新星 SN 2023ixf が目当てです。平日だし天気は微妙だったし体調も良くはなかったのですが、天気予報的にも月齢的にもこれを逃すと…

NGC7293 らせん星雲、M45 プレアデス星団 + UGC02838 (2022/10/20)

あけましておめでとうございます。年末の藤井旭さんの訃報でなんとなく喪中みたいな気分でもありますが、星の巡りを祝うことくらいはきっと許してもらえると信じて…さて、なんと今年も一年のふりかえりエントリが間に合いませんでした!そもそも一昨年(2021…

NGC253 ちょうこくしつ座銀河 (2022/9/26, 2022/10/20)

もう2ヶ月前になりますが、9月26日の夜に FSQ-85EDP の実写テストも兼ねて NGC253「ちょうこくしつ座銀河」を撮りました。この時は L, R, G, B, Ha 全て撮ったのですが、L の総露出時間が足りなくてかなりノイジーな仕上がりになってしまったので、10月20日…

M60, NGC4647 と超新星SN 2022hrs (2022/4/22)

4月22日は昼の太陽の撮影の後、ベランダに出した機材をそのままにしておいて、夜から M60 と NGC4647 の銀河のペアを撮りました。というか、狙いはもちろん4月16日に板垣公一さんが発見した超新星 SN 2022hrs 狙いです。発見当時は15等ということで透明度次…

モノクロ冷却CMOSカメラ購入(その5): M31 アンドロメダ座大銀河 (2021/12/1)

最近、撮影後の画像処理に時間がかかったり、撮影自体が疲れるので心身の回復までに時間がかかったりするせいで、撮影の速度にブログを書く速度が追いついてません。今日はもう大晦日ですが12月1日の夜の話を今更書いています。今年の撮影は今年のうちにブロ…

モノクロ冷却CMOSカメラ購入(その2): NGC253 ちょうこくしつ座銀河 (2021/10/29)

ばたばたしているうちに1ヶ月経ってしまいましたが、10月29日に行った初のLRGB撮影*1 について書きます。前回はモノクロ冷却CMOSカメラ ZWO ASI294MM Pro のセットアップについて書きました。カメラが届いた頃には満月期だったのでDSOをターゲットとした最初…

Galaxy Annotator v0.9 (スタイル設定機能強化版)をリリースしました

銀河専用アノテーションツール Galaxy Annotator について、当初から要望がありながら先延ばしになっていたスタイル設定機能の強化を一通り実装したバーション(v0.9)をリリースしました。 https://github.com/rnanba/GalaxyAnnotator/releases/tag/v0.9 スク…

Galaxy Annotator v0.8 (距離精度向上版)をリリースしました

銀河専用アノテーションツール Galaxy Annotator の距離表示機能ですが、やはり近距離の銀河の距離の精度が悪すぎるのが気になり出したので対応版(v0.8)をリリースしました。 https://github.com/rnanba/GalaxyAnnotator/releases/tag/v0.8 スクリプトの修正…

Galaxy Annotator v0.7 (Windows 対応版)をリリースしました

銀河専用アノテーションツール Galaxy Annotator が Windows の Anaconda 環境でうまく動かないという問題が報告されたので、対応修正版(v0.7)をリリースしました。 https://github.com/rnanba/GalaxyAnnotator/releases/tag/v0.7 Windows の Anaconda 環境…

Galaxy Annotator v0.6 (不具合修正版)をリリースしました

昨日公開した Galaxy Annotator の不具合修正版(v0.6)をリリースしました。 https://github.com/rnanba/GalaxyAnnotator/releases/tag/v0.6 写野に等級データのない銀河があると、-m オプションを指定した leda-votable-to-galaxy.py がエラーで落ちるという…

WIKISKY.ORG で遠方銀河の距離を表示するスクリプトを作成しました

WIKISKY.ORG で銀河をクリックして表示される画面に何億光年等の距離情報を表示するための Greasemonkey スクリプトを作成しました。github で公開しています。 rnanba/LightTravelDistanceViewerForWikisky: Greasemonkey Script for Wikisky to view light…

遠方銀河のアノテーション用ツールを作成しました(距離表示付き)

先日、遠方の銀河の距離の調べ方について書きましたが、これをなんとか自動化してアノテーション付き画像まで生成するツールを作りました。github で公開しています。 rnanba/GalaxyAnnotator: Generate annotations for distant galaxies from image and as…

遠方の銀河の距離について

5月4日の黒眼銀河のエントリで18等星まで写ってるとドヤってた写真、遠方の銀河と思われる小さな像も写っています。アノテーションを付けた拡大画像の範囲だと PGC1651721 という銀河が写っています。右下の方の黄色い楕円で囲ってあるのがそれです。*1これ…

M64 黒眼銀河 / マルチスターガイドのテスト (2021/5/3)

5月3日の夜は快晴の予報だったので、月が出る1:00前までに M64 と M83 を撮る計画を立てていたのですが、夕方に寝落ちしてしまって出遅れてしまい、結局 M64 だけ撮りました。前回に引き続き赤外域まで使ったノーフィルターのモノクロCMOSカメラでの撮影です…

しし座4重銀河(NGC3190 + NGC3193 + NGC3187 + NGC3185)、NGC4302 + NGC4298、M83 (2021/3/14)

3月14日の夜は、またベランダで春の銀河祭りを開催しました。夜から強風との予報もありましたが、北からの風なので南向きベランダなら大丈夫かと思って。今回も 8cm F6 屈折 + モノクロCMOSカメラ(ASI290MM) での撮影ですが、前回とは異なり赤外撮影ではなく…

M60 + NGC4647 + M59 + NGC4638、M83 (2021/2/19)

2月19日の夜は春の銀河を撮りました。今回は最近流行り(?)のモノクロCMOSカメラとIRパスフィルターを使って赤外線で撮るテストです。赤外線で撮れば光害も平気、という噂なので、銀河ならモノクロでも楽しめるかなと思って試してみました。ターゲットはおと…

NGC2903 (2021/2/10)

ごぶさたしてます。今年最初のエントリになります。あけましておめでとうございます。って、もう2月も中旬になりますが… 1月はちょっと燃え尽きていた感じで、やっと星を見る余裕が出てきました。昨夜、2月10日の夜は久しぶりにベランダに SX2 を出してしし…

NGC253 ちょうこくしつ座銀河、M74 (2020/11/13)

このところばたばたしていてブログを書くのが遅れてしまいましたが、11月13日の夜にちょうこくしつ座銀河(NGC253)と M74 を撮りました。ちょうこくしつ座銀河も M74 も過去に2回撮っていますが、今回は惑星用のCMOSカメラ ASI290MC でアップで撮ってみようと…

DeNoise AI 14連発

試用期間も残り少ない DeNoise AI ですが、先日から過去の画像もいろいろと処理してみたところ、だんだん傾向が見えてきた気がしました。以前掲載したものと一部重複しますが、DeNoise AI の試用前・試用後を14枚分まとめて紹介して検討します。それぞれ観賞…

M81, M82 (2020/3/20)

祝日の3月20日、新月期に快晴の予報ということで昼から何を撮ろうか考えていました。一つの案はベランダから μ-180C で木星状星雲を撮ること。もう一つの案はマンションの廊下から M81 と M82 を撮ること。悩みましたが結局後者にしました。自宅のベランダは…

NGC4565 Needle Galaxy (2020/3/18)

3月18日の夜、平日ですが週末は天気が崩れるようなので思い切って天体撮影。ターゲットはかみのけ座の銀河 Needle Galaxy こと NGC4565 です。昨年撮影したものの中途半端にしか撮れなかったのでちゃんと撮りたいなと思って。昨年中途半端になった理由は南中…

M87のジェット (2020/3/16)

3月16日の夜は快晴。月の出は1:15で、それまでに何か撮ろうということでM87を撮ることにしました。もちろん目当てはブラックホールから出るジェットです。M87のジェットの撮影は昨年4月にチャレンジしましたが、存在は確認できたもののジェットらしい姿が写…